2012年
 
8月5日(日)〜8月10日(金)
                 5泊6日

  秋田県(ドーミーイン秋田)
  岩手県(ルートイン盛岡駅前)
  岩手県(ホテル山桜 桃の湯)
  宮城県(三井ガーデンホテル)
  福島県(庄助の宿 瀧の湯)

 

 レンタカー
    dB(トヨタ)

   走行距離
     1日目  18km
     2日目 249km
     3日目 235km
     4日目 135km
     5日目 215km
     6日目 245km

                  
         合計 1097km

 

 
8月5日
 今年は何かと忙しく、出発前日の4日には札幌まで出張で帰ってきたのは18時過ぎ。これのために出発を遅らせたのだが、結局雨で延期になった町内会の除草作業が当日の朝、という慌ただしさだった。その前もびっしり仕事で、全く休みなく旅行に出かけたという感じだが、この程度のことでは疲れない自分が何となく頼もしい。前日の夜からはしっかり休みモードで、旅行気分になっていた。


  ↓ 「ラーメン道場」出店の帯広の「開高」。みそラーメン専門店

 今年の行き先は大河ドラマとは無関係の東北。復興の手助けという旅ではなく、日程の関係からも太平洋沿岸へは行かない。出発日のタイミングで、青森の「ねぶた祭り」、秋田の「竿燈祭り」、仙台の「七夕祭り」という日程なのだが、青森は6月の時点で宿が取れなかった。秋田はいつも使っている「じゃらんネット」で取れなくて「楽天トラベル」で最後の部屋を取った。そんなわけで新千歳出発で秋田空港への旅の始まりとなった。

 ↑ 50人乗りという小さな飛行機だが一応ジェット機だ。バスに毛の生えたような大きさだが、思ったよりは快適だった。
 千歳−秋田間の飛行機はとても小さく、何と50人乗りというバスに毛の生えた程度の大きさだった。こんなに小さな飛行機は初めてだったが、それでもジェット機で、天候にも恵まれたのでほとんど揺れもなくなかなか快適な乗り心地だった。
 秋田空港に到着後すぐにレンタカーを借りて市内へ。高速を使おうと思っていたが、レンタ
カーの営業所の人が「一般道でもすぐ着きますよ」と言うので、一般道を使う。今回の旅行で今日が唯一の土日半額の日なのだが、高速を利用しないということになった。竿燈祭りだから市内に入ったら渋滞を覚悟していたが、それほどの渋滞でもなくスムーズにホテルに着くことができた。ホテルはさすがに混んでいて、入った部屋も狭いものだったが仕方がない。大浴場が付いているのがせめてもの救いだ。夕方近くに到着する日なのに、いきなり今日が今年の旅行のメインイベントだ。
 ホテルから竿燈祭りの会場まではさほど遠くなく、散歩がてら歩いて行った。時間的にも早いのでまずは腹ごしらえということで「稲庭うどん」の専門店へ。予約なしで5分程度待ち、相席だったが比較的早く座って食べることができた。まずは冷たい生ビールを飲んで、冷たいうどんを食べて、ちょっと日本酒も飲んで祭り会場へ。広場では出店もたくさん出ていて、まさに「お祭り」というムードだ。竿燈が出てくる道路にはまだ車が走っていたが、中央分離帯のあたりには4段のベンチが準備されてい

稲庭うどんの店「無限堂」でざるうどん。喉ごしが良く美味しい。     

て、時間になると車をシャットアウトして準備がされた。指定席になっているが、それからじゃなければ自分の席に行くことはできない。早い時間から行っていたので、会場の準備ができて着席した時点ではまだ明るかったが、徐々に人も多くなり薄暗くなった頃から竿燈の入場が始まった。指定された席は101ブロックという場所で、900m
くらいの区間が中央分離帯を挟んで片側60くらいのブロック(全部で126ブロック)になっている。その半分以上は4段のひな壇になっているから相当の人数が収容できると思うが、いわゆる歩道の方にも人がたくさんいるからかなりの人出だ(こちらは席は設けられていない)。
 けっこう暗くなってきた頃、我々が座っているブロックの近くの横道から続々と竿燈が入場してきて期待が高まる。中央分離帯を挟んで両側だから、1.8kmくらいの通り
が竿燈で埋め尽くされるのだからものすごい数なのだろう。いくつか入場する所があるのだと思うが、しばらくして竿燈の入場が終わり、秋田市長の演技開始のコールでいよいよ始まった。ずっと練り歩くのではなく、どこかの場所で止まって、そこでしばらく演技をして移動して…、という形式だ。3回の演技があったが、それで見ることができ
たのはほんの一部なのだろう。座席が3段目だったのだが、最上段(4段目)だったら裏側の演技も見ることができたようでちょっと残念だった(4段目にあまり人がいなかったので時々立って見たが…)。
 目の前に来たのは3つの団体で、司会にはその前後も見えるから、裏側と合わせて15くらいの団体の演技を見ることができたが、どうも遠くでやっている方が良く見える。というか、それぞれの竿燈が3本程度なので目の

前に来るとちょっと淋しい感じがするのだ。もちろん、頭や腰に載せる演技は素晴らしいが、よく写真で見るようなきらびやかさは感じられない。近くのホテルの階が上の方の部屋から見ると綺麗なのだろうが、太鼓や笛の音が聞こえないのではイマイチだから痛し痒しだ。写真もかなり撮ったが暗いのでコンパクトデジカメでは限界がある。
 演技終了後はふれあいの時間というのが設定されていて、下に降りて実際に竿燈を持たせてもらえたりする。2種類持ったが、さすがに一番大きなものはかなり重くてかなりしなるので、持ち上げるだけで精一杯だ。持たせてもらえるとは思わなかったので良い思い出になった。
 
↓ デジカメで撮影の竿燈祭り動画
クリックで再生
 
右にある綺麗な写真は竿燈祭り公式ページから借用した(許可は得ている)もので、クリックすると大きな写真を見ることができる。もっと見たい場合は上のリンクからどうぞ。
 終了後はネットで探してあった「うまい肴 然」という居酒屋へ。思ったよりも遠くて帰りはタクシーを使った。それなりにおしゃれな店で、料理もまあまあだったが、クーポンでサービスされた「お造り」が一番豪華な感じだったのが意外だ。この店はスーパードライのエクストラコールドが飲める。夕食のうどんの前にも当然飲んだのだが、まずは冷たいビールで乾杯だ。

↓ 竿燈祭り公式ページの高解像度写真  クリックで拡大


↑ 店の外観      ↓ トマトのサラダ
 夏の旅行では、現地に早く到着できるときと、「初日は行くだけ」というときがある。今年の場合は時間的には後者なのだが、今日の目的が夜の行事だから初日から目一杯活動だ。昼間にたっぷり汗をかいてからの夜のビールは格別だが、荘でなくてもやはり美味しい。ビールの後は芋焼酎をちょっとだけ飲んでホテルに戻る。まずは大浴場に行き汗を流す。「大」というほどでもないが部屋の風呂とは違う。最近のビジネスホテルにはこういう大浴場付きが多く、ホテル選びの一つの基準になりつつある。
 いつも帰るときにコンビニで飲み物を買うのだが、今日はタクシーで帰ってきたので手ぶらで、仕方なくホテルの自販機で飲み物を買って寝ることにする。

↑ 桃豚の塩焼き
    (美味しくてかなり食べてから撮影)


写真下 左から
 エクストラコールドとお通し
 クーポンでサービスのお造り5点盛り
 単なるキャベツ
 岩ガキ

 
8月6日
 今日の天気予報はあまり芳しくない。というか、ほとんど雨の予報だ。男鹿半島の先端まで行くので、せめて海に行ったときには晴れて欲しいものだ。
 予約の時にしっかり確認していなかったのだが、このホテルは何と朝食付きでなかった。追加すればできたのだろうが、朝はちょっとしか食べないのでマックでも行こうということにした。朝はジュースと牛乳と卵料理とサラダ(トマト含む)とできれば美味しいパン、そしてコーヒーがあれば十分なので、ホテルの朝食代はもう少し安くしてもらいたいものだ。それと、今回はホテルの駐車場が満車で、すぐ裏のコインパーキングに停めたのだが、ホテルと提携していなくて1200円かかったのがやや不満だったが、まあ仕方がないことにしよう。
 まあ、そんなわけでまずはナビにマクドナルドを設定して、朝マックから旅行2日目が開始だ。実はマックは進行方向に向かって右手に
 ↓ ドーミーイン秋田(到着時は晴天だった)
あり、入りづらく出づらかったのだが、食べ終わって道路に戻るとき見ると向かい側にモスバーガーがあった。しばらく食べていなかったのでモスバーガーの方が良かった。左側で便利だったし、残念。
 しばらく走ると左手に何やらタワーが見える。近くに行ってみると道の駅にくっついて「ポートタワーセリオン」という名前の秋田港のシンボルタワーのようだ。高い建物には行ってみる、という行動パターンで、展望台に行くのが無料だったので迷うことなくエレベーターへ。華厳の滝の時に見たような、メートル表示のエレベーターで、100mが展望フロアーだ。あいにくの天気であまり綺麗ではなかったが眺めは素晴らしい。
 このあとは海に沿った道路を走り、国道101号線に合流して少しの所で巨大ななまはげに出会った。ガイドブックには出ていたのだが、全然違う場所を想像していたので突然で驚いた。しかしあれだけ大きいと全く予備知識を持たないで走っていても見逃すことはないだろう。さっそく車を停めて(大きな駐車場がある)写真を撮っていたらどんどん人が増えてきた。写真を撮るという点から言えばタイミングが良かった。このなまはげだが、写真では大きさがよくわからないと思うが、近づいていくと人間は藁の長靴よりも小さいなのだ。右のなまはげの足の間をまっすぐ立ったままくぐることができる高さだし、手前に転がって
いるような岩の高さは2mくらいだ。あんなのが道路のすぐ横に立っていて気づかない人はいないだろう。そして、この場所から20分程度で今日の最初の目的である「なまはげ館」に到着だ。資料館はまあそれなりのもので、共通券で入る隣の男鹿真山伝承館に行く前にビデオを見ることができたのは良かった。また、なまはげの格好をして写真を撮ることもできた。しかも自分のカメラで写してくれるのだ。
 そして、その後隣の伝承館でなまはげ体験ができるというので行ってみた。民家に実際になまはげが来る様子を間近で見ることができるというパフォーマンスだ。小さな子供が泣き出したりして、なかなか迫力があった。結構長い時間に感じたが実際はあの何倍も家にいるのだろう。一番驚いたのは男鹿地方では今でも実際にこのなまはげの行事が行われているということだった。一軒で1合以上の酒が振る舞われるということで、数軒回ったら次のなまはげにバトンタッチするのだそうだ。こういう古い風習を今
でも続けているというのはすごいことだと感心した。ここでもフラッシュを焚かないで写真を写したのでブレた写真ばかりになってしまった。フラッシュを使うと雰囲気がなくなるし、使わないとブレる。難しいところだ。その代わりにまたデジカメの動画を写してみた。上と左の写真をクリックすると再生できるのでどうぞ。
 その後は男鹿半島の先端である「入道崎」へ。灯台を登ったが、見晴らしは良いものの晴れ渡る天気でないためあまり美しくはなかったのが残念。北緯40度ラインに石が点々と置かれている場所があったのでそこまで行ってみて、その後は昼食。北海道から行ってわざわざという感じもするが、海鮮丼を食べる。天気も関係あるのかもしれないが人もあまり多くなく、何となく
活気がない感じだった。ただ海が見えるというだけでは観光客を集めるのは大変なのだろう。その点は「なまはげ館」はこの地方ならではということで多くの観光客で賑わっていた。やはり混み合っていても活気がある方がいい。
 そんなわけで食後は特にすることもないし、今日は盛岡まで行くのですぐに出発する。まだ雨は降ってはいないが、予報通りならこのままというわけにはいかないのだろう。ナビに次の目的地である角館を指定すると、予想通りのICを指定してきた。本当は少し遠回りして八郎潟を突っ切ってみたかったのだが(小学校の社会で八郎潟の干拓について習った)、やや時間も押しているのでナビの指定通りに走る。すると予報通り途中から雨が降り出し、残念ながら角館に着いたときには小雨よりは強い


 ↑ 妻が食べた海鮮丼。私は本マグロ丼

雨になっていた。朝の予報で覚悟はしていたがやはり残念。
 角館は「みちのくの小京都」とかで、春の桜や武家屋敷が有名なようだが、武家屋敷はいろいろなところで見ているのであまり興味がない。それでもやはり立ち寄らなければならない雰囲気で、カフェでお茶するために寄ってみたのだ。ガイドブックで調べてあった店は駐車場がなく、大きな駐車場からだとけっこう歩く感じだったので、店の横に車を置ける店を選んでアップルパイとコーヒーをいただく。
 その後は天気が悪いのでやめようと思ったが一応予定通り田沢湖に行くことにする。「たつ子像」の方から行くことにしたのだが、「たつ子像」のところで車を降りるときが一番激しい雨になった。というわけであまりきれいな景色とは言えなかったのだ
が、あんな天気にもかかわらず湖水が青いことに驚いた。天気が良かったらどれだけ青いのだろう、とても心残りな感じで田沢湖を後にする。この後は今日の宿泊地である盛岡まで一気だ。
 今日泊まるホテルも大浴場付きだ。駅前にあるということで混雑を予想したが、どうやら盛岡は駅を中心として発展している街ではないようだ。チェックインしてから少し休んで、いつも通り夕食に出かける。これもガイドブックで調べてあったJAZZが流れてワインを飲むという雰囲気の店へ。場所的にやや曖昧だったが、それほど大きな都会ではないので比較的簡単に見つかったが、予想に反してとても広い店だった。時間的に早かったこともあり、最初

写真上 左からフレッシュトマトのバジルソース  ヒラメのカルパッチョ  海老のガーリック焼き
   下 左からミックスピザ  桃とベーコンの冷製スパゲッティ  白ワイン(全て正式名称は忘れた)

は他にお客さんがいない状態だったが、徐々に混み出した。けっこう人気がある店のようだ。しっかりワインは飲んだが、やはりまずはビールだ。今日はほとんど汗をかいていないが1杯目のビールは美味しい。食べるものも比較的創作っぽく味も良かった。それなりにいい気分になって、今日は歩いて帰ることに。盛岡に着いたときにはすっかり雨も上がって、出かけるときも傘を持ってこなかった。ホテルの近くのコンビニで飲み物を買って、ホテルに戻ってすぐに大浴場へ。汗を流してビールをもう1杯だ。

 

8月7日
 3日目の朝はすっきり晴れ上がって、観光日和だ。今日はホテルの朝食バイキングでしっかり食べて、最初の目的地は小岩井牧場の「まきば園」だ。まきば園では羊ショーを見る予定だったが少し早いので資料館を見たりして時間をつぶした。その羊ショーは子供向けという感じではあるがそれなりにおもしろかった。その後広い芝生を歩きソフトクリームを食べたが、非常に濃い感じで、濃いから凍らないのだろうが、非常に冷たいのになめらかだったのが印象的だ。それにしても天気が良いときのあの手の臭くない牧場はとても気持ちがいい。まあ、北海道から旅行に行ってわざわざ行くような所でもないかもしれないが…。
 予定ではこのあと盛岡市内に戻って市内観光と昼食(冷麺)だったのだが、天気が良いので昨日の田沢湖のリベンジをしようということになった。けっこう戻るため(秋田県に戻るのだ)盛岡観光がで
きなくなるが、盛岡市内はあまり興味がある場所がないし、もうその気になってしまったから仕方がない。ただ、このせいで結局盛岡冷麺も食べることができなかった。「ぴょんぴょん舎」という店にこだわっていたために他の店を全く調べていなくて、盛岡に戻る途中の昼食に適した時間を逃してしまったために、まっすぐ高速に乗ってしまったのだ。
 それで肝心の田沢湖はどうだったのかというと、少し雲が多く期待したほどではなかった。しかし、昨日見た「たつ子像」とは全く印象が違い、まあとりあえずは納得だ。湖面が青く見えるのは水深の関係のようで、場所によってはそれほどでもない。そんなわけでゆっくりすることもなく引き返し東北自動車道へ。途中のSAに寄っての昼食で盛岡冷麺を食べようと思ったが、「そばといっしょに茹でています」という表示があり断念。私は強烈なそばアレルギーなのだ。仕方なく「白金豚」のカツ丼を食べたのだが、なかなか美味しかった。問題の盛岡冷麺は代表して妻が食べることになったが、なかなか美味しそうではあった。
 その後はもう1カ所観光してホテルへ。今年の旅行の2つめのメインは「平泉」。ここは明日ゆっくり見る計画なので、今日は平泉から近い一関にあるホテルに宿泊だ。そこに行くまでにどこかを見る、ということで選んだのが「えさし藤原の郷」というロケに使われる施設だ。平泉といえば藤原三代ということで期待したのだが、それほどの見応えはなく、こんな

↑ ソフトクリームは写す前に少し食べてしまった。 
 北海道にはこんなところたくさんあるだろう、と言ってしまえばそれまでだが、天気も良く広大な芝生はとても気持ちがいい。↑↓

ことなら「厳美渓」に行った方が良かったなと、ちょっと後悔した。やはり本物の歴史的な建造物でなければどうしても「作り物」という印象になってしまうから不思議だ。まあそれはともかくとして、今日は露天風呂付きの部屋を予約しているので早めにチェックインしてのんびりする予定だから、このあとは結局まっすぐホテルに向かった。
 一関ICで高速を降り、高速沿いに走る市道のような道を少し走ると目的地に着いた。ホテルの住所は一関市だが、目の前の道路を挟んだ向かい側は平泉町という場所
   ↓ SAの盛岡冷麺、キムチは別皿で。      ↓ 田沢湖畔のたつ子像
だ。今年は結婚30周年の年ということで、いつもよりも宿泊にはお金をかけている。ここも離れの露天風呂付きという予約なのだが…。普通、そういうタイプの宿では玄関先まで出迎えてくれるのだがそんな雰囲気は全くない。入口も何となくイマイチだなと感じながら入ると、何とそこは日帰り入浴施設の玄関だ。下足ロッカーがずらりと並び、宿の人が出迎えてくれるわけでもない。間違ったかな、と思っていたら「ご宿泊ですか?」と声をかけられた。まさか

 ↑ 藤原の郷のメイン施設。どこか作り物っぽい
とは思ったが、そこは紛れもなくこの宿のフロントだったのだ。日帰り入浴客の相手をしている少し横でチェックインの手続きだ。どんどん興ざめ度合いが上昇していく。しかもスリッパもない裸足状態なのだ。「やらかしたか!?」と感じた頃部屋に案内されることになったのだが、部屋までけっこう歩いて行く。そしてある地点からサンダルを履いて、いわゆる「離れ」に到着した。
 部屋はまあ標準的だが、いわゆる「居間」と「寝室」が別で、浴室の壁にあたる部分は全開にすることができる「半露天風呂」だ。もちろんお湯は温泉。全開した部分には広々としたテラスがあり、ビーチチェアのようなものも置かれている。
 さっそくお湯に浸かってチェアでくつろぎ(もちろん裸で)、少し玄関でのことを忘れかけた。部屋の冷蔵庫に入っているものは無料とい
うことだったが、入っているものが少ない。まあ、それでもとりあえずビールを飲んで夕食までの時間をのんびり過ごした。椅子がない純和風の部屋ではあったがそれなりにくつろぐことはできた。
 夕食は部屋ではなく御食事処で。この宿は「離れ」以外にも一般客室があり、そちらの夕食はバイキングのようだ。御食事処とバイキング会場は同じ所から入るが別な小部屋のように仕切られている。静かで、けっこう落ち着ける雰囲気で料理が運ばれてきた。飲み物はもちろん生ビールから。出てきた料理はどれもなかなか美味しい。前沢牛のサーロインステーキはA5クラスのものと思われ、非常に美味しかったが、想定以上にたくさん出てきた。焼き方は「レア」で注文したのだが、この手の所ではレアと言ってもミディアムくらいのものが出てくるという予想に反してしっかりレアで出てきた。この一品は赤ワインでいただきたかったが、成りゆき上「一刻者」のクオーターボトルを頼んでいたのでそれで我慢することに。
 このあたりでチェックインの時のやや不快な思いはどんどん小さくなっていった。しかしまだまだ改善点はありそうだ。まず、離れ以外の本館側でもスリッパを履きたい。途中で脱いだり履いたりというのが面倒だし、御食事処がテーブル席ということもあり何とナック裸足は違和感がある。それと、食後に大浴場に行ってみたのだが、日帰り入浴が23時までということでいつまでも混んでいた。風呂自体はなかなかなので(だから日帰り客も多いのだろうが)もう少しゆっくり入りたかった。
 食後は離れに進む直前の所にあるジャパニーズテイストのくつろぎ処や離れの廊下の途中にあるマッサージ機を使ったりして部屋に戻った。とても残念だったのはイ

 半露天の部屋風呂とその前のテラス

 ↑ ライトアップされた足湯
ンターネットができないこと。今回の旅行で使えなかったのはここだけで、ブログのアップも仕方なく携帯ですることになってしまった。
 大浴場は内風呂の他に露天風呂が出てすぐに2種類、そして数段上がったところに「天空露天風呂」がある。浴槽の向こう側に広いテラスというか舞台のようなものがあり、その先に夜景が見える。そのテラス側には上がっては行けないことになっているので近くまでは行けないが、なかなかの景色だった。また、上に書いたアジアンテイストのお休み処も屋内と屋外があって、屋外にはライトアップされた足湯がある。大浴場は混んでいたので残念ながら写真は撮れなかった。
 というように、玄関以外はけっこうポイントが高い作りで、せめて離れの宿泊客だけでも別な入口があれば全く印象が違うのに、とかえすがえすも残念である。


写真上 左から 食前酒(自家製桜酒・桃の湯清酒)・前菜(鯵南蛮漬け・蛸のジェノベーゼ・トマトのゼリー寄せ・鯛のカルパッチョ・庄内豚野菜巻き)
           お造り(鮪・牡丹海老・間八・平目)、洋皿(鰈のムニエル ガーリックバター風味)、スープ(じゃが芋のヴィシソワーズ)
写真下 左から 蒸し物(茶碗蒸し)、焼物(前沢牛サーロインステーキ 岩塩と和風ソース)、食事(白米)、椀物(梅しそ麺)、甘味(ミックスベリータルト他・コーヒー)


 
8月8日
 朝は大浴場が男女入れ替えになっているのでいつもなら一応行ってみるのだが、今回は部屋に露天風呂があるということでそこでゆっくりとお湯に浸かる。その後朝食へ。夕食と同じ会場でのセットメニューだが、セット以外のものはバイキングで持ってきても良いとのことで、フルーツや飲み物を持ってきた。もちろん食後のコーヒーもだ。セットの方は朝から品数も多く味もなかなかだ。しつこいが、入口だけ変われば印象はがらっと変わるだろう。
 今日は比較的のんびりとチェックアウトだ。ここから平泉まではすぐだからゆっくりでも影響はない。高いところに泊まったときは滞在時間を長くしなければもったいない、ということで、今回の旅行では今日と、最終日がゆっくりとチェックアウトだ。残念なのはやや天候不順なこと。まあ、海岸線に行くわけではないから抜けるような青空で

 ↓ 悪くない見た目だが、入った瞬間がっかり 
 ↓ 朝食のセットメニュー。結構な量だ。
なくても良いが雨だけは避けたいが、どうやら何とかもちそうだ。
 とりあえずは傘をささなくても良い感じで出発。10分くらいで今日のメインである「平泉中尊寺」へ到着。私は2度目だが妻は初めてだ。雨が落ちてきそうな天気はこういう所では雰囲気が出て悪くない感じだ。
 前回来たときと同じ下の駐車場に車を停めて坂道を登る。もう少し上にも駐車場があるようだが、この坂(緩やかな坂だ)を登るのがなかなか良いのだ。ここは「金色堂」があまりにも有名で、「本堂」がやや霞んでいる感じだ。登る途中に本堂があるのだが、金色堂ほどの人はいない。ゆっくりと参拝してさらに登ると大勢の人が…。金色堂の覆堂はすさまじい人だ。数年前に来たときにはこんなに人はいな

 写真左上 中尊寺本堂  右上 白山神社 近くに干支ごとの小さな守護神社がある
 写真左下 金色堂の覆堂  右下 旧覆堂 こちらにはあまり人がいない

かったのに、やはり「世界遺産」というネームバリューは凄い。全体的に金色堂の付近だけが人が多いという感じで、残念ながら金色堂はあまりゆっくり見ることができなかったが、他の場所は人も少なくゆっくりと見ることができた。前回は出張のついでに見に来たのであまり時間がなく、ゆっくり回らなかったが、今回はここがメインの一つだからいろいろなところを見て回った。しめ縄が輪になっている白山神社や、その近くにある十二支ごとの小さな守護神社があるのが印象的だった。その後は登ってきた道の途中にある弁慶堂に寄ったあと(ここも凄い人の
数だった)、茶屋で団子を食べた。一人1本は多いと思って二人で1本にしたが、別々でも良かったかもしれないという量だったが、もうすぐ昼ご飯の予定

だからこの程度にしておいた方がいいだろう(実はハプニングで昼食が遅れるのだが)。
 中尊寺の後は源義経最期の地とされている「高館義経堂」に行く。坂の結構手前に駐車場らしきところがあった

 ↑ 高館義経堂 これしかない
が、もっと近くにもあるかもしれないということでそのまま行ったが、やはりそこが駐車場のようで戻った(駐車場と言うよりは単なる空き地みたいなあ感じだ)。ここはそれほど見応えがあるわけでもなく早々に引き上げる。
 次は平泉文化遺産センターに行ったが、入場無料というだけあって特にこれといったものもないので昼食を食べてから毛越寺に行くことにする。蕎麦屋がたくさんあるようだが食べられないので「こまつ寿司」という店で「こまつ御膳」という餅も入ったセットを食べるつもりだった。迷うこともなく店に着いたが、何と


↑ 義経堂にあがる階段

なく活気がない。座敷に座って待っていると、何と少し前にシャリが切れて今ご飯を炊いているところだと言われる。そんなに待っていられないので仕方なく店を出て、どうしようかと迷った。出した結論は毛越寺に入ってすぐある「お休み処」で餅料理のセットを食べる、ということになった。しかし、何と何とその店は移転になったとのことで、跡にできたのは蕎麦屋だった。諦めるしかないので、仕方なく毛越寺を見てしまうことにした。美しい庭だが、天候がイマイチだ。中尊寺のような所は少しどんよりしている方が雰囲気が出るが、庭園はバックが青い空の方が明らかに美しいから、ちょっと残念だった。

 
  左上  毛越寺の本殿    左下 本殿とちょうど反対側にある庭の一部
  下  水辺を一周する頃になって少し空が明るくなってこの程度の写真が撮れた。

 さて昼食だが、結局食べそびれるという感じになってしまったが、駐車場の所にあった店でちょっと変わったあんパンと「もちプリン」を買って食べることにした。ちょっと足りないが夜に備えて控え目にしておこう。ということで車の中で淋しい昼食を済ませて、高速で一路仙台へ。仙台の一番の目的は松島だが、今日は七夕祭りの最終日だ。小学校の頃に一度見たことがあるのだが、その時はあまり感動はしなかった。今回はどうか。  ↓ 左 ちょっと変わったつぶあんぱん    右 まだ凍っている平泉もちぷりん
 高速はいたって順調で、途中のSAで揚げたてコロッケを食べたりしながら仙台宮城ICには15時半頃に着いた。明日は松島だから仙台観光は今日しかない。メインでないためあまり下調べをしていないが、とりあえず青葉城公
 ↓ 伊達政宗公の騎馬像。ちょっと逆光だ。
園には行かなければ。昨年の震災の影響なのか、今年の長雨の影響なのかわからないが一部通行止めになっていて、迂回路を使って公園に到着した。結構人も多く駐車場は一杯だったが何とか停めることができて政宗公像がどっちなのか迷っていると、何やら若者が時代劇のような出で立ちで「これから政宗公の像の所へ参る」と言って歩き出したのでついていった。これは「名古屋おもてなし武将隊」に始まった観光案内の集団で「伊達武将隊」と言うらしい。それぞれの自己紹介を聞いたところでその場を離れ景色を見たりして戻ることに。するとその頃には武将隊と一緒に写真を撮れるということで順番待ちの行列になっていた。
 その後はホテルへ向かったのだが、七夕祭りのせいで非常に車が多い。中心部では人も異常に多い。今回泊まるホテルは高層ビルの上の部分を使っているようで、道路を走りながらでは全くホテル名が見えなかった。そのため同じ所を2周くらいしてようやくたどり着くという羽目に。けっこう時間をロスしてしまった。
 チェックイン後すぐに夕食の店を予約して、まずはお土産を買うために仙台駅に向かう。途中七夕祭りのアーケード街を歩いたが思ったよりも凄い。しかしまずはお土産を買わなくては。
 お土産は牛タンのセットを買い、送ってもらうことにしたが、予想していたよりもお土産の種類がなく(仙台だから東北地方のお土産が揃っていると思ったが全然だ)、その他の細かなお土産は明日の松島で買うことにした。博多駅には九州のお土産がたくさん揃っているのとはちょっと対照的だった。残念。
 さて次は七夕祭り、ではないのだ。電話で予約したのでまずは食事に行かなければ。「べこ政宗」という店で、祭りをやっているアーケード街の中にある。目的は北海道ではあまりお目にかからない分厚い牛タン焼きだ。みそ味と塩味を頼んだが、順当な塩の方が美味しいかもしれない。ちょっと驚いたのはお通しで出てきた「トロ牛タンのにぎり寿司」が非常に美味だったことだ。酢飯と相性がぷったりでとても美味しかった。その他では「横手焼きそば」が色だけでなく味もとても濃いということにも驚き、あぶら麩の卵とじの美味しさに感動した。あれなら丼にしても美味しいだろう。何となく「ケンミンショー」を思い出した。
 写真上左から 店員を呼ぶときに使うでんでん太鼓、本命のトロ牛タン焼き(みそ味・しお味)
 写真下左から トロ牛タンのにぎり寿司、茄子焼きの冷製、あぶら麩の卵とじ、横手焼きそば

 そして食後はいよいよ七夕祭りだ。来るときにも少し見たが、じっくり見ると実に凄い。いままであの吹き流しはできあがっている模様付きの紙などをただ切って作ったものだと思っていたが、何と一つ一つ手作りだ。しかも非常に細かい仕上げになっている。地区ごとに金賞から銅賞まで表彰されるらしい。それにしてもものすごい数で一つ一つもとても大きい。それらを遠くから眺めるのではなく、手に取って見ることができるのがまたいい。東北の祭りの中で一番期待していなかった七夕祭りだがこんなに素晴らしいとは。うれしい誤算だ。
 ホテルに戻る途中、例によってコンビニで飲み物を買って、今日のホテルにもある大浴場へ行く。今年の旅行は全てのホテルに大浴場が付いている。部屋のユニットバスだとシャワーしか使わないが、大浴場だとゆっくりとくつろいで1日の疲れが取れる感じだ。最近はこういうホテルが多くなってとてもいいことだ。




 ↑ 五大堂 奇跡的に津波の被害を免れたようだ。
 ↓ それに続く格子の橋(下が透けて見える)


8月9日
 今日も残念ながらスカッと晴れた天気にはならないようだ。松島観光だから青空を期待したのだが…。
 ここの朝食バイキングは郷土料理もあるとのことだったが、気分的に洋食だったので笹かまぼこだけ食べて、あとはいつもの朝食だ。朝食会場はフロントの階だがここは7階だ。こういう景色での朝食も悪くない。
 いつもなら左の写真はホテルの写真だが、昨日の所に書いたように、道路を歩いていると看板らしきものが良く見えなく、結構離れないと全景が取れそうにないので、わざわざ1階まで降りていくのも面倒だということもありやめにしたのだ。
 松島湾遊覧船乗り場をナビに指定すると途中から高速を使うように表示された。その気はなかったのだが、面倒なのでいわれる通りに走ることにした。遊覧船乗り場には10時少し前に着いて、10時半の船に乗ることにした。時間があるので五大堂に寄っていると、桟橋にはもう船が泊まっていて人も並んでいる。座れなかったら困るので急いで船に向かった。幸いまだ早いほうで、我々が乗ってから続々と人が集まり、最後の方の人は明らかに座れない状況だった。どうも今回の旅行は我々が行った後に人が集まってくるパターンが多いようだ。遊覧船はというと、空も青くないし(暑いが)、島もたくさん見ていると同じような感じになり思ったほどの感動はなかった。
 船を下りてすぐ前にあった店で細々としたお土産を少し買って、そのまままっすぐ瑞巌寺に行く。参道の入口で係っぽいおばちゃんが、「どうせなら右側の道を行った方がいいよ」と言うのでそちらを歩いて行くと、そこは「瑞巌寺
洞窟群」といわれる岩肌を削って洞窟のようにした納骨や供養のための施設がある。松島は古来「奥州の高野」と呼ばれ、浄土往生を祈念する神聖な霊場だったということで、厳かな雰囲気だ。で、肝心の瑞巌寺だが、参拝料がちょっと高いと感じて(700円)中には入らなかった。その後隣にある「円通院」にも行ったが、昼食の時間ということもあり、ここも入口で終わりにした。というわけでこの後は昼食だ。ガイドブックによれば松島ではあなご・牡蠣・寿司が美味しいそうだ。いつもの「昼は少し軽めに」ということとその土地のものという両方を満たすために「松島さかな市場」という所に行って「松島かきバーガー」と「めかかつバーガー」を食べた。めかかつとはめかじき(マグロ)のフライのことだ。まあそれなりの味だった。その後は「みちのく伊達歴史館」という所に行こうと思ったのだが入館料が高いのでやめにして、すぐ近くの店で「ずんだソフト」を食べた。まあよく何でもソフトクリームにするものだ。枝豆のソフトクリームなんであるとは思わなかった。味は枝豆を口の中に入れた状態でソフトクリームを食べた、という感じだ。まずくはないが、やはり果物系のほうがいい。あなごを食べないのもやや心残りだが、今日の夕食はきっと豪勢だからこれくらいにしておいた方がいいだろう。
長い橋でつながった福浦島に行ってみることに。橋の通行は有料で200円かかるが、その程度なら行かないという手はない。橋を渡って、思ったよりは距離があったが展望台の方までずっと歩いてみた。 今回船から見た島の中には津波のために一部崩れてしまったものもあるようだったが、多くの島はほぼ無傷で、何といっても松島湾沿いの建物にもほとんど影響がなかったようだ。聞くところに

  ↑ 瑞巌寺洞窟遺跡群 ↓

 左 めかかつバーガー
 右 松島かきバーガー    ずんだソフト→

よると、この多くの島々が天然の防波堤のような役割を果たしたのだとか。どちらの場合も自然の力は偉大だ。というわけで松島を後にして一路会津に向かう。松島海岸ICで高速に入ると会津若松ICまで一気だ。けっこう距離が長く、明日もここまで戻ってくるから、今日と明日が土日だったら高速料金半額だったのだが…。しかし、土日の高速は渋滞が怖いから高くても平日でよしとしよう。そのあたりの事情は2003年旅行記(渋滞で伊丹空港発の飛行機に乗れず)・2007年旅行記(飛行機出発の10分前に羽田空港到着)を参照して欲しい。
 途中福島県に入ってからのSAでももソフトを食べたが、写真を撮り忘れてしまった。この旅行3種類目のソフトクリームだが、ずんだソフトよりはかなり美味しかった。

↓左 福浦橋の始まりから福浦島を望む                                 右 福浦島展望台から松島の島々を見る                

 さていよいよこの旅行最後の宿に到着だ。結婚30周年の記念で一番お金をかけた「庄助の宿 瀧の湯 松島閣」だ。この瀧の湯は3年前に新潟メインの旅行で最後の米沢に行く途中で1泊したことがあるのだが、その時は「部屋にこだわらない方へ」というキャッチフレーズの格安だが本当にひどい部屋だったので、今年はそのリベンジなのだ。前回は鍵をもらっただけのフロントに行くと、奥のソファーに案内されてチェックインの手続き。冷たい抹茶とお菓子が出てきてから結構待つが、実はその近くに試飲用の冷酒が6種類用意されていて、抹茶と一緒に付いてくる杯で自由に飲めるのだ。実は大浴場にもお酒が置いてあるのだが、さすがは「庄助の宿」というだけはある。このためにわざと時間をとっているようにも感じたが、急ぐこともなく4種類ほど飲んで満足。
 そしていよいよ部屋へ。離れと言っても別棟になっているのではなく、専用のフロアにある部屋ということになっているようだ。別棟だと何かと面倒だからその方がいいと思う。部屋はさすがに素晴らしい。広々としたベッド、50型くらいの大きな液晶テレビにDVDプレーヤー、間にも小さなテーブルがある一人がけの椅子が2つ、そしてそれとは別に広い和室があって、そこには椅子に座る大きなテーブルが置かれている。夕食はそこで食べるということで、よくある「御食事処」が部屋の中にある感じだ。朝食もそこで食べられるのだが、朝はゆっくりしたいので餅が魅力のバイキング

 ↑抹茶と水ようかん   ↓試飲用の冷酒

 ↑ とても広々としていてきもちがいい ↓
にした。洗面所・シャワーブースを通って広いバルコニーに出ると露天風呂がある。ここは後でゆっくりと入ることにしてまずは大浴場へ向かった。ここの大浴場は滝が見える。内湯は見えるだけだが、露天風呂に出ると迫力ある音も聞こえて、他にはなかなかない大浴場になっている。そして、先ほども書いたが大浴場の隅にはちゃんとお酒が置いてあった。確か前回来たときは浴場には行ってすぐの所に堂々と置かれていたはずだが…。実は脱衣所にはどこの風呂でも書かれている「お酒を飲んでの入浴は危険です」という貼り紙があってやや矛盾している感もあるが、大量に飲むわけではないから問題なし、ということなのだろう。ちなみにこのお酒は朝風呂にも置いてあり、まさしく「小原庄助さんの唄」そのものだ。こんな宿は他にはないだろう。
 風呂から上がったら早めの夕食だ。部屋はオートロックだから、料理を持ってくるたびに鍵を開けるのは面倒だと思っていたら、合い鍵で勝手に開けて入りますとのことで、まさしく「御食事処」という雰囲気だ。食後のビールに続いて出てきた料理はとてもたくさんあり、最後はもう食べきれないほどだったが、どれも美味しく満足できるものだった。
                 部屋のバルコニーにある露天風呂→
 ↓ 左 到着日の男湯     右 浴室の端に置かれていたお酒
 
 チェックインしたときに座っていたソファーから川の向こうに舞台のようなものが見えたのだが、夜にそこで何やらやるらしい。それほど興味はなかったのだがせっかくだからちょっと行ってみた。ソファーの所に座っていると、音はスピーカーから聞こえてくる仕組みだ。しかし、内容的にはあまりおもしろいこともなく途中で帰ってきた。その後はいよいよ部屋の露天風呂だ。この宿は全室が川側(滝側)だ
が、この部屋からは角度の問題で滝は見えない。大浴場側は滝がライトアップされていて、その明かりがちょっと見える程度だが、雰囲気だけはある。丸い陶器の風呂は結構大きく、足を伸ばしてゆったりと入ることができる。虫などもいなくのんびりと時間をかけて入った。
 風呂に入るとまた飲み物が欲しくなるが、部屋の冷蔵庫にはほとんど飲み物が入っていない。にもかかわらず自動販売機は大浴場のフロアに行かなければないというのがとても不便だった。ああいう部屋なのだから冷蔵庫にはもう少し入れておいて欲しかった。最近泊まる高級なところでは冷蔵庫の中は自由にお飲み下さい、というところも多く、一昨日泊まったところもそうだった。まあ、そんな不満も少しはあったが大きなベッド(ダブルベッドが2つくっついて並んでいる)でゆったりと寝ることができた。
  ↓ 大浴場の露天風呂から見える滝
  写真上段左から  先附(田楽)、先附(鰊の山椒漬け)、向附(鯉・鮎・馬刺し叩き・季節の野菜)、メイン(焼きたらば)、メイン(牛すき焼き)
     中断左から  揚物(岩魚姿揚)、蓋物(鯉の旨煮)、凌ぎ(手打ちうどん…本来は石挽き蕎麦)、食事(会津ラーメン釜飯)、香の物(三五八漬)
     下段左から  止椀(会津の小づゆ)、水菓子(柚シャーベット)、前菜(鮎山椒煮、アスパラベーコン巻き、手長海老唐揚げ、胡麻豆腐、青つぶ貝)

 
 
8月10日
 さて、いよいよ今年の旅行も最終日だ。いつものことながら最終日の予定ははっきりしていない。帰りの空港は仙台空港だからちょっと遠いが、飛行機は17時頃なので時間には余裕がある。本当は福島空港の方が近かったのだが、11時頃と18時半頃の便しかなくあきらめることになったのだ。
 そんなわけで、ホテルも奮発したことだしチェックアウト時間ギリギリまでいることにした。まずは朝食だ。朝食バイキングは2回目だが今回もやはりつきたて餅があった。きなこ・あんこ・雑煮などいろいろあるが迷わず雑煮。その他に郷土料理のようなおかずを食べて、量的にはだいたい良いのだが、つきたての餅というとやはり納豆もちは外せない。そんなわけで食べ過ぎと思いながら納豆もちも食べてしまった。その後はもう一度大浴場に行き(昨夜と男女入れ替えになっていて、今朝の方が滝が近かった)、部屋でゆっくりと汗が引くまで
くつろいでからチェックアウトだ。チェックインとは対照的に素早い対応ですぐに出ることができた。
 今日は結局「大内宿」に行くことにしたのだが、その前に「会津武家屋敷」という施設に隣接しているショップで買い物をする。武家屋敷に入ると必ずここを通って出ることになるのだが、ショップだけ利用することもでき、武家屋敷は以前一度入ったことがあるので今日は買い物だけだ。
 大内宿は昔の宿場街道を再現・保存している地区で、長ネギ1本で食べるそばが有名なようで、食事をする店もほとんどがそば屋のため、そばアレルギーの自分としてはあまり気が進まない場所だったが、他に行くところもないので寄ってみることにしたのだ。地図で見ると細い悪路のようだったが、観光地として整備されているので問題なくスムーズに走ることができた。一応端まで歩いて、ちょっと小高い丘に登って全景を見たりした。なかなk趣はあるがそれ以上のものはない。そばが有名なせいか唐辛子系のお土産もあり、一味唐辛子を一袋買ってみた。その後「山ぶどうソフト」1時間程度で切り上げた。今年の旅行で4種類目のソフトはなかなか美味しかった。そばばっかりだったのと昼には少し早いということで、時間的には今日の昼食も高速のSAでの食事となりそうだ。
 そんなわけで会津若松ICまで来た道を戻り、高速で一路仙台空港をめざす。磐越自動車道から東北自動車道に入ってすぐの安達太良SAで「できたて手作りパン」という看板に惹かれてパンとカレーコロッケとだんごを買い、車の中で昼食となった。今までの旅行でも車の中でコンビニのサンドウィッチとか、今回みたいにマックの朝食、というようなことがあるが、これはこれで悪くない。さすが福島らしく「桃のパン」というのがあって、桃風味のクリームと桃の果肉が入っている。だんごはあべかわ餅のような感じだった。食後はどこに寄ることもなくひたすら仙台空港を目指す。仙台空港も津波の被害に遭っているが、今はどうなっているのだろう、ということを考えながらのドライブになった     ↑ 大内宿。一番奥の小高い丘の上から
 


  ↑ ピンクは桃のパン。桃の果肉が入っている。
                  大内宿の山ぶどうソフト →

 ↑ 津波ラインが書かれた柱
が、東北自動車道から仙台南部道路、仙台東部道路と分岐して空港が近くなると海岸方面が何となく淋しく見える。所々にはそれほど大量ではないが瓦礫が積まれている。そして仙台空港ICで高速を降り、レンタカー営業所の近くでガソリンを入れて…と思って探したのだが、どうも見当たらない。前回来たときには確かこのあたり、と思った場所にもない。仕方がないので精算払いにすることにして営業所へ。聞くと、「なくなったんですよ」とのこと。営業所の壁には2.05mのところに「津波浸水ライン」と書かれた線が引いてあった。もともと空港の近くにはあまり建物などはなかったが、今は全てが作り直し、というような感じになっている。そして空港に行くと1階ロビーの太い柱に「津波到達高さ3.02m」と書かれたラインが引かれていた。想像よりはるかに高い場所だ。今回の旅行は東北だったが被災地には全く行っていない。しかし、ほんの一端でもこうしてその災害の大きさを知ることができたのは良かった。心から復興を願いたい気持ちだ。
 レンタカー営業所から空港まで送ってもらって、飛行機は17:10発だから時間的には余裕がある。16時台にはJALの便があったのだが、来るときと同じ小さな飛行機だったので、帰りは少し大きな機種に乗りたくてANA(Air-Do共同運航便)にしたのだ。夕食の時間が微妙だが、仙台空港はあまりレストランなどが充実していない。千歳着が18:30頃で列車が19:20頃なので昨年と同じく千歳空港で弁当を買って乗り込むことにした。
 結局飛行機は少し遅れて、千歳空港に着いたのは18:40頃だった。指定席とはいえ弁当選びに長時間かけるほど余裕たっぷりというほどではないから、適当に選んで列車を待った。待っている間に、「今日はもう車に乗らない」ということを思い出し、缶ビールも買って列車に乗り込んだ。時間もあまり早くないので比較的空いていて(昨年はとても混んで指定席の通路にもたくさん人がいた)、乗ってすぐに缶ビールを飲み、弁当を食べた。いつも車で移動する旅行で、そのほうが好きなところに行けるが、列車を使ってビールを飲んだり弁当を食べたり、というのも悪くはない。
 さて毎年のことながら旅行最終日のこの列車では「来年はどこに行こうか」と考える。来年の大河ドラマは福島のようだから、今年と同じく大河ドラマとは関係ない旅行になりそうだ。

 ↑ 上は妻のお寿司、下は鯖寿司

 


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