PC-9821Ap/U2の進む道


 一世を風靡したいわゆる「A−MATE」の第1作目です。「As」にするか迷いましたが、思い切って買ってしまいました。それにしてもあの当時はコンピュータが高く、「Ap」は本体だけで何と55万円という定価でした(HDDもグラフィックアクセラレータボードも何もついていなく、メモリは3.6MB)。今となっては信じられないような価格です。しかし、当時としては、486DX2/66というCPUは憧れにもなるようなものであり、「98ローカルバス」という32bitバスがついていたり、標準で640×480表示ができるという先進の機能を誇りました。しかし、14.6MBというメモリ上限の最後の機種ということで、1年を待たず「Ap2」にその座を譲りました。

240MB内蔵HDD、8MBメモリを増設
 現在主流のHDD容量と比べると20分の1ですが、6万円ぐらいしました(ICMのINTER240A)。メモリも6万円ぐらい(8MB・・・良く覚えていない)。ディスプレイも9万円ぐらいでしたから、通信販売で購入しても50万円近くかかったような記憶があります。その後さらにメモリを4MB増設しましたからいったいいくらかかっているのか。

DOS一筋
 Windows3.1も登場したので一応購入し、グラフィックアクセラレータボードまで購入し(メルコのWAB−S・・・今になって思えばローカルバスの製品を購入しておくべきでした)インストールしましたが、いまひとつなじめず、DOSアプリ一筋に使い続けました。この「Ap」から98標準のグラフィックが改善されて格段に速くなりました。当時「ARUGA」というワープロソフトを使っていましたが(今も使ってる)、「DA」でスクロールが非常に遅くいらついていたのがウソのように速くなりました。元々の購入目的は「A列車で行こう3」の動作が遅いのを何とかしたかったのですが、これについても非常に満足し、大金をはたいた甲斐があったと喜んだものです。

1年経たないうちにAp2が
 発売されて1年経つと後継機種が出るということは過去の例からもわかっていましたが、このときは違いました。何と半年程度で「Ap2」が登場してしまいました。CPUこそ486DX2/66で同じでしたが(細かなチューンがされた)、98シリーズの課題であったいわゆる「14.6MBの壁」が取り払われたのです。いずれはWindowsを使うだろうと思っていただけに大きなショックでした。しかもODPなるものも登場し始め、「こんなことならAsにしておけばショックも少なかったのに」と思ったものです。買い替えようとまじめに考えたこともあったほどです。

現役を退き改造へ
 その後新機種が続々登場し、時代は「486」から「Pentium」へと変わっても、衝動をこらえて2年ほど使用している間にWindows95の時代になりました。発売時のあのフィーバーを冷たい目で見ていた私ですが、発売後1年ほどで職場にWindows95が導入されることになり、コンピュータ関係を任されている立場上、手を染めないわけにはいかなくなりました。結局3年間使用して仕方なく、今のメインマシンであるXv13を購入したために現役を退くことになりました。それから隠居生活をしていたものの、1年半後改造に踏み切ることになったのです。

いよいよ改造へ
 Xv13の改造成功に気を良くし、「ApでもWindows95を動かそう」と思い立ちましたが、CPU速度の問題もさることながら、240MBHDDではどうにもなりません。しかもメモリ上限は14.6MBです。Xv13の改造でお金もかかったし。しかし、やりだしたら止まらない性格なもので、さらにお金を使うことになってしまいました。

                                      CPUボードにセットしたEUA−QP。メモリは両面に増設↓
EUA−QP・WGN−DX4
 CPU速度とメモリ上限の問題を一度に解決してくれる優れものがありました。メルコの「EUA−QP」です。DOSとWin3.1共存の時にメルコのEMSメモリドライバのお世話になって以来メルコの信者と化していたため、迷うことなく購入しました。「ENL」でメモリを48MB増設し、合計メモリは60.6MB、職場のマシンより多くなりました。さらに「WAB−S」では心許ないので「WGN−DX4」(メルコ)を購入しました。上でも書きましたが、この時初めてローカルバスのグラフィックボードをつけていなかったことを悔やみました。
IDE98
 さて、Apにはもう一つ大きな問題がありました。内蔵IDE−HDDは540MBまでしか使用できないのです。Xv13で余ったHDDを流用しようと考えていたために頭を悩ませました。メルコ製品しか使ったことがなかったために、I−Oデータ製品にまで目が行っていなかったのです。しかし、Xv13にI−OデータのMOドライブを内蔵したことから、「IDE98」という製品を発見しました(けっこうやっかいものですが)。そして、この後I−Oデータの製品を多用することになりました。
←拡張スロット1番にIDE98を差し込むところ
ファイルスロット
 これで大丈夫と思いましたが、まだ問題が・・・。「Ap/U2」にはCD−ROMドライブが内蔵されていないのです。当然のことながら外付けの製品も持っていません。最初に考えたのは、Xv13のCD−ROMを高速なものに交換し、はずしたものを使えないかということでした。「FA」から「ファイルスロット」という、素人目には「ファイルベイ」と同じようなものがついています。ファイルスロットはSCSI接続だということは知っていましたが、形状は似たようなものだと思っていました。なんとかそこにファイルベイ用のCD−ROMをつけられないかと、いろいろ調べていると、「Ap3」は金具の交換によってファイルベイに変更できるものの、Apは無理だということがわかり、とても残念な思いをしました。結局、メルコの「IFC−NN」というCバス用SCSIボードがあったので、外付けMOからインストールすることにしました。ファイルベイより高価なファイルスロットが宝の持ち腐れになってしまいました。
ハード関係の装着
 HDDの取り付けですが、Ap内蔵のHDDを取り出し金属ケースからベアドライブをはずします。そこにXv13から流用するドライブを取り付け、電源だけをとり、IDEコネクタには別に用意した長めのIDEケーブルを取り付けます。金属ケースのフタをしてしまうとケーブルを出せないので、フタをせずに内蔵し、ケーブルをCバススロットから外に出します。IDE98にケーブルを取り付け、1番上のスロットに差し込んで完了です。残りのスロットには(Apは4スロット)、IFC−NNとWGN−DX4を差し込みます。
 CPUの交換は難しいことはありません。Apの場合、CPUボードをマザーボードに差し込むようになっているため、そのボード全体を抜きます。これで広い場所で作業ができます。きちんと体の静電気を放出してからDX2/66を抜き、付属の下駄を取り付けそこにEUA−QPを差し込みます。メモリの増設はその前にやってしまいます。それができたら本体にCPUボードを差し込み全て完了。ちなみに、DOS環境ではEUA−QPに取り替えてもそれほど変化を感じませんでした。

Ap用のHDDケースにXv13のドライブをつけたところ。
長めのIDEケーブルが必要↓
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.560 ★ ★ ★
使用機種 PC-9821Ap/U2
Processor Am5x86/WB/4x [AuthenticAMD family 4 model F step 4]
解像度 800x600 256色(8Bit)
Display WGN-DX4 (S3) (DirectDraw)
Memory 60,840Kbyte
OS Windows 95

Date 1998/ 3/15 11:31

SCSI[?]=MELCO 非PnPモード SMIT SCSI Interface Board
HDC[?]=IDE-98 Fast IDE Controller(非PnP Mode)

C = GENERIC NEC FLOPPY DISK
D = GENERIC NEC FLOPPY DISK
ALL Text Scroll DD Read Write Memory Drive
2839 3598 5416 6374 420 1247 115 8 3819 1483 3400 A:10MB
どうもうまくない
 左のベンチ結果を見てもわかるとおり、何かが変です。ちゃんとHDDからWindowsが起動しているのに、ABドライブが認識されていません。こんなことがあるのでしょうか、といろいろやってみましたがやはりSCSIボードとIDE98には[?]がついたままです。どちらがSCSIボードなのか迷っているんじゃないかと思える感じもします(そんなことはないでしょうが)。IDE98については、WGN−DX4と何かが競合しているようでもあります。しかし、あまり暇がある時期でもなく、メインに使うマシンでないことから、しばらくそのままにしておくことにしました。とりあえずフリーセルもできるし、インターネットもできるし・・・。それにしてもALL2839で、変なことずくめでも、ISDNでインターネットをやれば何とかなるものです。でもフリーセルは遅い・・・。(1999.3.15)

元に戻しちゃった
 しばらく放っておいたのですが、SCSIが認識されないためにMOドライブをつないでもだめで、友人から借りたCD−ROMドライブ(外付けSCSI)も認識されません。このため、その他のアプリケーションをインストールすることができません(Windowsをインストールするときは問題なかったのだけど)。妻のインターネット用にしてあったのですが、98NXを購入することになり、「ARUGA」が使えるように元に戻してしまいました。もうしばらくしたら、何とか安い外付けSCSI−HDDを手に入れて再挑戦する予定です(悔しいからその前にもう一度同じ要領でやってみますが)。結果が出たらこのページで更新します。(1999.4)

SCSIハードディスクで復活?
 I−Oデータの「HDVS−U4.3G」が「UMシリーズ」に変わって在庫品が19,800円で売り出されたので思い切って購入しました。外付けのHDDですから、どんな場面でも使えるだろうという意味もありました。Apを復活させるために4.3GBもの容量はいらないのですが(メインであるXv13と同じになってしまう)、2GB程度のものはもはや売っていません。まあ、安いからいいでしょう。
 前と同じくIDE98を使ってやってみたい気もしましたが、SCSIが手に入ったからにはその必要もないでしょう。しかも前に使った1.6GBハードディスクはXv13に増設してしまいました。
 さて、HDDをフォーマットして、Windows95をインストール。簡単にできるはずだったのですが、これがなかなかうまくいきません。インストール後、EUA−QPのユーティリティーをセットアップして、WGN−DX4のドライバを入れて、コントロールパネルで確認すると、SCSIボードがNECのボードになっています。ハードウェアウィザードでIFC−NNのドライバを入れると今度は「!」マークがつきました。何度もやり直してみましたが変わりません。HDbenchではやはり「?」がついていて、ハードディスクもMOドライブも認識していません。しかし、マイコンピュータでは認識していて、MOのファイルを読み書きすることもできます。HDbenchのバージョンが違うので単純に比較できませんが、前回よりも低いのが納得できません。特にWriteの611というのはいったい何なのでしょう。まだまだ調整が必要なようです。(1999.6.2)
ALL Text Scroll DD Read Write Memory Drive
2509 3473 5161 5972 414 1222 225 8 2994 611 3212 A:10MB

ようやく完全復活
 とにかくSCSIボードがきちんと認識されないことには話になりません。しばらく放っておきましたが、またやってみました。セットアップしてNECのボードになるのは前回と同じで、ここで、今度はIFC−NNのドライバを新たにインストールするのではなくNECボードのドライバを変更する形をとったところうまくいきました。「?」マークも消えて、HDDもMOもCD−Rもちゃんと認識されています。HdBenchのALLでも3439ということで、何とか使用に耐えうる数値になりました。さすがに16bitカラーではつらいものがありますが、256色なら何とかなりそうです。それにしても、Ultra−SCSIのHDDもCバスではやはりこの程度の速度です。Cバス悲しや。
 近々NECのフルカラーウィンドウアクセラレータボードAというローカルバス用のボードが手に入りそうなので、今から期待しています。何といってもApではグラフィックを速くするしか他に方法はなさそうなので。 (1999.12.1)
★ ★ ★ HDBENCH Ver 2.610 ★ ★ ★
使用機種 PC-9821Ap/U2(EUA-QP)
Processor Am5x86/WB/4x [AuthenticAMD family 4 model F step 4]
解像度 1024x768 256色(8Bit)
Display WGN-DX4 (S3) (DirectDraw)
Memory 60,904Kbyte
OS Windows 95
Date 1999/12/ 1 20:43

SCSI = MELCO 非PnPモード SMIT SCSI Interface Board

AB = SAMSUNG WN34324U (gm030) Rev 0105
C = GENERIC NEC FLOPPY DISK
D = GENERIC NEC FLOPPY DISK
E = KONICA OMD-8020 Rev 6.50
Q = TEAC CD-R58S Rev 1.0K
ALL Text Scroll DD Read Write Memory Drive
3439 3789 5565 8833 622 1428 163 14 3768 3346 3346 A:10MB
ローカルバス初使用
 インターネットでの個人売買で「フルカラーウィンドウアクセラレータボードA」を入手し、ローカルバスを初使用しました。GAにはやはり32ビットバスが有効です。チップ自体はWGN−DX4の方が新しく性能も上ですが、16ビットバスの限界があり、劇的にとまではいきませんが効果がありました。HdBenchでは円が大きくアップ(5倍以上)、Textも2倍以上になり、体感的にはやはり速くなったという感じです。ローカルバスがもっと長く存在していればかなり高性能なボード類が登場していたことでしょう。
 今後はLANでつないで、インターネットを主目的として活用される予定です。 (1999.12.3)
ALL Text Scroll DD Read Write Memory Drive
4002 3748 5474 9163 3434 3092 45 7 3761 3303 3553 A:10MB

                                                               ◎Ap/U2の基本仕様


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