2016年
 
8月3日(水)〜8月8日(月)    5泊6日

   長野県(ホテルルートイングランド上田駅前)
   群馬県(伊香保温泉 岸権旅館)
   栃木県(ホテルアーバングレイス宇都宮)
   埼玉県(川越プリンスホテル)
   東京都(三井ガーデンホテル銀座プレミア)

 
 レンタカー    アクア(トヨタ)

 走行距離
   1日目    なし
   2日目 114km
   3日目 193km
   4日目 148km
   5日目  78km
   6日目    なし

      合計 533km

 

8月3日
 今年は現役最後の夏の旅行で8月に入ってからの出発になった。来年からはもう少し自由がきくかもしれない。最近は千歳空港に行くまでのJRの運航が不安定なことがあり、旭川空港を使うことが多くなった。そうなると羽田経由ということになるが、今年は信州と北関東だからあまり問題にはならない。ただ、初日に信州上田まで行くので、時間的なことを考えて新幹線を使うことにした。去年出張で北陸新幹線に乗ったが、妻は初めてだったのでちょうど良かった。失敗だったの
は、あまり考えずに予約してJAL便にしてしまったことだ。羽田着がANA便より1時間半近く遅いのだ。そのせいで上田に着いたのは夕方の4時頃で、初日の観光に少し影響が出てしまった。羽田空港到着はちょうど昼時で、東京駅までけっこう時間がかかることから、空港内のレストランでカレーを食べ、さらに東京駅で時間待ちしている間に買ったパンも食べた。旅行に来ると食欲が旺盛になる。あまり食べ物を売っているところに近づかない方が無難かもしれない。
 今年の3月に北海道新幹線が函館まで開通したのだが、旭川にはほとんど関係がなく関心もなかったのだが、東京駅の新幹線乗り場の案内に「北海道新幹線」が追加されていて何となく感動した。ホームで長野行きの「あさま」を待っているとき、反対側のホームに新函館行きの表示があったのだが、残念ながらこちらの出発の方が早く、列車を見ることはできなかった。
 
 ↑ 「豆一豆(まめいちず)」のあんぱん

             「メルヘン」のフルーツサンド →

←北海道新幹線のりばの案内
 そんなわけで、14:04発の長野行きに乗って、今日は車の運転をしないので昼間っからビール。列車に乗って飲むビールは格別にうまい。自由席に乗ったが全く問題なかった。

 上田到着は15:41で、駅前という名前のホテルは歩いて6〜7分。駅からは見えないので「駅前」という名前はやめてもらいたい。チェックインを済ませてすぐに出かけたが、16時を過ぎてしまったので上田城の観光は明日にして街中をぶらつくことにした。まずは上田駅まで戻って駅前広場にある「真田幸村像」を見る。戦国時代の武将はこういう騎馬に乗った像がけっこうある。周りにいろいろなものがあって、駅からほとんど見えないのが残念だ。
 次に向かったのは「真田太平記」を書いた池波正太郎の記念館で、思ったよりも見応えがあった。そして、お土産ショップのようなところに寄って、若干空模様が怪しくなってきたので街並みを眺めながらホテルに戻った。夕食をどうするか決めていなかったのだが、天気も怪しいのでホテル内にある居酒屋に行くことにした。居酒屋と言っても、ホテル内にあるのでややおしゃれな感じで、窓側の通りが見える席に着いた。


 列車内で変わったビール

 最近ではどんなときでも「サラダファースト」を心がけていて、まずは生ビールと野菜サラダを注文。この野菜サラダはおかわり自由という珍しいパターンだったので、後から少し小さめのものを追加した。メニューに載っていたラクレットの写真が美味しそうで注文したが、すでにチーズが固まっていて残念だった。
  
写真上 左から  おかわり自由の野菜サラダ・マグロのカルパッチョ チリトマトソース・串カツ盛合せ
   下 左から  ラクレットサービス・ポテトとベーコンのピザ・デザート(何だったか忘れた)

   左 それなりに快適な部屋だった
 
 
 夕食の途中から雨が降り出して、外に出なくて良かったな、と思いながらの夕食になった。部屋は、一般的なホテルルートインよりもやや広めの造りで、初日の宿としてはまずまずだ。また、小さいながらも大浴場があって、足を伸ばしては入れるのはうれしい。入浴後はまた缶ビールを飲みながら、明日の観光について研究。雨は今夜中に上がりそうなので観光には影響ないだろう。朝イチでレンタカーを借りて(ホテル前に車を停められないので、駅前まで歩いて行かなければならないのが面倒だ)上田城の観光だ。


8月4日

 いよいよ本格的に観光開始だ。今年のテーマは例によって大河ドラマの「真田丸」で、以前長野に来たときに松代には行っているので、今回は上田を中心に観光する。ただ、真田丸はその後京都や大阪、高野山などに舞台を移すので、ほぼ今日1日でメインテーマは終了だ。
 まずはレンタカーを借りる。時間少し前に上田駅前に着いたがそれとわかるように待っている人がいない。何となく怪しい車はあったが、そういうそぶりがない。しかし、約束の時間になるとやはりその車から人が降りてきた。こっちの様子を見ていればわかりそうなものなのに、とやや不満だったが仕方がない。そこからレンタカーの営業所まで行き手続き。ようやく車を借りたら、上田城から観光開始なので、同じ場所まで戻ってくるという効率の悪さだ。ま、天気も良いので気持ちよく観光しよう。
                               前日撮ったので天気が悪い→
 
 最初の観光は上田城。まだ早い時間なので観光客も少なくゆっくりと見学することができた。旅行前にルート研究のために何度も見ているので、左の写真を撮るときには「何か見たことある景色だな」と思ってしまった。ここが市内観光のメインで、例によって「大河ドラマ館」もあるので、それなりには時間を使うが、それでもそんなに広い史跡ではないので疲れるほどでもなく観光終了。考えてみれば、今年の大河ドラマは「真田丸」だから、どちらかというと大阪方面がメインになるのかもしれない。だから幸村が大人になってからの痕跡というのはあまりないようだ。

 ←上田城「東虎口櫓門」をはさんで「南櫓」と「北櫓」がある

 写真下 左  有名な「真田岩」だが、知らないと通り過ぎてしまうかも
        中  真田神社
        右  江戸時代から現存する唯一の建物である「西櫓」。
                              この期間は特別解放されていた。

 その後は少し北上して「真田の郷」へ向かい、真田歴史館・真田氏館跡を見て、我が家の旅行恒例の山登りで「真田本城跡」へ。といっても今回は車を降りてからはなだらかな道を少し歩くだけだった。城跡とは言っても建物は何もなく、それほど時間を使うこともなく次の「長谷寺」へ。ここでは寺の中に入ることはできなかったので、「真田幸村の墓」を見て終わり。というわけで真田の郷もこれで観光終了だ。本当は「砥石城跡」というのもあるのだが、道路を挟んで反対側でそれなりに距離はあるし、こちらは歩く距離も長そうなのでルートから除外した。

 ← 歴史館などがある「御屋敷公園」への入り口

 写真下  左 真田歴史館。展示物がそれほど多いわけではないので見学時間は短め
         中 真田氏本城跡の石碑。何もないが、この付近からの景色は良い
         右 長谷寺境内にある真田幸隆夫妻、昌幸の墓。

 何となくあっけないのだが、これで今年のメインテーマである「真田丸」関係の観光は終了だ。やはり、高野山とか大阪に行かなければならないかもしれない。
 そんなわけで、この後は今日の宿泊地である伊香保温泉まで走るのだが、そろそろ昼時である。途中に食事ができそうなところがなさそうなので、ルートからちょっと外れて「菅平高原」に向かってみる。若者がたくさんいたが、これといったところもなく、途中にあった小さなレストランで食べることにした。外観はちょっとお洒落な感じもするが、中は普通の食堂と
いった雰囲気の造りだ。メニューも、それらしいパスタもあるが、味噌汁付きの麻婆豆腐丼などというものもある。我が家の旅行では昼食にはあまりこだわりはなく、場合によってはコンビニのおにぎりでも良い、というスタンスなので問題はない。
 
   若者が集まる場所っぽい
            外観のレストラン→

← 左 味噌汁付きの麻婆豆腐丼
   右 たらこスパゲッティ
 
 おばちゃんが一人でやっていた。

 その後は順調に走って伊香保温泉到着。着く少し前に「水沢うどん街」を通過して、かなり後ろ髪を引かれたのだが、ここで食べると夕食を食べられなくなってしまうので我慢。今日は今回の旅行で唯一の温泉で、夕食も旅館で食べる。部屋は和洋室をとったので、それなりに広々していて満足できるレベルだ。旅行で調べるまで走らなかったが、ここの温泉には「石段街」という有名な場所があって、この旅館はその中間ぐらいの場所にある。そんなわけで、チェックイン後はすぐにその「石段街」へ行ってみた。365段だということなので、とりあえず一番下まで行ってから上ることにした。山登りは大したことなかったが、やはり登るのだ。365段を上り終えて、さらに歩くと伊香保神社がある。さらに歩いて行くと露
 ↑ 所々にある段数表示。これが最後 天風呂があるのだが、そんな準備はしてきていないので直前まで行って引き返してきた。
結局は1時間弱歩いて、午後5時近いというのにたっぷりと汗をかいた。旅館に戻り、温泉に浸かって夕食。汗をかいて温泉に浸かった後の生ビールは格別だ。
 写真上  左  石段街出発地点     中  途中で上を見上げた感じ     下  同じく途中で下を見下ろした感じ     けっこう急な階段だ。
 写真下  左・中  今回予約した和洋室。純和風だが、ベッドは楽だ。     右  「又左衛門の湯」。北海道のように広い風呂ではない

夕食の献立
右側の写真  左は席に着いた状態。右下に自家製しそ酒
          右は先八寸が2人分カゴに入った状態

下の写真
 一段目  先八寸 (右から)じゃがいもの冷菜・夏野菜の胡麻和え・蛸と蓴菜・豆乳豆腐
         ・蓮芋と焼目貝柱    椀替り 鱧と地鶏団子の清汁(入れる前と後)
 二段目  造里 鮪・すずき・牡丹海老
         台の物 赤城牛サーロインステーキ・鮑のステーキ肝ソース掛(一人ずつ選択)
        箸休め レモンシャーベット    焼肴 鮎の塩焼き

 三段目     炊合せ 丸茄子揚出・蓮根・絹さや・南瓜    留鉢 鰻と胡瓜の酢の物    食事 ご飯・温麺・香の物    水菓子 季節のフルーツ    純米吟醸酒
 食事はボリュームもあって、お腹いっぱいになったので、少し休んでから食後の温泉となった。食後は離れの温泉に行くことにして、そこには貸し切りの露天風呂と普通の露天風呂を楽しんだ。源泉掛け流しの褐色のお湯はなかなかだ。夏だからそんなに温まる必要もないが、湯上がりのビールを美味しく飲むには温まった方がいい。
 
 写真左から  離れの貸し切り露天風呂   離れの露天風呂「権左衛門の湯」   湯上がりのビール



8月5日
 さて旅行も中盤にさしかかり3日目。メインテーマの「真田丸」はもう終了して、今日は第2のテーマである「富岡製糸場」に行く。考えてみれば群馬県を舞台にした大河ドラマもあったな、というのは後から付いてきたことだ。とは言え、伊香保温泉から富岡に行く途中に前橋があるので、「臨江閣」というところを見たいと思って立ち寄ったのだが、何と改修中。2020年に向けていろいろなところで改修が行われているようだ。下調べをあまりしていなかったので群馬県庁などもアクセスがよくわからず、そのまま「富岡製糸場」に向かった。
 さすがに「世界遺産」ということでたくさんの観光客がいる。駐車場も近いところは埋まっていて、結局はそれほど近くもないところに停めた。今日のメインはここだから多少は我慢しなければならないだろう。
 それなりの時間をかけて見てまわったのだが、歴史的な価値はわかるとし
ても「おおーっ!」とか「なるほど!」という気持ちになるようなところはあまりない。とりあえず世界遺産だから見ておこう、という感じか。ところで、先ほど「臨江閣」が改修中だったが、何とこの「富岡製糸場」も改修中だった。全体を大きく囲っての工事で、改修中の現場を普通は見られない上の方から見ることができたのは良かった。姫路城の改修の時にもそういう場面があったのだが行くことができずに残念な思いをしていたのだ。

 写真上  左 富岡製糸場入口。奥に見えるのは東置繭所。   右 西置繭所の保存修理。囲いの中で建物全体を改修している。
 写真下  左 世界文化遺産登録認定証    中 操糸所の内部。全部を見ることはできないが一番の見どころ。    右 操糸所の入口。

 一通り見終わって、お土産を少し買った頃はちょうど昼時で気温も上がってきた。この日の昼食は何も考えていなかったが、ガイドブックに載っていた「富士屋」という近くの昭和を感じる食堂でラーメンを食べることになった。昔ながらという「中華そ
 ↑ 「富士見食堂」昭和30年創業当時の姿だそうだ
ば」はワンコインという安さで、あっさりしていてとても美味しかった。その近くの店を少し見てまわったが、デザートをということで、「カフェドローム」という店に入った。後から知ったことだが、ここもガイドブックに載っていた。私はエスプレッソのかき氷、妻はシフォンケーキセットを食べた。強いコーヒー味という感じではなかったが、アイスでも何でもコーヒー味があればそれにするのだ。
 
 ←昔ながらの「中華そば」。500円
 
← レトロな造りの「カフェ・ドローム」
 
 左は店の入口
 右はエスプレッソのかき氷

   シフォンケーキセットのケーキ部分→
    下にある方が味噌シフォンケーキ

 
 さてこれで第2のテーマが終わり、今日の宿泊地である宇都宮へ移動だ。宇都宮といえばもちろん、第3のテーマである「宇都宮餃子」だ。ただ、高速でまっすぐ行ったのではちょっと早すぎるので途中でもう1カ所観光するつもりだが、これも決まっていない。今年はちょっと計画がずさんなのだ。旅行に来る前から桐生か足利か迷っていたのだが、この2カ所は
県が違うのでガイドブックも別々で比較しずらいのだ。特に去年から「るるぶ」の電子書籍を使っているので、2冊並べてというわけにいかず、こういうときは電子書籍も不便なものだ。そして結局は群馬県を終わりにして栃木県の足利に寄ることにした。ガイドブックではとても小さな扱いだったが、「足利学校」に行ってみることにした。
 基礎知識が全くない状態だが、平安初期か鎌倉時代に創建された「日本最古の学校」ということになっているらしい。ただ、厳密に「いつ・誰が」というようなことは長く大論争になっているらしく、はっきりしたことはわからない。比較的歴史が明らかになっているのは室町時代頃からだそうだ。いずれにしても「とても古い」ということは確かだ。江戸時代初期からの建物もあるようだが、復元されたものもあり、二十数年前に現在のように江戸時代の状態に復元されたそうだ。「日本遺産」に認定されていて、「めざせ世界遺産」ということらしい。思いがけず見応えがあり、庭園も美しかった。
                    歩道橋の上から全景を見る。 →

 写真上  左 庭園全体の案内。ここを左側に向かっていき、裏門のあたりからまた左に行ってから、右の「入徳門」にたどり着く
 写真下  左 「入徳門」から入ってしばらく歩くと学校の入口である「学校門」がある。奥に「孔子廟」がある。   中 庭園が美しい。   右 「方丈」と「書院」
 いよいよ宇都宮に向かって出発だ。当初の計画では宇都宮は入っていなかったのだが、うまくルートを作れず「じゃあ餃子でも食べに行くか」というノリで今日の宿泊地になったのだ。というわけだから、夕食は餃子で決まりだ。
一方通行の関係で1回ではホテルの駐車場にたどり着けなかったが何とかたどり着いてチェックイン。まあまあのレベルの部屋だ。そして、まずはお中元として餃子を送るために近くの東武百貨店に行った。この中に「宇都宮餃子来らっせ」という、いろいろな店の餃子を買える(食べることもできる)ところがあるのだ。そこから2軒に送って(いつも旅行中にその土地から送っている)、あとは食べるだけだ。この「来らっせ」という手もあったのだが、何度も来られないので並ぶのを覚悟で有名な店の本店に行くことにした。で、行ってみると店の前には30人くらいの人だかりが。何となく適当に並んでいるような感じだったが、ちゃんと係の人がいて整理していた。相当並ぶのを覚悟したが30分ほどで席に着くことができた。博多のような一口餃子ではなく普通サイズだが、野菜が多くて軽い感じだ。ちょっと残念だったのは生ビールではなく瓶ビールだったこと。しかしあの客数では仕方がないのだろう。瓶ビールでも一緒に焼き餃子を食べて満足。全部が相席みたいな店だが、向かい側にいた若いカップルの食べっぷりには驚いた。
 ← たくさんの人が待っている店の前。写真の右側にも団体がいた。
      ↓ 左 ようやく店の入口に到達。    右 待ちに待った焼き餃子。美味しかった。

 今日泊まる「アーバングレイス宇都宮」というホテルには大浴場・サウナがある。最近はそういうところが増えて、結局初日から3泊連続で大浴場がある。温泉はもちろん良いが、温泉でなくても大浴場であればうれしいものだ。
 2軒ぐらい行こうかと思っていたのだが、最近はあまり食が太くないので、結局は途中のコンビニで飲み物と軽いつまみを買って帰ってきた。暑い1日だったので、大浴場で汗を流してから缶ビール。今日は生ビールを飲めなかったのが非常に残念だ。
 明日は「佐野ラーメン」を食べる予定なのだが、チェックアウトしてまっすぐ行くとちょっと早すぎるので、近くで観光する予定だ。ガイドブックによると「大谷石」の採石場跡が地下神殿のようだったので、そこに行ってみようと考えている。
 そんなわけで3日目終了。

 
8月6日
 今日も天気が良くて暑くなりそうだ。今日はこの旅行第4のテーマとも言える「佐野ラーメン」、そして第5のテーマである「埼玉県で宿泊」だ。これまでに宿泊したことがないのは、青森県・埼玉県・奈良県の3つだ。京都にも奈良にも何度も行っているが宿泊はいつも京都。埼玉県は初めてではないが宿泊は東京、といった具合なのだ。これで残り2県になる。
 朝食バイキングに水餃子があったので、せっかくだから食べてみた。まあ特別何ということはないが、食べないという手はないだろう。
 さて、食事が終わったらすぐに支度をして出発だ。予定通りまずは「大谷石」へ。これは「おおたに」と読むと思っていたら「おおや」だった。今回の旅行ではじめて知った名前だ。
 ←宇都宮餃子の水餃子。とりあえず1個だけ食べる
             けっこう遠くからホテルの全景を写した。→
 チェックアウト後は時間的にも早めなので車も少なく順調に「太谷石資料館」に到着した。この時間でも気温はけっこう上がってきたが、ガイドブックには中の温度は低いと書いてあったので1枚羽織っていくことにした。これは確かに正解で、入口からしばらく下って、下りきったあたりはかなりひんやりとしていた。半袖だけだと寒かったかもしれない。
 その資料館だが、期待を裏切らないもので、採石したらたまたまこういう形になったのか、それともわざとこういう風に採石したのかわからないが本当に地下神殿のような雰囲気だった。全く知らなかったが、いろいろなアーティストがここで演奏会や撮影をしているようだ。何枚も写真を撮ったのだが、残念ながら持っているカメラではまともに写った写真がほとんどなかった。毎年こういう場面に遭遇するといいカメラが欲しくなる。
 地下から上がってきて、入口にあるショップに立ち寄り、ちょっとお洒落な大谷石のコースターを2枚買った。珪藻土のように水を吸う石ということでコースターにはぴったりだ。そしてその後はすぐ隣にある平和観音へ。この辺り一帯が大谷石でできているようで、地上で採石した壁面を削ってできた磨崖仏だそうで、とても大きい。階段があって上まで行けたので観音像の顔を間近で見ることができた。
 ←大谷石資料館に入る手前の露面の採石跡。あちこちが洞窟のようになっている。
写真上
 左から 地下の採石場に降りる途中
 中と右 まるで神殿のように
                整然と採石されている

写真右
 左 拝観料をけちって中に入らなかった
        壁面の磨崖仏が本尊の「大谷寺」
 右 平和観音側から見下ろした状態
           まるで岩の中にあるようだ

写真下
 左 平和観音の全景。高さ27m
 中 上まで行って観音様の顔を間近で見る
        景色も良いし、「大谷寺」も見える
 右 大谷石を採石した跡。公園のように
        なっていて「大谷寺」側に抜けられる

 これで宇都宮の観光は終了。いよいよ第4のテーマである「佐野ラーメン」だ。ラーメンはガイドブックを見ても全くわからないが、あまり事前には深く調べてこなかったので口コミなどが不明だ。仕方なく何となく有名そうな店を探してナビに設定。選んだのは「森田屋総本店」という店で、そこそこ広い駐車場が満車状態だ。何とか停めることができて、店に入ると待っている人がいる。これは期待できるかも。注文してから並ぶシステムで、少しだけ待って思ったよりも早く席に着けた。注文した時、ほんとにちゃんと伝わったのかな、とやや心配だったが、メニューは中華そばの普通と大盛り、チャーシューメンの普通         森田屋総本店。中は広い→
  ↓ 透明スープ・独特の手打ち麺
と大盛りしかないので、間違うことはないようだ。当然のようにみんな相席だ。そして、ほどなくラーメンが運ばれてきた。色の薄い、透明スープに青竹で打った独特の手打ち麺。やはり、スープもそうだが、その土地によって麺は大きく違う。手打ちらしくやや平麺の高加水麺は個人的には好みと違うが、旅先の文化に触れているようで楽しい。透明あっさりのスープはとても美味しかった。後から調べてみると、ここはかなりの老舗のようで、人気店の一つだった。
 その後埼玉県に突入。川越に行く前に寄りたい場所が。6年前の九州旅行の時に「九州鉄道記念館」の前まで行って入場はしなかったのだが、やはり一度はこういうところに行きたいと思っていた大宮の「鉄道博物館」だ。別に鉄道オタクではないが、駅近くの高層ホテルに宿泊したりすると、次々とやってくる列車を見るのがとても楽しみで、大きなジオラマを見るのが最大の目的で、一人なら2時間くらいは見ていられそうだった。満足。
 ↑ 旧国鉄時代のいわゆる「国鉄カラー」。とても懐かしい
                                 少し上から見渡した展示場の全景。結構広い→

 ↓ あんな広いジオラマは初めてだ。自分の家にも作ってみたいものだ。

 そして川越へ。今日泊まるのは西武新宿線の本川越駅直結の川越プリンスホテル。そもそも、川越には寄りたいと思っていたが宿泊はどこでも良かった。旅行プランを考えている時には佐野ラーメンの後、秩父・長瀞に行って温泉に宿泊して川越は明日という案もあったのだが、いい感じの温泉旅館は高く、そうでないとイマイチの旅館、となってしまう。そんなわけで、このホテルも普通なのだがリーズナブルな価格ということと、一番街に近いということでこちらになった。だから、今日は大浴場がない。チェックインしたのはもう4時近くだったので、すぐに出かけることにする。夕方だというのにまだま
←甘味処「あかりや」
  ↓かき氷 左 宇治ミルク金時   右 粒々いちごミルク
だ暑いので、ホテルと一番街の間くらいにある甘味処でかき氷を食べる。それぞれ「バニラのせ」という氷とアイスの両方を楽しめるメニューだ。さて、一番街だが目的ははっきり言って「時の鐘」のみ。だったのに、何とここまで何度か遭遇した「現在改修中」で、全面がすっぽり覆われていて何も見えない。工事は去年からやっているらしいが今年のガイドブックにはそんなことは何も書かれていな
かった。何ともひどい話だ。まあ、それでも仕方がないので一通り「一番街」を見て、菓子屋横丁にも行って、ぶらっと散策してきた。それにしてもすごい人の数だ。今日はいろいろ行ったからそろそろ疲れて、「時の鐘」にもフラれ、集中力が低下してきたのでホテルに戻って夕食までの間休むことにする。
← よくわからないが歴史を感じる建物が並ぶ一番街

  ↓ 「見つけた!」と思ったのに、残念!

 今日の部屋はツインではなくダブル(ツインは満室だった)。広めのダブルベッドだからいいだろう。少しの間休んで、夕食は例によって居酒屋で一杯なのだが、今日は土曜日だということを思い出した。部屋にあった飲食店関係のパンフレットを見て、ここにしようと電話をしたが満席。さらに探して、東武線の川越駅の近くの店に予約ができた。ちょっと遠いが仕方がない。生ビールから始まるお決まりの居酒屋メニューでお腹を満たしてホテルに帰った。昨日は生ビールを飲めなかったので今日は満足。明日は東京だ。
                                  標準的な広さのダブルルーム。可もなく不可もなくだ。→ 

   ↓ 店内が暗くてうまく写真を撮れなかった。フラッシュをたくと明るすぎるのだが使えば良かったかもしれない。
       左から イカ焼き・寄せ豆腐・冷製トマト・漬け物盛り合わせ・とり串   この他にも何か食べたような…


              ホテルの外観を撮影し忘れた。今年のレンタカーはアクア。燃費が良い。→
 

8月7日
 今日はとりあえず東京に行って、車を返してしまってどこかに行く、ということしか決まっていないが、天気が良いのでスカイツリーに行ってみることにした。日曜日だから混むというのは覚悟の上だ。
 今回は素泊まりだったので、ホテルと駅の間にあるスタバでサンドイッチとコーヒー(妻は野菜ジュース)で朝食となった。普段の朝食がこんなものだからちょうど良いかもしれない。旅行中の朝食は基本的に食べすぎなのだ。
 ↓ スタバでの朝食。「都会にいる」という気分だ。
 食事が終わればもう特に何もないので、すぐに出発だ。できるだけ早く東京に着いたほうが行動範囲が広がる。ということで、すぐに高速に乗って新橋ICまで。今日泊まるのは「銀座」という名前が付いているが、場所的には新橋のほうが近い感じもする。そもそもは「築地」に近いという条件で探したのだ。レンタカーの営業所は駅前の地下駐車場の中にあって非常にわかりにくい。まさか駐車場に入っていくとは思わず、電話してわかったのだ。予定よりずいぶん早く返却したので、精算で今日の昼食代くらいは出た感じだ。営業所から400mくらいのところにあるホテルは、フロントが16階にあるという超高層ホテルで、フロントロビーからの景色が抜群だ。一番開けた所からは明日行く予定の築地市場や浜離宮が見え、別の角度からは東京タワーが比較的近くに見える。まだ午前中だったのだが、荷物を預かってもらいすぐに出発。新橋駅まで行き、何となく1日乗車券を買ったのだが、
結果的には普通に買って乗ったほうが安かった。地下鉄銀座線で浅草まで行き、ちょうど昼だったので「大黒屋」の海老天丼を食べることにした。本店はかなり待ちそうだったので別館のほうへ行ったがそれでも20分くらいは待った。前回食べたのがいつだったか正確には思い出せないくらい昔で、おそらく30年ぶりくらいだと思われる。相変わらず見た目にはしょっぱそうな大海老が4本載っているが、以前はもっと縦型にのせていたような気がする。久しぶりに食べて大満足で、いよいよスカイツリーだ。東武スカイツリーラインで1駅だ。この東武線が1日乗車券に含まれないのが残念だった。
 今日は天気が良い日曜日だから当日券は激混みだろうと覚悟してきた。で、並んでいる所まで行くと、何となくそうでもないような感じだった。と思ったのは大きな勘違いで、よく考えれば並んでいる所からチケット売り場が見えないのだからやはり相当並んでいるということだ。というわけで、結局チケットを購入するまでに約1時
    ↓ 大黒屋の海老天丼1950円
間、その後エレベーターに乗るまでに約15分。立ちっぱなしだからさすがに疲れたが、壁にびっしりと並んだディスプレイの映像がなかなか楽しく飽きない工夫がされている。ようやく乗ったエレベーターは耳が痛くなるということはないがかなりのスピードで、あっという間に地上350mの展望デッキ(フロア350という)に到着だ。この時点で東京タワーの高さを超えているのだからすごい。以前行った東京タワーの特別展望台(250m)ですごいと思ったのに、それより100mも高いのだ。そしてさらにこれにプラス100mの「天望回廊」へ行く(エレベーターが着くのはフロア445)。この回廊をぐるっと歩きながら5m上がってフロア450に到着だ。建物から見ているというより、山の上から見ているような気分になる。ぐるっと回れば360度全ての方面が見渡せる。遮るものが何もないというのは素晴らしい。
 ←パンフレットと展望デッキ入場券                     カップに入ったソフトクリーム→

 しばらく景色を眺めた後はエレベーターで降りて(ここはフロア345)、さらに5m降りたところがフロア340という帰りのエレベーター乗り場になる。そのフロアにあるカフェで景色を見ながらソフトクリームを食べて下まで降りてきた。その後はなにを買うでもなくソラマチをぶらぶらしてスカイツリーを後にした。

 写真上 上段の2枚は350mと450mから同じ方向を写したもので左が350m。左端に同じビルが見える。
       下段左は遠く新宿方面。中央付近に東京ドームが見える。右は中央に東京タワーが見える。       全て写真をクリックで拡大
 写真下 ホテルの16階フロントロビーからの景色
        左 浜離宮庭園方面     中 奥の方、中央のビルの陰に築地市場が見える     右 東京タワーが比較的近い     全て写真をクリックで拡大
 ↓ 西郷隆盛の銅像
 その後は何も考えていなかったが、まだ時間があるので世界遺産になったばかりの「国立西洋美術館」に行ってみることにした。特別美術に関心があるわけではないのだが、展示品も多くてかなり見応えがあるせっかくなので常設展示だけでなく特別展示も見たので、けっこう時間を使って堪能することができた。建物自体が世界文化遺産とのことなのだが、そのあたりはよくわからない。最近思うことだが、博物館とか美術館とか、やはり「国立」はモノが違う。建物とかではなく展示されている物の数も違うし、他では見られない物が多いのだ。数年後には北海道にも国立のアイヌ民族関係の博物館ができるらしいが、やはり国立だからすごいのだろうな、と想像できる。      ↓国立西洋美術館の正面入口。さすがに人が多い
 東京には何度も来ているが、実は上野公園には来たことがなく、西郷さんの銅像も今回初めて見た。そんなわけで最後は高尚な文化に触れて、さすがに疲れてきたし時間も時間なのでホテルに戻ることにした。
 こういう都会で宿泊する時の夕食は外に出ると決まっているのだが、今回は明日築地に行くということで素泊まりだ。部屋で少し休んで、暗くなりかけてきた頃新橋駅方面に向かった。たくさんあるだろうからということで店などは全く調べていなかったので飛び込みで入ることになった。「個室があるよ」ということで入った「八吉」という店で、なかなか落ち着けたし食べ物もみんな美味しかった(後で調べたら都内に30店舗以上あるチェーン店のようだ)。しかし、2人で1万円を超えたので安い店ではなかったのだろう。ま、それでも旅行中はこれくらいの金額になることは珍しくもないし、美味しかったから良しとしよう。築地が近いからなのか特に刺身が美味しかった。

  ↑ あまりよく覚えていないが、左から
          豆腐サラダ・子持ち昆布の串揚げ・今日のお造り4点盛り・ハムカツ?・寄せ豆腐かな?
 
 今日はいろいろ行動したが、旅行のテーマとなっていたものはひとつもない。2泊3日くらいならこういう当てのない旅もできるかもしれない。明日は最後のテーマである「築地市場」。今年行かなければ行かないうちになくなってしまうから最後のチャンスなのだ。以前東京に泊まった時にも行こうかという話になったが、朝早くから行動するのはちょっと、ということでやめたことがある。しかし、築地だからといって、そんなにめちゃくちゃ早く行かなくてもいいのだ、ということで決意した。若干はガイドブックで下調べはしたが、覚えきれないくらいの店があるので「出たとこ勝負」ということにした。
 
 ← 標準的なツインルームだが、高層階なので景色は良い。高層すぎて全景は写せなかった。


8月8日
 今年の旅行もとうとう最終日になった。今日は「築地市場に行って朝ご飯を食べる」という最後の旅行テーマだが、それ以外には何も決まっていない。そもそもスカイツリーは天気が良い時に行くものだから、たまたま昨日行ったが、今日になることも考えられたわけだ。ま、毎年最終日はあまり決まっていない、というのは我が家の旅行によくあることで、またしても「出たとこ勝負」だ。というわけで築地に向かう。
 「場内」とか「場外」とかあまり位置関係を把握しないまま行ったのでよくわからなかったが、入ったのは「場内」側だった。入場してすぐの場所はトラックも出入りする場所で、さらに独特の「ターレー」という運搬車がひっきりなしに通っている。こんなところを観光客が歩いていたら仕事の邪魔だな、と感じるほどだ。少し移動すると、長屋のような状態の店舗が見えてきて観光客もMAX状態になってきた。
    ↓ いよいよ築地市場。信号待ちしている状態
お寿司を食べようと思ってきたのだが、有名な店は外国人観光客が大量に並んでいる。しかも実に雑然とだ。あんな状態で順番がわかるのだろうか。この時点でここが場内だということを忘れて、混んでいない店を探した。あとで考えれば場外のほうが店がたくさんあっていろいろ選べたのにとも思ったが、仮に豊洲へ移転しても「場外」はここに残るらしいから、やはり「場内」が大事だ。そんな感じで歩いていて、客が並んでいない店を発見した。並んでいなくても不味いはずがない、ということでその店に入った。数人のお客さんがいたが、カウンターだけの店ですぐに席に着いた。単品の注文以外では「並」とか「上」とかではなく、2種類の値段が書かれていたので2500円のメニューを注文。貝類があまり好きではないので、何が出てくるかわからない頼み方はあまりしないのだが、幸い魚が多くて、とても美味しくいただいた。カメラの設定がおかしくなっていて、変な写真しか撮れなかったのが残念だった。満足して店を出た後は、
↑築地市場入口    ↓ 行列がなかった「おかめ」 付近を見てまわり、串に刺さっただし巻き卵を食べたがこれまたとても美味しかった。などと言っているうちに、ここが「場内」で「場外」も見よう、などということをすっかり忘れてしまった。意外と早く見終わったなぁ、などと思いながら戻ってきてしまったのだ。「場外」を見ないできてしまった、ということに気がついたのは旅行から帰ってきてからだったというお粗末な話だ。
 築地を出た後は、ホテルから見えた「浜離宮恩賜庭園」に行ってみたがまだ開園前でかなり待つ感じだったので、銀座方面にぶらぶら歩いて歌舞伎座まで行った。しかし、公演は翌日からのようで、さらに地下や5階ギャラリーもオープン前。やはり築地で行動というのは朝早いということなのだろう。仕方がないので部屋に戻ることにして、ホテルが入っているビル1階にあるナチュラルローソンという旭川
 ↓卵焼き専門店のだし巻き卵
にはまだない形態の店でスムージーを買って戻った。この後は本当に全く予定がない。


 旅行に戻る