2015年
 
7月29日(水)〜8月3日(月)    5泊6日

   大分県(別府温泉 竹と椿のお宿 花べっぷ)
   熊本県(黒川温泉 ふもと旅館別邸 こうの湯)
   佐賀県(嬉野温泉 旅館 吉田屋)
   長崎県(平戸温泉 国際観光ホテル 旗松亭)
   福岡県(JR九州ホテル ブラッサム博多中央)

 

 レンタカー
     ラクティス(トヨタ)

 走行距離
   1日目  87km
   2日目 141km
   3日目 308km
   4日目 148km
   5日目 240km
   6日目    なし

      合計 924km

 

7月29日
 今年は7月中の出発。仕事の関係で8月に入ってからになったりいろいろだが、7月中の出発の方が天気が良いような気がする。結果として、今年の旅行は非常に暑かった。
 空港の関係で博多に行ったのを除けば5回目の九州で、今回は大分空港からの旅行開始だ。千歳空港からでもいい時間の便がないので、旭川出発の羽田乗り継ぎとなった。全て時間の関係なのだが、旭川から羽田はANA便、そして羽田からはJAL便となり、荷物が面倒だと思っていたら、ちょっと手続きはあるものの、ANAとJALの間で提携されていて荷物
はまっすぐ大分空港まで届いた。羽田空港の第1と第2のターミナル間はけっこう距離があるのでとても助かった。具体的な手続きとしては、旭川で荷物を預けるときに「羽田からJALで大分まで」と告げると右のようなものを渡されるので、羽田に着いたらJALの手荷物カウンター(普通に預けるのとは違う場所だった)でこれを見せて手続きをする、というものだ。少し時間を取られるが、検査の列に並んで手続きするよりは楽だ。ちなみに、旭川からの便はAirDoとの共同運航便だが、AirDoは提携していないのでこの手続きはできないそうだ。

つけ麺と中華そば
その分運賃はやや安いが、初日から疲れるよりもこちらの方が良かった。
 そんなわけで、旭川空港を9時頃出発して、羽田空港で昼食を摂って、午後2時前には大分空港に到着だ。羽田での昼食は「羽田大勝軒」。昨年と今年の出張でも食べたので3回目の訪問となった。これは道外の店としては最も多い。
 羽田からの空路はとても天気が良く、外の景色を十分に楽しむことができた。途中、大阪付近の上空では伊丹空港・関西空港・神戸空港が一度に見える場所があった。視界に3つの空港が入るという経験は初めてだったのでちょっと感動した。
 大分空港では、荷物を受け取るターンテーブルが回り出すと先頭に右のような巨大鮨が回ってきた。地方によっていろいろな特徴があるものあるが、これはかなり面白い部類だ。それにしても海老はやはり茹でたものが一般的なのだろうか。

 ↓ターンテーブルに巨大鮨





  ↓ 熊野磨崖仏への石段
 さて、本当は大分空港から中津城に行ってからの宿泊にしたかったのだが、どうもうまく観光ルートを作ることができなくて、今日は「熊野磨崖仏」だけを見て別府温泉泊という計画だ。空港でレンタカーを借りて、まっすぐ目的地へ向かう。30分程度で到着し、初日から坂道を登る。やはり我が家の旅行は必ずこういうのがある。ガイドブックに「急な石段」と書いてあったが、最初はそれとは違う坂道で、それはそれなりに階段も多くきつい、そしてそろそろ疲れてきたという頃に、右のようなまさにガイドブックに出ている石段が登場した。いつも思うことだが、よくこんなところに仏像を作ろうとか、神社や寺を建てようとか考えるものだ、と感心してしまう。
 とても暑くて、汗びっしょりになりながら到着したところには、これまたガイドブック通りの石仏があった。岩肌を削ったものでかなり大きい。自然にさらされているので多少は痛みがあるようで、ちょっととぼけたような表情になっているのが面白い。

 ↑ ここの磨崖仏は2体で、手前の方が大きいが痛みも大きい
そうは言っても、疲れた割には「この程度か」という印象で今年最初の観光となった。この後は杵築城に行こうと思ったのだが、目の前まで車で行くことができないようなので時間の関係で省略。一路今日の宿泊地である別府温泉に向かう。
 別府温泉は2回目だが、今回はホテルがたくさんある海の近くではなく、駅を挟んで反対側のホテルを予約した。駅まで歩いて10分もかからないが、周りには何もない静かなところだ。入り口がよくわからなくて行き過ぎてしまい、細い道をぐるっと回って到着したのだが、後から地図を見ると全て一方通行を逆走していた。1台も車に合わなかったから良かったが冷や汗をかいた。
 チェックインして部屋に案内されるときに、理由は不明だが予約した部屋よりも1ランク上の部屋を用意しました、と言われた。少し広くて、マッサージチェア付きの快適な部屋だ。温泉ではないがジャグジーも付いている。ただ残念なのは、レンタカーの営業所で今日は別府の花火大会があるのと聞いて期待していたのだがだが、この
ホテルからは、どの部屋からも見えないと言われたことだった(こちらから聞かないのに言われた)。
 それはそうと、部屋に入ってまずは温泉だが、それほど大きな浴場ではない。しかし、とてもなめらかなお湯で、北海道の「つるつる温泉」のような印象だ。露天の方の温度もちょうど良く、心地良い食前の時間を過ごせた。チェックインがそれほど早い時間でなかったので、温泉に浸かって少しゆっくりしたら食事の時間になった。汗をかいていたので食事処での生ビールは格別だった。旅行出発の数日前にこのホテルから最終確認の電話があって、そのときに幾らか追加すると(いくらだったか忘れた)料理の品数と質をアップします、と言われたのだが、そんなにたくさん食べられないので断っていた。
 結果としてはそれで良かった感じで、最後のご飯まで食べてちょうど良い量だった。ここのご飯は1組ごとに釜で炊いているということで(朝食もそうだ)とても美味しい。
 満足して部屋に戻ると、時間的にはちょうど花火が始まる少し前で、歩いて行けないこともないのだが、わざわざ着替えてまで行く気にもなれず諦めることにした。特にすることもないのでテレビを見ていると花火が始まって、全く見えないのにとても大きな音がして、近くでやっているという感じだった。やや小高いところにあるのだから部屋の向きを変えれば見えたのに、と残念だった。その後はもう一度温泉へ。部屋の風呂がジャグジーでなくてもいいから温泉だったら良かったのだが…。
 最近は出かけると寝る前にブログをアップするのだが、このホテルは比較的新しい感じできれいなのにも関わらず有線も無線もネットの環境がない。どちらかというとそのあたりは予約時に確認するのだが今回は忘れていた。そういうときのために持ってきた Wimax も範囲外で、結局はスマホのテザリングで接続することになった。この点はとても残念だった。

   ↑ 大浴場の露天風呂。それほど開放感はないがいい湯だ
写真  上段 一番左はウェルカムドリンク

上段 2番目から夕食 豆富と蛸のジュレ掛け・お造り(間八・伊佐木)・彩々焼き
中段 左から 烏賊墨麺と甘鯛・麺だけ変更・鰹のたたき・豊後牛セイロ蒸し
下段 左から 鯛と烏賊の変わり揚げ・ご飯と漬け物・デザート

ほどよい量で、満足。ご飯が美味しかった。


写真 左下   ワンランクグレードアップされた部屋
    下中央 庭が見えるロビー(ここでチェックイン)…印象GOOD
    右下   お食事処の入り口。個室になっている


7月30日

 旅行2日目。今日も天気が良く暑くなりそうだ。好んで暑いところに来ているので、晴天で暑いのは大歓迎だ。朝食の指定時間が一番早くて8時だったので、食べたらすぐチェックアウトするように行動した。
 まずは朝の散歩代わりに駅前まで探検に。特別何もなかったが、駅前に「手湯」という珍しいものを見つけたので一応手を入れてみたが、別にどうということもなかった。「足湯」は有名になったが、「手湯」は初めてだ。その後は部屋に戻ってジャグジーに入り、朝の連続ドラマを見てから朝食へ。バイキングではなく、夕食と同じ場所で和食のセットメニューだ。こういうところで、夕食の時に「お品書き」があるのは一般的になってきたが、ここでは朝食にも「お品書き」があった。品数は多いがごくオーソドックスなもので、とにかくご飯が美味しい。朝は1組ごとではなく、一人一人別々に釜で炊いたご飯だ。まあ、そんなわけで、ネットが使えないとか花火が見えないという不満もあったが初日として合格点のホテルだった。

 ↓ 別府駅前にある「手湯」
 さて、別府に来たら「地獄巡り」というのが定番だが、前回来たときに地獄は行っているので(1カ所しか行っていないが…)、今回は別府はすぐ出る予定になっていて、今日は最初に臼杵に行く予定だ。そしてその後は竹田か長湯温泉というあたりが決まっていない。というわけですぐ出発だがその前にガイドブックで見て実物を見たいと思った「竹瓦温泉」へ。明治初期に創設されたという歴史ある温泉だが、入浴料100円という破格の共同浴場だ。しかもこの時期は朝の6時半から営業している。ホテルを出てから迷うこともなくほどなく到着したが、なかなか厳かな造りで、これで100円で入浴というのがびっくりだ。ちなみ   ↑ 宿泊した「花べっぷ」の外観
   ↓ ご飯が美味しかった朝食。画面外にも料理が

に、実は右の写真を撮るために車を停めたときも一方通行を逆に向いていたことを後から地図を見て知った。しかもその後大きな道に出るまでしばらく逆走したのだ。2日連続の冷や汗だが、それにしても2日とも全く対向車に出会わないというのも驚きだ。不幸中の幸いか…。
 この後、別府ICから高速に入ろうと思っていたが、ナビは大分ICを指示したので従ってみる。そして格段混み合うこともなく高速へ。15分程度も走ると臼杵ICで、そこから5分程度で国宝になっている「臼杵石仏」が集まっているところがある。昨日と同じ「磨崖仏」だが、その数も多く、さすがに国宝になっているだけあって見応えが違う。特に急な坂道を登ったりすることもなく、ゆっくりと1時間近くかけて見てきた。自然の岩肌を掘ってできているので、風化があるのはどうしようもないことのようで、学芸員らしき人が調査をしていた。ここは石仏を保護するように建物が建てられていて少しでも風化を防ごうとしているようだ。

 すぐ横の満月寺という寺の横にあるハス畑
本当のところはよくわからないが、約1400年前(奈良時代頃らしい)に掘られたということだ。今のように保護されるまでは野ざらしだったのだろうから、それにしてはしっかり残っているという感じだ。徐々に登っていって、最後の「古園石仏」まで行くと、すぐ近くにお寺があってハス畑があるのが見えた。歩いてもすぐのようだったが、その後の行動を考えて車で行ってみた。
 3年前に秋田に行ったときにホテルの目の前にあったハス池が見事だったので、迫力ではやや負ける感じがしたが、ここは池ではなく畑なので目の前で花を見ることができる。
 さてこの後どうするかはっきりと決めていなかったのだが、ガイドブックの写真に惹かれて臼杵の街中に行ってみることにした。

↑ 竹瓦温泉。中に入ってみたい衝動に駆られた

↓ 国宝の石仏群入り口

     写真 上段左から ホキ石仏第二群第2龕、同第1龕、ホキ石仏第二群第4龕、同第1龕
         下段左から ホキ石仏第二群第2龕、同第3龕、山王山石仏、古園石仏

 実はこれがこの旅行の悲劇となった。ナビのせいにしてはいけないのかもしれないが、とにかくとんでもない道を指示してくる。自分の車では通れないような狭い道でも地図ではよくわからないのでナビに従って入ってしまうのだ。今までもそういうことは良くあったが、今回はついに悲劇が起こってしまった。とんでもなく狭い道を走っていると、ゴミ収集車が作業をしていたので、戻ろうとして切り返しなどをしているうちにハマってしまったのだ。収集車の人に助けてもらって最悪の事態は防げたが、車を傷つけてしまい、レンタカー会社に2万円追加料金を払う羽目になってしまった。まあ、それでも目立たない場所だったのでその後の旅行に影響が出なかったのは不幸中の幸いだった。

 ↑ 竹田丸福。鶏天で有名らしい
 さて、気を取り直して旅行の続きだ。そろそろ昼食の時間なのだが、場所が決まっていない。行動しながら、竹田を省略して長湯温泉に行くという話になっていたので、途中で何かを食べなければならない。そこで、途中にある道の駅「おおの」というところで「軍鶏の親子丼」を食べようということになった。しかし、レストランに行く手前にあった「鶏天」につられ、それを軽く食べようということになってしまった。で、車で少し食べながら、やはり竹田に行こうということになり、それなら竹田で昼食ということで決定した。大分県といえばやはり「鶏天」で、別府で食べられなかったのでどうしても食べたいのだ。一応この辺りでは有名な「丸福」という店で、定食で頼んだのだが、けっこうご飯の量が多く、一人分は単品にすれば良かったかもしれない。鶏天は、字の通り鶏の天ぷらで、以前テレビでやっていたので家でも作ったことがある。そのときに結構美味しかったので本場の味に期待していたのだ
が、何となく「唐揚げ」に近い感じでちょっと残念だった。あれなら家で作る方が美味しいかもしれない。
 食後は「瀧廉太郎記念館」。近くの市立歴史資料館の駐車場に車を置いて徒歩ですぐだ。途中「瀧廉太郎トンネル」というのがあるのだが、トンネルに入ると荒城の月などの音楽が流れる仕組みになっている。3曲用意されているようで、行きと帰りで違う曲だった。その後は商店街の共用無料駐車場に車を置いて、「玄米ソフト」なるものを食べた。やや香ばしくて珍しい味だった。ちなみに、夜のニュースで知ったが、ちょうどこの時間の竹田が気温36.8度だったそうで、どうりで暑いはずだ、と納得。
    ↓ 左 トリ天定食     右 トリ天南蛮定食

↓ 左から  瀧廉太郎トンネル。もちろん歩行者専用    瀧廉太郎記念館。父親の表札がかかっている    瀧廉太郎の像     「友修」という店の玄米ソフト

↓ 「夏山」という巨大なかき氷
 その後は今日の宿泊地である黒川温泉に向かう。時間的に少し早かったので、「風の舎」という観光案内所の駐車場に車を停めて温泉街を少し歩いてみた。やはり暑いので「白玉っ子」という店でかき氷を食べることにした。メニュー見ると何と918円(税込)もするではないか。ずいぶん高いなあと思って周りを見るとどうやら巨大なようだ。そしてみんなひとつを2人で食べている。というわけで我々も1つ注文して2人で食べた。高さは25cmくらいはあったような感じだ。結局はちょっと歩いてかき氷を食べただけで車に戻り今日の宿へ。今日は「こうの湯」という温泉街からはちょっと離れたところにある「離れ」だけの宿だ。以前阿蘇の近くに泊まったときもそういう宿だったが、今日の方が母屋がしっかりしていて「宿」と  ↓ 部屋は普通の和室でちょっと暗めだ
いう感じがする。部屋に露天風呂が付いているが、部屋自体は立派な感じではなくちょっと期待外れだ。
 チェックイン後は当然のことながらまず大浴場。大浴場といっても、母屋はそんなに大きくなく部屋から50m近く歩いて行くことになる。そしてそこはわずかな洗い場と露天風呂だけ、という野趣あふれる造りだった。ただ、露天風呂の奥の方に、この宿自慢(?)の深さ150cmの「立ち湯」がある。階段状に降りていくのだが、最も深いところだと身長が180cmくらいないと口がふさがってしまうので、つかまるための太い棒がある。なかなか面白いが落ち着いて湯に浸かるという感じではない。早々に切り上げて部屋に戻ってきた。
 ← 一応「大浴場」扱いの露天風呂
                           ↓ 左 部屋に付いている露天風呂。結構大きい   右 それぞれの離れに分かれる
 食事まで少し時間があったので部屋の冷蔵庫からビールを出して飲んだが、ちょっとぬるくて大変不満だった。
 食事は母屋の2階へ。個室ではないが隣とは十分離れているし、満席ではなかったので落ち着いて食べることができた。メイン料理は肥後牛の玉鍬焼きで、想定以上に量が多かった。だんだん年を取ってくると、ああいう超霜降りの肉はあまりたくさん食べられない。それでも大変美味しくいただいた。
熊本では必ず「馬刺し」が出て、妻が食べないので私が2人分食べる。私も普段はほとんど食べないが、熊本の馬刺しは美味しく食べることができる。お腹がきつくなったので、ご飯はおにぎりにしてもらったのだが、食べ終えて部屋に戻ったときにはすでに置いてあった。こういうサービスはなかなかだ。ちなみに、ここでは焼酎が安く、1合単位で注文するのだが、普段飲まないような高価な焼酎がおしゃれな竹の器に入ってきて、この点は大変満足だった。
  写真右  先付けと前菜(山女魚うるか和え、花サーモン、こんにゃく寿司、からし蓮根
        川鱒の南蛮漬け、生ハムマスカルポーネチーズ巻き、馬ユッケ

写真下
  上段 中 馬刺し、フタエゴ、コーネ    右 椀豆すり流し、蟹真丈、ぶぶあられ
  中段 左から 冬瓜饅頭、飛卯   山女魚化粧焼き   肥後牛玉鍬焼き、焼野菜
  下段 左 焼酎1合と氷   右 デザート    この他味噌汁と青高菜飯
 部屋に戻ってからは、部屋の露天風呂に入ったが、大浴場よりもずっとゆっくりできた。考えてみるとこの宿には露天風呂しかないようだ。なお、当然のこととも言えるが、この宿も昨日に引き続きネット環境はない。もちろん Wimax が使えるはずもない。まあ、ここは山の中だからはじめから期待はしていなかったが…。


7月31日
 さて今日は今年の旅行で一番の強行軍で300kmくらい走らなければならないので、できれば早く出発したかったのだが、昨日同様に朝食の指定時間があまり早くなく、朝はのんびりだった。当然のことだが部屋の露天風呂にゆっくり浸かり、その後は朝の連続ドラマを見て、それからゆっくりと朝食だ。朝食は昨夜と同じ場所で、和定食だったが、「ご飯のお供」的なおかずが多かったようだ。ご飯をあまりたくさん食べない妻にとってはやや不満だったようだが、私は釜で炊いた美味しいご飯で大変満足した。
 そんなわけで、価格を考えると満足とまでは言えなかった2泊目を終え、今日はまず「くじゅう夢大吊り橋」に行って、その後「宇佐神宮」「中津城」「耶馬溪」を経由して、佐賀県の嬉野温泉まで行く予定だ。一度大分方面に戻ってから佐賀県という効率の悪い走り方だが、中津城は昨年の「黒田官兵衛」の時に回れなかった場所で、
      ↓ 看板と母屋は一度に写らない


 ↑ 今年のレンタカーはラクティス

今回はどうしても外せないのだ。天気はばっちりなので、あとは時間内に回れるかということだけだ。時間が足りなかったら耶馬溪(実際は「羅漢寺」)を省略して走る予定だ。
 地図ではかなり狭い道を走る感じだったが実際はそうでもなく、早朝で車も少なかったので、途中の景色のきれいさに写真撮影などをした(遠くに見える阿蘇連山がきれいだった)にも関わらずほどなく吊り橋に到着した。周りにいる観光客は観光バスの団体で中国系の人ばかりだ。吊り橋といえば、2001年に九州を縦断したときに宮崎県の「綾町照葉大吊り橋」(高さ142m、長さ250m)に行って、かなり怖かったが今回はそれ以上の高さ173m、
 
 ↓ご飯のお供が多い朝食だが美味しかった
長さ390mだ。しかし、こちらの方が造りががっちりしている感じだし、金網状の歩行面も目が細かすぎて、怖さは綾町の吊り橋に軍配が上がる。人が多いのもそう感じる要因の一つかもしれない。しかし、綾町の吊り橋へはかなりの悪路を走らなければならないので、もう一度行こうという気にはなかなかならない。さてここでは、中国系の観光客は入れ替わり立ち替わり記念写真を撮るので、なかなか自分たちの番が回ってこなかった。揺れること  ↓この部分は厳密にはまだ吊り橋ではない
もなく、怖さがあまりなかったためにやや拍子抜けした感じで、橋を往復した後はすぐに出発した。まあ、とりあえず天気が良かったので、橋からの景色は抜群だった。その後は湯布院ICから宇佐を目指すが(湯布院は以前一度行ったので今回は省略)、今日は過密な日程なのに、高速ICまで遅い車がいてちょっとイラついた。

←橋を渡りきった、駐車場と反対側から

 ↓吊り橋に行く途中で阿蘇連山を望む
     (クリック拡大)


 実は「宇佐神宮」という名前は、今回の旅行を計画するまで聞いたことがなかったのだが、全国の八幡神社の総本山だそうで、そもそも「神宮」という名称だから格式も高い。実際行ってみると、参道も長いし、「上宮」「下宮」があるなど規模もかなり大きい。そして、やはり有名だからだろうが、けっこう人も多い。ここは参拝方法が変わっていて、「二礼四拍手一礼」となっている。そして上宮も下宮も参拝するところがそれぞれ3カ所ずつあって、みんなその3カ所でお参りしていたのでそれに倣った。広くてけっこう時間がかかったので、参拝後はちょうど昼時になった。予定通り、駐車場近くの土産物店が並んでいるところにある「ねぎ焼き」の店で軽い昼食をとる。具は「ねぎ」だけという、お好み焼きと韓国のチヂミの中間くらいの感じでなかなか美味しかった。量がわからなかったので、2人で1枚にしたのだが、1枚ずつでも良かったかもしれない。久々のラムネを飲みながら美味しくいただいた。
                上宮の南中楼門。なかなか荘厳で美しい →
  
写真上段

左 表参道から最初の鳥居。この先に大鳥居がある
中 神橋。最もオーソドックスな参拝順路にある橋
     もう1カ所同じような橋がある
右 下宮も3つに分かれている

写真中段

 左 表参道商店街にある「葱屋本舗」
        店内はとても狭い
 中 久々に飲んだラムネ
 右 ネギ焼き。ネギたっぷりで美味しい

写真左下   ガイドブック通りの中津城の写真

 さてその後は今年のメインの一つでもある「中津城」へ。昨年の大河ドラマでは関係する城だったから人も多かっただろうが、やはり今年はあまり観光客はいない。左の写真を撮ったすぐ近くに車を停めることもできた。ゆっくり見るにはこれくらいの方がいい。さて、城は復元ではあるが当時のままの石垣や、石垣からせり出すように建つ天守が珍しい。天気も良く、ガイドブックにあるような写真を撮ることができた。大きくはないが、なかなか美しい外観だ。また、海のすぐそばにあり、海や川も堀の一部として建てられたということで、天守の最上階からの景色が良かった。
 メインの一つだったとは言え、それほど見所が多いわけでもなく、それほど時間を使わずに次の目的地に向けて出発となった。昼食の「ねぎ焼き」を2人で1枚にしたため少し足りなかったのだが、中津でさっと寄れるような店もわからなかったし、これからの経路上にもないのでそのまま次の目的地に向かうことにした。
          ↓天守の最上階からの眺望。周防灘も見える(クリック拡大)
 次はガイドブックにも載っている「耶馬溪」だが、目的は五百羅漢像がある「羅漢寺」。ここも険しい山の上にあって、駐車場からリフトで登る。もちろんリフトを使わなくても登れるが、かなり大変そうな感じだ。リフトを降りてから寺は近くて疲れることなく到着したが、ここに寺を建てるのは大変だっただろうと、いつもながら感心する。岩肌に埋まるように建つ建物が何となく神秘的な雰囲気で、写真撮影はできなかったがその建物の中にある五百羅漢像も興味深いものだった。本堂の奥の方に庭園もあるということだったが、別料金だし、あまり時間もないのでパス。ほどなく寺を後にした。
 今日の最後の観光地は「一目八景」。紅葉の時がきれいだ、と羅漢寺で聞いたが、そのときは大渋滞だそうだ。今日はそんなこともなく快調に走ってすぐに到着。共同駐車場があったのでそこに車を停めたらけっこう歩く距離があった。そして到着した「展望台」は道路脇の5m程度のもので、そこから見える景色も、層雲峡など
   ↓ リフトで寺に向かう
がすぐ近くにある自分にとってはこれと言ったものでもなかった。こんなことなら歩かないで、ここまで車で来て路上駐車で良かったかも、という感じだった。そんなわけで、やや時間を無駄にした印象を持ちながら今日の宿泊地へ向かうことにする。玖珠ICから高速に入り、大分道、長崎道を通って佐賀県の嬉野温泉へ。
写真上段

左 リフトを降りて寺に向かう。「千体地蔵」が見える
中 正面に見えるのが「山門」。左端に見えるのは「千体地蔵」
右 岩にめり込むように建てられている「本堂」

写真下段

左 調べたが何なのか不明
右 降りるときも当然リフト。往復700円だ。

 今日のホテルは和風旅館という感じだが、その中でデザイナーズルームのような部屋を予約してある。部屋の中に大きな御影石の温泉が付いていて(露天ではない)、部屋との間はガラスで仕切られている。宿自体はなかなか複雑な造りで、大きな宿ではないのに部屋に行くまでに何度も曲がらなくてはならない。そして、何とここにはエレベーターがない。行動範囲は狭いから階段でも良いし、チェックイン時は運んでくれるからいいが、チェックアウトの時は大きな荷物を持って階段というのはいかがなものか、と感じた。         
 部屋の風呂以外には、男女別のいわゆる大浴場(というほど大きくはないが)の他に、貸し切り風呂が3つあって、空いていればいつでも入っていいというルールになっている。チェックイン時はまだ客が少なかったので、さっそく貸し切り風呂に行ってみた。1カ所だけ半露天風呂になっているのでそこを選んだ。2人ではいるには十分すぎる広さがあって、洗い場もしっかりしていてとても良

↓ おしゃれな部屋。奥はベッド。左側が温泉で、その温泉側から部屋を見たのが右の写真。一番奥の小上がりの意味が不明だ。

かった。お湯も柔らかい感じでゆっくりくつろげた。源泉はとても熱いそうで、部屋の温泉も含めてかなり早い時間からお湯をためて冷やしているそうだが、ちょうど良い温度だった。その後は、夕食までもう少し時間があるが、宿は探検するほ

 ↑ 写真左 半露天の貸し切り風呂       右 部屋に付いている御影石の温泉
ど広くないし、部屋の温泉に入るほど時間もない。そんなわけで時間までただボーッとくつろいだ。今日は強行軍だったからちょうど良かったかもしれない。
 食事はよくある「お食事処」だが、入り口まで行っても誰も出てこない。少し待っているとようやく係の人が出てきて案内された。それなりに人数はいたようだから、誰か一人くらいは入り口にいてほしいものだ。
 個室に入って、落ち着くがちょっと暗いのが残念だ。雰囲気を出すためなのかもしれないがもう少し明るくてもいいと思う。
 雰囲気はそれなりだが、料理の味は良かった。比較的変わったものが出たし、牛肉も3日目になると胃にもたれそう、というタイミングでしゃぶしゃぶはとても良かった。しゃぶしゃぶならもう少し食べられたのに、と思うのは贅沢か。おもしろかったのはデザートの時で、私はコーヒーを頼んだのだが、妻は「嬉野茶」(ハーブティー)を頼んだら、下の写真にあるように12種類の中から好きなものを選ぶシステムだった。
写真 それぞれ左から

上段
 前菜(印鯒煮凍り 鶏と冬瓜の餡)
 吸い物(鱧葛打ち 焼茄子)
 刺身(ヤスミ洗い)・甘エビカクテル

中段
 焼物(平目杉板焼き)
 鍋物(佐賀牛ロースの嬉野茶しゃぶしゃぶ)
      左が具材で右が鍋

下段
 嬉野産ひのひかり・味噌汁(赤出汁)
 デザートで紅茶(嬉野茶)を選ぶ
 選んだ紅茶
 コーヒーとデザート
    (白桃デニッシュのアイス添え)

最下段
 利き酒セット
   グラスの下に銘柄名の札がある
   1セット3種類で1合以上ありそうだ

 食事も堪能したが、当然のことながらお酒も飲んでいる。最初はやはり生ビール。その次は最近では芋焼酎ということが多いが、今日は「利き酒セット」というのがあったのでそれにしてみた。この手のものは小さな紙に銘柄を書いて持ってくるタイプが多いのだが、ここでは専用のトレイでグラスの下に銘柄が書かれた札が置いてある。これなら一目で何を飲んでいるのかわかって良いアイデアだと思った。それにしても日本酒はやはり効く。
 食後は少しテレビを見たりしてくつろいだ後、妻はマッサージ(エステ)に行っている間私は大浴場に行ってみて、さらにブログのアップをしてから部屋の温泉に入ってみた。上の方の写真のように、風呂に入った状態でテレビが見えるのだが、窓を開けておかないとガラスが曇って何も見えない。曇り止めの処理がされているともっと良かったかもしれない。

 
8月1日
 朝起きて、まずは部屋の温泉に入る。お湯はぬるくなっていたが、源泉が熱いのお湯を足すとすぐに適温になる。朝起きてから朝食前の温泉は、実に「旅行に来た」という感じがする。朝早くからタオルを持って大浴場に行くのも悪くはないが、部屋の大きな温泉に入るというのは最高だ。しかもここの場合、いわゆる大浴場の浴槽と、部屋の浴槽がそれほど大きさに差がないというところが満足感をアップさせた。
 初日の宿でもそうだったが、この宿でも朝食にもお品書きが付く。一度にたくさん並ばないので写真は撮らなかったが、けっこうな品数だった。
  お品書き
    ブルーベリーヨーグルト・アンチョビポテトサラダ・フルーツ
    漬け物・明太子・あご一夜干し(網で炙って)・温泉卵・温泉湯豆腐
    温泉せいろ蒸し(豚バラ肉と野菜)・ご飯・味噌汁
  ↓ こぢんまりとした宿
 さて今日の目的地は平戸。長崎県には何度か来ているがあの端っこの方に行くのは初めてだ。途中佐世保にも寄り、本当は佐世保バーガーも食べてみたかったのだがどうも時間が合わない。そのため佐世保は九十九島の展望台に行くだけにした。予定では嬉野ICから高速に入る予定だったが、やはり少し遠回りになるのでナビは波佐見有田ICを指示してきた。とりあえずおとなしくナビに従ったが、その方が正解と思うくらいの時間でICに着き、佐世保中央ICまで。海上自衛隊
の基地や米軍基地を横目に見ながら「展海峰」という展望台を目指す。ナビが指示する道は何となく怪しいし、力が入っていないのか標識もイマイチぱっとしない。それでもほぼ迷うことなく到着し、駐車場から少し登る。そしてその開けた景色に思わず息をのんだ。天気が良すぎて遠くがやや霞んでいたのが残念だが、非常に美しい景色にしばらく動くこともなく眺めていた。後ろ髪を引かれる感じだったがいつまでもここにいるわけにも行かず展海峰を後にする。佐世保バーガーに未練を残しつつ、再び佐世保中央ICまで戻り、佐々佐世保道路という将来平戸方面まで伸びるであろう高速の一部無料区間をしばらく走って一般道に出た。その後は交通量も少なく、順調に走って昼少し前に平戸の手前にある田平(今は合併している)に到着。


 ← 息をのむような九十九島の景色   ↓ パノラマにしてみた(クリック拡大)

 ここからはカトリック系の建物が多くなるが、まず最初に行ったのは「田平天主堂」それほどメジャーな教会ではないのか、観光客の姿はほとんどない。白い建物が多い印象の教会だが、ここはレンガ造りになっていてちょっと珍しい。我が家は全く信心深くないので、八幡神社の総本山である「宇佐神宮」に参拝した翌日にカトリック教会に来ても何も問題はなく、旅行に来ると、仏教でもキリスト教でも、この手のところには必ず寄る。それでもキリスト教の教会は数が少ないので、過去に行ったことがあるのは津和野の「乙女峠マリア聖堂」、長崎市の「大浦天主堂」「浦上天主堂」だけかもしれない。天草に行ったときには「天草四郎メモリアルホール」には行ったが教会には行っていない。今日はこの後あと2カ所行く予定だ。
 次は平戸大橋を挟んで反対側にある「焼罪史跡公園」。神父を火あぶりの刑にしたというのだからキリスト教弾圧の激しさを感じる。
 このあたりでそろそろお腹がすいてきたので平戸の街に入ることにする。その前に平戸大橋の撮影だ。橋の手前のドライブインのようなところからもいい写真が撮れそうだったが、わざわざ平戸公園というところまで行って、
   ↓ 田平天主堂。レンガ造りが印象的
上からの写真を撮ることにした。それほど長い橋ではないが赤い色が印象的でなかなか美しい橋だ。写真的にちょっと残念だったのは手前の林だ。すぐ眼下にあるような景色を期待していただけにちょっと残念だった。

 ← 赤い色が印象的な平戸大橋。渡ると平戸市街。
     橋の右奥が平戸湾。

  ↓ 焼罪史跡公園。世界遺産を目指している地区なので、
      整備が進められていたが、観光客はいない。


 そろそろ昼食の時間なのだが、今日は何を食べるか決めていない。調べると「ひらめ」などの海鮮系の店が多いようなのだが、今日は平戸に泊まるので夕食にはおそらくその手のものが出てくるはずだ。そこでいろいろ検索して、最初に「紐差教会」というところに行くことにして、その途中にある「シービューランチ」という店に行ってみた。海水浴場から道路を挟んですぐのところにある店だが、海水浴客というよりはごく一般の人が利用している感じだった。旅行中は「薬膳」のように必ず1回はカレーを食べることが多いが、多少の違いはあれ温泉料理が続くとカレーが欲しくなるものだ。というわけでここではカレーを食べて次の行動に移る。なかなかおしゃれな店で、カレーもそれなりに美味しかった。
                                            ポークカレーセット →
 市街地からかなり離れているが、「紐差教会」はけっこう大きな教会で内部はステンドグラスがとても美しい。調べてみると、長崎市内の浦上天主堂が原爆で倒壊して再建されるまで国内最大だったそうだ。今回の旅行まで聞いたことがなかったが、教会好きの人たちの間では有名なような感じだ。

 ← カトリック紐差教会。青空をバックにして白い建物が美しい。
   ↓ 左 太陽の陽が入って意外と明るい内部はステンドグラスが美しい。   右 教会の裏手にある十字架
 平戸ではけっこう見る予定のところが多いのであまりゆっくりはしていられない。ガイドブックを見ると生月島に渡る橋がきれいなかんじだったので、行ってみることにした。地理的にも平戸市街に戻るのにぐるっと回る感じでちょうど良い。途中「隠れキリシタンの里」とか言われる集落があるはずだったが、運転しながらでははっきり確認することはできなかったのでそのまま走ると「生月大橋」が見えてきた。平戸大橋よりはかなり長い感じだ。こういうのを見るとすぐに撮影ポイントを探すのだが、どうやら渡りきったところに道の駅があるらしいのでそのまま渡ってしまった。その道の駅の周りの公園っぽいところから写したのが右の写真だ。やはり天気が良いと何でもきれいに写る。その後はせっかく橋を渡ったからというだけの理由で、生月大魚籃観音とガスパル様というキリシタンの殉教地を見て(どちらもさほど観光に力を入れていない感じ)、市街地に戻ることにした。特にガスペル様に行く道は、本当にここでいいの        ↓ 道の駅から見る生月大橋。空の青と芝生の緑に挟まれた水色の橋が美しい
か、と思うような道で、相当気をつけて走らないとナビもしっかり指示できないようなところにあった。
 市街地に戻ってまず最初は「平戸城」に行く。物産館があるところから少し坂道を歩いていく城は復元されて50年ほどという比較的新しいもので、平戸藩ゆかりの品を展示する施設になっている。下から見ると、山の頂上にそれなりの雰囲気で建っている城で期待を抱かせるし、それなりの坂道を登っていくと、門や石垣が見えてきて、雰囲気を感じるが、いざ城の正面まで来てみると城自体は真新しい感じで大きさもそれほどではないのでやや拍子抜けだ。最上階からの景色はなかなかで平戸湾を一望できるのだが、外側の柵が高さが低いのとちょっと頼りない造りで怖い感じだった。ちなみに後で地図を見ると、来るときにもう少し手前に別の道があって、そちらの方が城に近い

             黒瀬の辻殉教地・ガスパル様 →
   ↓ 生月大魚籃観音像

 

 
ようだったが見逃してしまった。しかし、翌日帰る前にその物産館でお土産を購入することができたので良かった。他にも城の施設があったようだが、まだ行かなければならないところがあるのでここは終了して「オランダ商館」へ。夏はいつまでも明るくてたくさん行動できる。

写真 左側上段から

北虎口門。いかにも期待できそうな雰囲気が漂う。

天守直前の石垣。さらに期待が高まる。

天守より少し海側にある見奏櫓。

 

写真 右側 上段から

少し離れたところから写した平戸城。
  山の上にあってなかなかの雰囲気だ。

左側の最後の石垣を登り終えた場所。
  ちょっと拍子抜けという感じ。

 

  写真下 平戸城最上階から平戸湾を望む。

 というわけで、「平戸オランダ商館」に到着したが駐車場が見当たらない。路上に停車して案内表示を見に行くと何と駐車場はないのでちょっと離れた市民駐車場を利用してくださいとのこと。それは時間の無駄なので、先に「平戸ザビエル記念教会」に行くことにする。地図ではすぐ横にありそうなのだが、道が通じていないらしく、けっこう遠回りな感じで到着した。ここはちゃんと広い駐車場がある。ここは最初は「聖フランシスコ・ザビエル記念聖堂」と呼ばれていたそうで、最近になって今の名称になったそうだ。平戸市街に最も近いこともあって、ここまでの教会の中で一番観光客が多かった。教会と言うより西洋のお城という雰囲気の建物は白以外に薄い緑色が使われているのが特徴的だ。内部はやはり明るくて美しいが、ステンドグラスは「紐差教会」のほうが素晴らしかった。
写真右  平戸ザビエル記念教会
        左右非対称の先鋭的な建物が特徴的だ。      

左  教会の内部。光が差し込んで明るく美しい。

            下  平戸殉教者顕彰慰霊の碑
 そしてザビエル記念教会の後は「松浦史料博物館」という、平戸を治めた旧藩主の旧邸宅を利用した博物館へ。そしてその駐車場に車を置いたまま(いいと言われた)「平戸オランダ商館」に向かった。結構な距離があったが、途中に「オランダ塀」「オランダ井戸」「歴史の道」などの見所があるので退屈せず歩くことができた。その他にもたくさんの見所があるのだが、中心部以外にけっこう時間を使ったからもうそろそろチェックインの時間になっている。今日も温泉だから夕食前に汗を流したいのだ。明日もあるといえばそうなのだが、明日は別のところに行く予定なので、平戸観光はこれで終了だ。

 ← オランダ塀。城の城壁のようでもある。
 写真下  左  「歴史の道」から「松浦史料博物館」に向かう階段。   中  松浦史料博物館。普通の家のようだ。
        右  平戸オランダ商館。オランダとの貿易に関する史料がたくさん。

 今日泊まるのは「旗松亭」という大きな温泉ホテルだ。急な坂に建てられていて、フロントが4階ということになっているし、建て増ししたのだろうが大きく3つくらいの建物に分かれている。ほとんどの部屋が平戸湾側で海と城を見ることができるようだ。今日は平戸湾で花火大会があり、「花火が見える部屋」というプランだ。今回の旅行の中ではランク的にはやや低い感じだが、平戸にはいわゆる高級旅館がないようで、その中では一応いい方のようだ。
 部屋に入ってすぐ、夕食前の温泉に浸かることにした。部屋があるのは確か「本館」でその他に「浪漫亭」「やわらぎ荘」という風に分かれていたのだが、本館にはいわゆる大浴場はなく、海側の建物に露天風呂がある。夕食前はそちらに行ったがあまり広くないうえにとても混んでいた。立ち上がると海も城も見えるが、お湯に浸かると何も見えないのが残念だった。
                            ↓ 部屋からの景色。左奥に平戸大橋。右側に平戸城。 部屋はそれなりだが大きな窓で眺望は良い ↑
 夕食は個室の食事処ではなく、「美湾」という広い和風レストランのようなところだった。窓側の席でなかったのが残念だったが、それでもこんでいない限り離れて座るような配慮がされていて、横や後ろなどには他の客はいなかったのでそれなりに落ち着いて食事ができた。質的にどうかと言われるとなんとも言えないが、悪くないレベルだ(もちろんプランが違えば料理も違うだろう)。ここはお品書きがなくて、何を食べているのかわからなかったのが残念だった。

← このような状態でセットしてあった。    ↑ 左  ひらめの薄造り    右 平戸牛の陶板焼き
  写真下  出された数々の料理。お品書きがなかったので詳しいことが不明だ。(聞いたが忘れた)
     
     
 食後はとりあえず部屋で少し休む。今日は花火大会があって部屋から見ることができるので、それが終わってから大浴場だ。花火はけっこう目の前で上がるという感じでなかなか良かったが、下の方でやる仕掛け花火が見えなかった。もう1階上だったら見えたのに、とちょっと残念だった。規模的には全く見えなかった別府の方が大きかったようだが、部屋でゆっくり見ることができて良かった。また、部屋からは海だけでなく城も見えて、夜はライトアップされていてきれいだった。
 その後は大浴場に行って、特にすることもないので早めの就寝となった。


8月2日
 今日は朝すぐに平戸を出て、有田焼の買い物をして、それからNHKの朝ドラ「花子とアン」ゆかりの「伊藤伝右衛門邸」を見に行く。そして最終宿泊地の博多だ。途中佐世保を通るのだが、やはり時間的に佐世保バーガーは無理なようだ。
 まずは起きてから朝の温泉へ。今年の旅行は贅沢して毎日温泉だったが、今日の夜はシティホテルだから、これが最後の温泉だ。昨日の夜も行ったが、本館から通路を通って別棟のエレベーターで最上階まで上る大浴場は部屋からと同じような景色を見ることができる。部屋からは高さの関係でホテル自体の建物がちょっと邪魔だったが、風呂からはそれはない。
 朝食はバイキングで、可もなく不可もなくという感じだ。そんなわけで食後は比較的すぐにチェックアウト。そして、昨日見ておいた平戸城下の物産館でお土産を購入。「爽夏」という柑橘系の濃縮ジュースを数本、そして「あご

  ↓ 大きなホテルで遠くから出ないと全景がわからない
出汁」などを買った。帰ってきてからジュースを飲んだが非常に美味しく、今はお取り寄せを検討中だ。この物産館が朝早くから開いていて助かった。開いていなければ、それまで観光して時間をつぶすつもりだったが、その後の行動に影響が出てしまう。今日もけっこう移動距離があるのだ。
 そんなわけで、その後はまっすぐ有田へ。5年前にこっちの方に来たときに「有田焼卸団地」というところで、気に入った「カレー皿」があり、今回はそのシリーズ「シチュー皿」を買う予定だ。買うものは決まっているので、あとはデザインを選ぶだけ。しかし、この卸団地にはたくさんの店があり、どの店にも全てのデザインがそろっているというわけではない。だから結局ほとんどの店を回って、けっこう時間を使った。
 さて、そうこうしているうちに早くも昼時になった。今日の昼は波佐見というところにある農園レストランのような店の予定だ。ナビにセットして迷うことなく着いた。地元産の食材を使ったセット料理が人気のようだが、もう一つの人気であるピザを注文。最近ちゃんとした店でピザを食べていないので楽しみにしていた。それにしても、何もないようなところにある店なのにとても混んでいる。観光客もいるようだが地元の人もたくさんいる感じだ。
 ↑↓ ピザと飲み物。美味しかった。
 ちなみに、ここは「陶農レストラン」ということになっていて、焼き物の産地だけあって器も有田焼の流れの「波佐見焼」というものだ。アイスコーヒーやジンジャーエールにもそういう器が使われている。それはともかく、できあがったピザは期待通りに美味しかった。2人で1枚はやや少ないが1枚ずつでは多い。まあいいだろう。
 食後はこの波佐見焼を少し見てまわって、今年の旅行5県目の福岡県をめざす。

 ← ミナミ田園 陶農レストラン「清旬の郷」の入り口。
     手前の、外に面したところにある窯でピザを焼いている。

 さて、目的地は九州の石炭王の旧邸宅だ。朝ドラで有名になって多くの観光客が訪れているらしい。鳥栖ICで高速を出て、飯塚市へ。駐車場はちょっと離れていたので暑い中歩くことになった。実はこの日のこの時間帯の飯塚市は35度以上あって、2日目の豊後竹田に引き続き非常に暑い日だった。そして、その旧邸宅に着いてみると確かに多くの観光客が
いる。それよりも想像をはるかに超えた邸宅の大きさだ。特に、建物よりも庭園にびっくりした。とても個人の持ち物とは思えないレベルだ。北海道にも「にしん御殿」という、その世界で財をなした人たちの邸宅があるがそのような比ではない。とにかく驚いた。

写真右  旧伊藤伝右衛門邸の門

写真下  左 庭園から邸宅を見る
        右 白蓮の部屋から見る庭園

 これで今日の観光は終了だ。このあとは博多に向かい、ホテルにチェックインして博多の夜を楽しむ。博多駅ビルの中に餃子の「テムジン」ができたようなので、しばらくぶりに行ってみる予定だ。博多まではそれほど混むこともなく順調に到着。明日は博多中心部を見るので車は今日返してしまう。というわけで最初にレンタカー営業所へ。以前も行ったことのある営業所だ。すんなり着いて、車を傷つけた分の支払い手続きをして返却完了。目の前の駅ビルを突っ切ると、すぐにホ
テルがあった。今日は今年の旅行で唯一の温泉でないホテルだ。けっこう広くて快適だ。とはいえ、旅行最後の夜を部屋でごろごろというわけにはいかないので、荷物を置いて少しだけ休んで一段落したらすぐに出かける。 博多駅ビルは4年くらい前に新しくなって「JR博多シティ」という名称で多くの部分に分かれている。商業スペースの面積は国内の駅ビルとしては全国最大だそうだ。複雑で全てが単純に行き来できるわけでもなさそうだ。このビルの中の「くうてん」というレストラン街にお目当ての「テムジン」があるのだが、まだ夕食にはちょっと早いので屋上の「つばめの杜ひろば」というところに行ってみた。何となく不思議な空間で、ちょっとした飲食コーナーもあるが基本的にのんびりするスペースのようだ。「鉄道神社」というのがあって鳥居もある。その中でも博多市街地を見渡せる展望が良い場所があって、たくさんの人が休んでいた。そこで少し休んだ後、今度は阪急デパート側の地下に行ってお土産などを物色したがそういう場所ではないようだった。
  ↑ ホテルの部屋。けっこう広い
  ↓ 新しくなった博多駅ビル。奥行きもかなりある
 そんなことをして時間をつぶしているうちに夕食時になったのでテムジンの場所に行ってみるとちょっと並んでいた。しかし、今から店を探す気にもならないのでそのまま並んでいると、以外と早く座ることができた。繁華街ではなく駅ビルということもあって客の回転は早いようだ。

 ← テムジンの焼き餃子・ピリ辛水餃子・大手羽先
 最近は少し食が細くなって、何軒も食べ歩くことができない。今日も小さいとはいえかなりの数の餃子を食べてお腹いっぱいになったのでそのままホテルに帰ることにした(ただし、さきほどの阪急地下に行って妻のデザートのケーキを買って帰った)。そして、私は少し休んでから一人で再び駅ビルに向かい、博多デイトスにある「博多めん街道」ラーメンを食べた。明日も食べるが、せっかく博多に来たのに博多ラーメンを1杯というのは寂しいのだ。もう少しこってりしていなかったかなあ、などと思いながらも満足してホテルに帰り就寝。いよいよあと1日だ。
 ← 左 駅ビル屋上にある鉄道神社   右 九州7県をモチーフにしたレリーフ

  ↓ 「博多めん街道」にある二葉亭という店。シンプルな博多ラーメンだ。



8月3日
 いよいよ今年も帰る日だ。車は昨日返却済みなので、今日はまず空港に行って大きな荷物を預けてしまう。そして身軽になって、福岡城跡に行く予定だ。3日目に行った「中津城」と今日の「福岡城」はどちらも昨年の大河ドラマの黒田官兵衛にちなんだ場所で、昨年行けなかった場所だ。博多には
  ↓ ホテルの入り口。全景を撮ることができなかった。
かれこれ5〜6回は来ているのにいつも天神とか中州がほとんどで、それ以外には福岡タワーと太宰府くらいしか行っていない。
 朝食会場はとても混んでいて、狭い場所で食べたのであまり落ち着かなかったが、明太子をたっぷり食べることができてとりあえず満足した。
 ← たくさんは食べないから明太子だけで十分
 食後は朝ドラを見てからチェックアウト。そのまま地下鉄で福岡空港まで直行し、すぐに大きな荷物2つを預けた。ここの空港は街のど真ん中にあって、博多駅から地下鉄で2駅という近さだ。そして再び地下鉄で予定通り福岡城跡へ。そしてこの時に「1日乗車券」の存在を知り愕然とする。今からでは元が取れないが最初から買っていればお得だったのだ。まあ、それはそうと、「大濠公園」と「赤坂」のどちらで降りたらいいのかわからなくて、とりあえず大濠公園まで行ってみた。歩く距離はさほどでもなく、城らしい門や櫓もあって良かったのだが、表門は赤坂側からの方が良かったようだ。今日も午前中だというのに暑かったが、天守台からは博多市街がパノラマ状に見えて、とても良い景色だった。今でもこんなに見晴らしが良いのだから、城があった頃はどこまで見えたのだろうか。
 ↑ 下之橋御門と(伝)潮見櫓                    ↑ 天守台への登り口                        ↑ 天守台を降りて裏側から戻るところ
    ↓ 天守台から博多市街を見渡す。左端の方に福岡タワーと福岡ドームが見える。中央が天神から博多駅方面。右端の方はどこかわからない。
 これで本当に観光は全て終了。この後は博多駅へ行き、昨日も行った「博多麺街道」でラーメンを食べ、少しお土産を買って、ゆっくり空港に行く、という流れだ。博多駅に着いてさっそく博多デイトスへ。昨日も来たはずなのに違う場所から来たのか、昨夜見なかったものに遭遇した。下の右から2番目の写真のように、5段くらいしかないエスカレーターがあったのだ。長ーいエスカレーターは話題になるが、こんなに短いエスカレーターは初めてだ。ちなみに、この先少し歩くと1フロアーに足りない分くらいのエスカレーターがある。なんともおもしろい。この博多麺街道には博多ラーメンの店が6軒と鹿児島ラーメンの店1軒、そして、そば・うどん・やきそば・中華の麺の店が各1軒ずつある。個人的には全部博多ラーメンの店にして欲しかった。それにしても最近は大都市の駅(または駅付近)には必ずこういう施設がある。

5段くらいしかない珍しいエスカレーターと「博多麺街道」入り口の看板 →

 ↓ 「ShinShin」という名前の店と、基本のラーメン
      昨夜もそうだが、デフォルトでは載っていない紅しょうがは必需品だと思う。
 空港でも少しお土産を買おうと思っていたが、思ったよりも店が少ない。福岡空港なら九州全部のお土産があると思っていたのだが…。やはり平戸で買ってきて正解だった。飛行機は15時発で夕食には早い。やや時間をもてあまし気味だったが定刻出発の飛行機で九州を後にする。来るときは羽田−大分がクラスJだったが、帰りの福岡−羽田は普通席しか
なかった。そのかわり最後の旭川便はクラスJだ。羽田空港までずっと天気が良く、窓側の席だったのでずっと外を見ていると、機内アナウンスで「富士山が見えます」とのこと。一生懸命探したのだがなかなか見つけることができず、ほぼ諦めかけたときに翼の下に雲の中に山頂を突き出している姿を発見した。それまでは下の方を見過ぎていたのだ。普通の山はその角度に見えるもので、改めて富士山の高さを実感した。そしてこの富士山は羽田空港に到着するまでずっと見え続けていた。というか、実は旭川便に乗ってからも少しの間は見ることができたのだ。富士山は偉大だ。

普通の山よりもはるかに高いところに頭を出す富士山。この角度のまま羽田空港に着いた。 →
 
 

 ↓ 出発ゲートの近くでみそラーメンと野菜カレー
 夕食は羽田空港でカレーを食べる計画で、店も大体決めていたのだが、乗り継ぎの時間が1時間くらいしかなく、もう一度保安検査を通過するのはちょっと慌ただしいので、そのまま出発ロビーの中で済ますことにした。だからあまり期待はできないが、出発ゲートの近くに「BAY SIDE CAFE」というそれなりの店があったのでそこに入る。妻は予定通り野菜カレーを注文したが、私はつい誘惑に負けて期待できないとわかっていながらみそラーメンを注文してしまった。しかしこのみそラーメン、さすがに専門店並みとはいかないが、それなりに美味しく食べることができた(インスタントっぽいとも言えるが、それだけインスタントのレベルが上がっているのだろう)。これで今年の旅行中のラーメンは4杯ということで過去最高かも知れない。
 これほど晴天が続いた夏の旅行は初めてかも知れない。毎日とても暑かったが、きれいな写真を撮ることもできたし、「思いっきり夏を満喫」することができた。来年は大河ドラマの関係で長野・群馬あたりがメインになりそうだ。富岡製糸場もプランに入れよう。


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