2011年
    
7月31日(日)〜8月4日(木)   4泊5日

  滋賀県(彦根キャッスルホテル)
  滋賀県(長浜ロイヤルホテル)
  岐阜県(今宵天空に遊ぶ しょうげつ)
  愛知県(名古屋ヒルトンホテル)


 

 レンタカー
    dB(トヨタ)

  走行距離
    1日目 128km
    2日目  50km
    3日目 318km
    4日目 153km
    5日目  54km

                  
       合計 703km

 
7月31日
 毎年仕事の都合で出発日を変更するため決まった日というのはないのだが、今年は数年ぶりに7月出発となった。メインの目的地は一応大河ドラマの「江」に合わせて滋賀県だ。大阪に飛んでも名古屋に飛んでも良かったのだが、時間的にちょうど良い便ということで中部空港着となった。出発は千歳空港で、いったん消滅していた「ラーメン道場」で早めの昼食という予定だったのだが、夏休み中の日曜日午前中ということもあり、千歳空港の混

  ↓ 「ラーメン道場」出店の森町の「次郎長」。道南だが、売りはみそラーメン
雑は異常で、手荷物検査の列が50m近くになっていた。一時はラーメンを諦めたが、思ったよりも流れが速くて無事に食べることができた。今回の旅行ではこれが最初で最後のラーメンとなった。
 ちなみに、今年は初めて「おともdeマイル割引」というのを利用することができた。今まではこの夏の旅行の時期には対象路線がなかったのだが、今回はちょうど良く該当路線だったのだ。おかげで、新千歳−中部国際往復2人で30600円だった。
 千歳出発は15分くらい遅れたが、中部空港到着はほぼ定刻(少し早かった)で、すぐにレンタカーの手続きをするが、このときになってETCカードを忘れてきたことに気づいた。今さら遅いし致命的なミスではないが、この後何度も通行券を取ったり、毎回現金で支払ったりという作業が久しぶりでとても面倒だった。

 ↑ 関ヶ原古戦場の碑  左から決戦の地、石田三成の陣、徳川家康の陣
 今日の宿泊地は彦根で、彦根城の目の前のホテルだから今日のうちに城を見てしまう予定だが、それにしても時間があるので途中で関ヶ原に寄ることにした。大河ドラマではまだその時代までいっていないが、まもなく関ヶ原の戦いになるだろうからちょうど良いし、一度は見ておきたい場所だった。しかし、東軍と西軍がこの場所に集結して戦っただけで、城を建てたわけでもないから何が残っているということもない。それでも「ここで歴史が変わったんだなあ」という気持ちにはなる。
 歴史民俗資料館にも行ったが、他には特に何もなさそうなので、すぐに彦根に向かって、ホテルにチェックインしたのは4時
半過ぎだった。少し荷物を整理して彦根城に向かったが、目の前にあるといっても歩くと5分以上かかる。入場券の売り場に着いたのは5時3分前で、券売時間終了の3分前だった。幸い5時半までは入ることができるということなのでさっそく城の内部へ、とはいえ天守の入口までは結構な上り坂で汗をかいた。
 あまり大きな城ではないが、復元ではなく昔のままの状態であり国宝に指定されている。旅行の時に「そこに城があれば行く」という感じで結構たくさんの城に行っているが、4つしかないという国宝の城はこれで3カ所目だ(過去に行ったのは姫路城と松本城)。天井が低かったり、階段が急だったりしてとても趣がある。今回の旅行では最終日に残り一つの国宝「犬山城」にも行く予定だ。
 入場券には「玄宮園」という庭の観覧券も付いているのだが、時間的に今日はもう行くことができない。明日はいろいろと時間に制約がある日なので残念だが諦めなければならなそうだ。天気が良ければ庭は美しいが、それほどでもないのでまあ仕方がない。ただ、入場券の写真を見ると、この庭から城を見た景色が美しそうだったのがやはり残念だ。
 そんなわけで、券売所まで戻ってきたのは5時半過ぎ。今日は4番街スクエアというところにある店を6時半に予約してあるので、途中にある「夢京橋キャッスルロード」というところを観光すればちょうど
 
     ↓ 国宝に指定されている彦根城の天守


 ↑ 城の外堀にかかる夢京橋
良いだろう、と思っていたのだが、予想に反して飲食店が多くお土産屋などはほとんどない。しかも地図で見た感じよりもはるかに短い通りで、あっという間に目的地に着いてしまった。予約した店が入っている建物の1階にあったお土産屋のようなところで少し買い物をしたりして時間をつぶして、予約の15分くらい前に店に行った。「とうりん」という豆腐料理の店だったのだが、店内も上品だったし、京都に近いせいか豆腐料理はどれも美味しいものばかりが出てきた。特に、小さな土鍋のような器で火を通してまさしくできたての豆腐を食べる、というメニューがあったのだが大変美味しかった。また、豆腐専門だけあって「湯葉」が美味しかった。サラダの上に湯葉をカリッと炙ったものが載っていたのは新食感だった。観光
客らしい他のお客さんはコース料理を頼んでいたが、ご飯とか味噌汁などはいらないので、単品でいろいろ頼み、どれも満足できるものだった。旅行初日から幸先がいい。欲を言えばもう少しお酒(芋焼酎)の種類が多ければもっと良かったのだが…
 ホテルに帰る途中にコンビニに寄って、部屋で飲むお酒を買うつもりだったが、店の人もそういう店はないようなことを言っていたし、やや遠回りをしたにもかかわらずそれらしき店がないので、仕方なくまっすぐ戻って寝ることにした。今日はお酒は控え目だ。

 ↓ 左から汲み湯葉刺身、飛龍頭炊き合わせ、パリパリ豆腐サラダ、出来たて豆腐。
    この他に数品食べたがどれも美味だった。

 
8月1日
 ホテルは「お城側」という部屋の設定だが、外堀が目の前であるものの天守はけっこう遠くて小さくしか見えない。しかし、静かな割に商店街なども遠くなく、悪くはない。今回は一応メインの「江」に関する施設の入場券付きプランだ。
 朝食はバイキングではなく、事前に選んでおいた和食・洋食のどちらか。これから色んなものを食べなければならないので今日は洋食にしておいた。和食にするとついつい食べ過ぎるのだ。
 昨日行けなかった彦根城博物館に、できることなら朝食前の散歩がてら行きたかったのだが、開館が8時半なので早めの朝食をとってから行くことにする。城の券売所の横にあるから歩いても近いのだ
 
が、往復の時間がもったいないので、チェックアウトしてそのまま行動できるようにした。行く途中で登校中の高校生をけっこう見かけたのだが、城の外堀の中に高校があるのだ。しかもその高校の敷地内のような所に「家老の屋敷跡」があったりする。今までの旅行でもそういうことがあったし、土地も狭いのだろうが、北海道とは歴史が違うな、と感心する。
 博物館は「表御殿」という殿様が普段生活していた建物を復元したものらしいが、かなりの部分が復元されていて、特に「奥向き」という部分は木造でしっかり復元されていた。思ったよりもはるかに見応えがあってけっこう時間がかかった。

←彦根城博物館の「表向き」にある「能舞台」。「奥向き」は写真の奥の方にある
 滞在時間が短く「ひこにゃん」を見られなかったのはやや心残りだが、今日は船に乗る予定があるため時間に制約がある。今日が今回の旅行のメインである「大河ドラマ」関係だ。さっそく彦根ICから長浜に向かい、まずは「浅井・江のドラマ館」に向かう。よくある大河ドラマ展だが規模はさほど大きくなくすぐに見終わってしまった。引き続き「小谷・江のふるさと館」に行ったのだが、田んぼの真ん中にあるような所で会場にあまり近くないにもかかわらず駐車場が有料だったのが不満だった。ここからバスで小谷城跡に行けるのだが(マイカーは規制されていてバスでなければ行けない)、城跡といっても天守などがあるわけでもなく、時間に制約があるため省略
 ↑ 冷やし鯖そうめん  ↓ 鯖そうめん

 ↑ すき焼きのような具が入った「牛まん」。450円は少し高い?
することにした。3つめの会場は市街地中心部にあるので、昼食前に見てしまうことにした。「長浜黒壁歴史ドラマ50作館」という過去の大河ドラマで滋賀県に関係あるものを集めた感じのものだった。ここを出た
ときに向かい側にあった「曳山博物館」に行かなかったのだが、後から行った長浜城歴史博物館」と入館券が共通だったので悔しい思いをした。昼食は「焼き鯖そうめん」が売りの店を予定していたのだが、運悪く今日が定休日だった。一応店の前まで行ってみたがやはりダメで、近くを歩いて「鯖そうめん」と書かれていた店に入った。「冷やし鯖そうめん」は美味しかったが、予定の店の方が何となく美味しそうでかえすがえすも残念。まあそんなことは言っても仕方がないので、車に戻る途中で「牛まん」を食べて、まだ少し時間があるので長浜港近くの長浜城へ向かう。

 ↑ 長浜城歴史博物館。外観は悪くない

 ここは大阪城のように鉄筋コンクリートで復元された城で、外観は国宝の「彦根城」よりも大きい感じで悪くはないが内部に趣はない。しかし、「長浜城歴史博物館」という名前で、あくまでも博物館なのだから仕方がないだろう。趣はない代わりに展示物はそれなりに見応えがあって楽しめた。入館料が700円、とやや高いと感じたが、これは先に書いた「曳山博物館」と共通だから仕方がない。
 今日はこの後「竹生島」に行くため長浜港に向かう。この長浜城と今日泊まるホテルと長浜港はすぐそばにあって、はじめはホテルに早めにチェックインして船に乗ろうと思っていたが、船の乗り場付近にも駐車場があるようなのでまっすぐ行ってみると、乗り場のすぐ横に乗船者専用の駐車場があった。時間が少し早かったので、すぐ目の前にある別のホテルの1階にある喫茶店でアイスコーヒーを飲んで時間をつぶし、いよいよ今日のメインである「竹生島」へ。

 船では前方の座席を取らなければ、と思って先頭に並んでいたのだが、乗船者がとても少なく、不要な心配であった。今日の最後の便だからもっと乗るかと思っていたので拍子抜けだ。あまり人気がない所なのかと少し心配にもなったが、到着してみると港には大勢の人がいた。この船が折り返し長浜に戻るのだが、この前の便で来た人がたくさんいるのだろう。
 竹生島は、島に滞在する時間を含めて2時間かかり、当初は日程上無理と考えていたが、今年の大河ドラマに登場する浅井家、織田信長、豊臣秀吉などが厚く信仰してきたと言われているこの島に行かないわけにはいかないということで、旅行の半月くらい前に宿泊地を変更して組んだのだ。午前中の大河ドラマ展がイマイチだったこともあり期待は高まるばかりだ。

 ↑ 琵琶湖汽船で竹生島へ  ↓ 着いてすぐの階段


 ↓ ここで3分の1くらい。次の鳥居から宝厳寺

↑ 宝厳寺本堂    ↓ 弁天様の幸せ願いダルマ
 島に到着する少し前になって、船内放送で「到着するとすぐに165段の階段があります」という案内があった。これまでに786段の金比羅さんや千段以上の山寺に行っているし、それに比べれば…、と思っていたのだがここは傾斜が非常にきつい。下りは怖いくらいである。入島料400円を払ってまっすぐ「宝厳寺本堂」まで上った。そこで「弁天様の幸せ願いダルマ」を奉納し(小さなダルマが山のように奉納されていて凄かった)、宝物殿、三重の塔の前を通って、今度は怖いくらいのとても急な階段で一気に下る。着いたところには国宝「唐門」がある。その門をくぐってまもなく重要文化財の「船廊下」があり、そこを過ぎるとまたしても国宝の「都久夫須麻神社本殿」だ。向かい側にある「拝殿」から海側を見ると鳥居があるのだが、そこに向かってこの拝殿には、素焼きの小皿に願いを書き岩場
に立つ鳥居に向かって投げる「かわらけ投げ」というものがある。鳥居をくぐれば願い事が叶うといわれていてやってみた。一人2枚ずつ投げるのが標準で、結局1枚だけ鳥居をくぐった。何かいいことがあるだろうか。急いで回りすぎたのかその後は少し時間を余したので、港近くの店でかき氷を食べて休んだ。いつも夏の旅行中に一度はかき氷を食べる。今日もこの島に来る頃から暑くなったのでとても美味しかった。
 城はまだ理解できるとして、神社や寺をどうしてあんな場所に建てなければならないのだろうと思うことが実に多い。信仰と修行は一体だからだろうか。
 
↓ 左から、本殿から下る急な階段、三重の塔、豊臣秀頼の命により京都東山の豊国廟に建っていた『極楽門』を移築した「唐門」、願いを書いて奉納したダルマ

↓ 左から、豊臣秀吉の御座船日本丸を利用して作られたと言われる「船廊下」、国宝「都久夫須麻神社本殿」、小皿を投げる鳥居
 長浜港に戻ってきてホテルにチェックイン。実は今日のホテルは「北琵琶湖大花火大会船上鑑賞プラン」というもので、夕食後ホテルが借り上げた船に乗って彦根港方面まで行き、船の中から花火大会を見るというものだ。温泉ホテルだが集合時間の関係で食事前に温泉というわけには行かない感じだ。仕方なく売店でお土産などを買って夕食に向かった。夕食はバイキングで、内容的にはそれなりのものだった。宿泊しなくても夕食バイキングと花火鑑賞がセットになったプランも発売しているようだ。集合してみるとかなりの申込みがあるようだ。これで良い場所を
 ↓ 夕食バイキング。トレイが独特だ。
取れなかったら何もならないということで、長浜港(今日2回目だ)までの道のりは先頭で行き、結構前の方に並んで2階のデッキ部分を陣取った。1万発という花火大会は素晴らしく、帰ってきてもしばらく余韻に浸ることができた。しかし、ホテルに戻ったのは9時半近くで、温泉に浸かりビールを飲んだらもう寝る時間になった。今日はなかなか充実した1日 花火大会動画その1 クリックして下さい
    船上から見る花火大会
花火大会動画その2 クリックして下さい
であった。ところで、大浴場から出たところに、生ビールサーバー自動販売機なるものがあった。本格的に生ビールなのに売店の缶ビールより安いかもしれない。もっと早く知るべきだった。あれはどこの温泉地にも設置してもらいたいものだ。

               デジカメで撮影した花火大会の動画2種類(画像をクリック)

 

 
 
8月2日
 今日の宿泊地は「下呂温泉」だ。毎年1泊は贅沢に、という計画を組んでいるが、今年はこの琵琶湖周辺で気に入った宿がなかったのである。良いところがないというわけではないが、いくら贅沢にといっても予算には限度がある。当初は岐阜にも止まる計画だったため、下呂温泉くらいなら行けるんじゃないか、ということで探した宿だ。そのご旅行の行程が変わり、岐阜には泊まらないことになったがここはそのまま残ってしまった。そんなわけでまたしても時間的な制約があるが、この周辺を昼過ぎまで観光して、一気に高速で下呂温泉まで行く予定だ。
 最初の予定地は「賤ヶ岳合戦跡地」長浜からはそれほど遠くなくほどなく到着。リフトに乗って山頂に向かうのだが、リフトを降りてか
 ↓ 賤ヶ岳山頂にある石碑  右は七本槍の碑
らもけっこうな上り坂だった。こういうときは暑くならなくてもいいのだが、リフトを降りたあたりから陽が照って汗だくになった。それにしてもリフトはけっこう傾斜がきつく、時々蛇行している登山道と交差したが、あんなところを大勢で登って戦おう、というところがすごい。上まで登った段階でヘトヘトで戦いどころではなかったのではないだろうか、と思ってしまう。  ↓ 誰というわけではない兵の像
 さて、次は今日の宿泊地に対して反対に行く形になるが、信長好きとしてはここまで来て「安土」に行かないわけにはいかない。というわけで、安土城天守閣の5・6階部分が原寸大に復元されている「信長の館」へ。これは、スペイン・セビリア万国博覧会(1992年)の日本館のメイン展示だったそうで、それを安土町が譲り受けて、さらに忠実に復元したものだそうだ。入館するといきなり中央に朱塗りの5階部分が現れ、その内部のきらびやかさもあっ

 ↑ 天守5階部分。天界のイメージだとか
て視線が上に行かない。しばらくして上を見上げるとこの時初めてその上に金色の6階部分があることに気づく。壁側の階段で上がって近くまで行け、その内部もまた緻密だ。全体の写真を撮りたかったのだが、建物の大きさに対して展示物である天守が大きすぎるため、最も遠いところからでも全体を収めることはできなかったのが残念だった。
 ここから車で5分程度の所には「安土城郭資料館」という施設があって、20分の1スケールの安土城全体が再現されているようだが、あま


↑ 10万枚の金箔を使った外壁の天守6階部分

り時間がないし、大きなものを見てから小さなものを見ても感動しないだろうということで、ここだけでよしとする。
 次は近江八幡だ。商人の町ということであまり興味はないのだが、八幡公園に「豊臣秀次の像」があるとのことなので、行ってみようかと思ったのだ。しかし、まずはその前に昼食だ。当初の計画にあった店は直前の調べで今日
が定休日だとわかったので(どうも定休日に泣かされる)もう1軒の候補にした。「あきんどの里」という昔風の建物をいくつか集めた観光スポット(人はいなかったが)にある「千里庵」という店で「近江牛カレー」を食べた。おそらく今日の夕食に「飛騨牛」が出るだろうからステーキはやめにしたのだ。
 食後は八幡公園を目指して走ったのだが、どうやら「秀次像」がある八幡城址はロープウェイを登ったところにあるようで、登り口には駐車場がないし、別な乗り物に乗ると時間の制約もあるので、ここでは八幡宮

 ↑ 千里庵。反対側にも入口がある。近江牛カレーはなかなかだった。
の駐車場に車を置いて「かわらミュージアム」を見るだけにする。近江八幡と瓦は全く結びついていなかったのだが(下調べもゼロだ)、瓦工場がたくさん並んでいたところと聞いて納得した。ミュージアムは思ったよりは楽しめた。
 その後車に戻るときに八幡宮の隣にある「たねや」という店で「つぶら餅」というものを食べる。長浜や彦根にもあったがこのあたりの名物なのだろうか。たこ焼きの鉄板のような機械で揺らしながら大量に焼いていた。あれならあんこ餅をたこ焼き器でうまくやれば作れるかもしれない、と思いながら食べたが、甘さ控え目でなかなか美味しかった。
 その後は高速で一気に下呂温泉を目指す。ナビは一宮JCTから東海北陸自動車道で郡上八幡からのルートを選んできたが、明日そのルートを走ろうと思っていたので、今日はまっすぐ東名高速に入って中津川ICから向かうことにする。今日は今回の旅行で一番お金をかけるホテルなので、なるべく早く着いてできるだけ遅くまでいる、という計画だ。ナビの到着予想は5時15分くらいだったが、4時半少し前に着いた(いつもナビより早く着く)。

 ↑ 部屋から見える下呂温泉街の景色。窓に近づかなくてもこの景色が見える
 今回のホテルは「初めての方限定プラン」とかで、普通より少し安い。ワンフロアに3部屋しかないという設定で、その中で一番いい中央の部屋(和洋室で眺めを売りにする部屋の中でも一番大きな窓がある部屋だ)に泊まることができた。壁が全部窓と言えるような部屋で景色は素晴らしかった。露天風呂付きの部屋ではなく、風呂は洗面の方にあったが、露天でなくてもいいからこの窓のそばに風呂を作れば良かったのに、と思った。
 ちなみに、部屋もその他の設備も満足できるものだったが、チェックイン時にとても時間がかかってしまったのが非常に残念だ。こういうホテルでよくあるパターンの、座ってお茶やお菓子をいただきながら待つというのは良いが時間がかかりすぎだ。

 ↑ いわゆるリビング?下の和室の隣
 部屋に案内されて、仲居さんの話では今日は温泉街の祭りで花火大会もあるそうだ。この部屋からも見えるらしい。昨日立派な花火大会を見たので今日は見なくても良いといえばそれまでだが、せっかく部屋から見えるのだから見なくてはということで、プランに付いていた貸切露天風呂の時間を前倒ししてもらい、夕食後まもなく露天風呂に浸かった後、部屋でゆっくりと花火を見たのだが、やはり昨日の今日ということもあるし、音が聞こえないということであまり感動はなかった。その後温泉祭りの案内などを見ると、祭りは明日までで、明日の夜が花火も本番、今日は15分程度だったが明日は1時間近いようだ。しかも今いる部屋の目の前が打ち上げ場所だ。ちょっと残念な気持ちになった。
 夕食前にはこのホテルの本館(こちら側からは自由に行けるが、途中に鍵があるドアがあって、本館側から入るにはこちらの部屋の鍵が必要)の探索に行って、その後大浴場で汗を流した。そんなに巨大な風呂ではないが、こちら側に泊まっている人数を考えれば適当な大きさだ。露天風呂もなかなか良かったが、内湯の壁一面がカーディーラーのショーウィンドウのような大きなガラスになっていて、露天風呂のような開放感だった。泉質は北海道の温根湯にある「つるつる温泉」(正式な名称は塩別温泉だが)と似ていて、無色透明でとても肌がツルツルする感じだ。

  ↓ 左から大浴場の内湯、露天風呂、貸切露天風呂(いくつかあるうちのひとつ…けっこう大きい)

 温泉に浸かって、少しゆっくりしたところで食事処に行って夕食だ。雰囲気のある石畳を歩いて個室へ案内される。最近はこういう個室で食べさせる宿が増えてきている。部屋食よりも作りたてを味わえるし、飲み物を注文しても対応が早いから良い傾向だ。ここは1階で、いわゆるフロントにあたる入口の階は2階だ。翌朝外に出てみてわかったのだが、玄関に入る前に下に見えた庭が今横に見えている庭だった。
 いつも1杯目は生ビールだが、ここでは下呂温泉の地ビールがあったのでそれを飲んでみた。なかなか美味しい方だと思うが、やはり地元旭川の「大雪地ビール」のレベルは高い、と改めて感じた。

 ↑左 エレベーターが開くといきなりこの場所。  右 地ビール
 席に着くと、最初から先付の部類が並べられていたが、食前酒が大震災復興支援ということで宮城県の「一ノ蔵」という地酒であった。その後ワインを飲みながらコース料理を楽しんだが、どれもなかなか美味しかった。予想通り鮎の塩焼きも出たし、少ない量ではあったがA5ランクの飛騨牛サーロインも出たし、とりあえず満足。


↑ 夕食    上段左から  先付(雲丹豆腐・車海老他)・替(白芋茎他)・凌ぎ(穴子の棒寿司)・食前酒、煮物椀(鱧真丈・早松茸)、造り(鯒・中トロ)、合肴(蓮の葉盛)           
下段左から  焼肴(鮎の塩焼き・無花果胡麻味噌田楽)、地物(飛騨牛A5サーロイン陶板ステーキ)、ご飯(小芋ご飯・赤出汁・香の物)、水物(黒西瓜・桃太郎ぶどう)
 
8月3日
 今日はいい部屋に少しでも長くいるためにチェックインは遅めだ。朝の露天風呂に浸かり、朝食後は部屋にあるマシンでエスプレッソを飲む。当然のことながら朝食はバイキングではなく、食後のコーヒーもなかったが、部屋でゆっくり美味しいコーヒーを飲めた。結局、10時過ぎにチェックアウトし、ちょっと温泉街を歩いてみることに。部屋の窓からの景色でも薄々感じてはいたが、下呂温泉というのはかなり大きな温泉地のようだ。実際に来るまではひなびた温泉地、というイメージだったのでその違いに驚いた。
 少しばかりお土産を買って今日の最初の目的地である郡上八幡へ向かうが、走り始めてすぐにガソリンが入っていないことに気づいて戻る。ずっと山道だから何もないのだ。到着直前にはきついヘアピンカーブなどもある道だったが、思ったよりは走りやすかった。
 郡上八幡は盆踊りが有名なようだが、まだその時期ではないし、今回は宿泊するわけではないので関係ない。そうなると、特に見所があるわけではないのだが、まっすぐ名古屋に行っても特に何もないのだ。一応郡上八幡城という城があるので行ってみる。車で行っていいのだろうかと心配になるような恐ろしく狭い道を登っていくと無事駐車場があり城があった。ここも再建された天守だが、木造で再建した城としては最古なのだそうで、昭和8年という
 
からもう80年近く経っている。しかし、歴代の城主の名前を見ても全く知らない人ばかりだ。
 城を見て下に降りて来たところにある広場には「山内一豊と妻の像」がある。有名な「馬揃え」の像のようだ。このときの大河ドラマ「功名が辻」のときには高知に行ったが、その時はこの郡上八幡のことは全く知らなかった。どうやら一豊の妻千代がこの城の初代城主の長女という説が有力らしい。

 ↑ 妻が食べたヘルシーポークカレー(左)と焼きカレー麺
 これでもう見るところはないが、ここは食品サンプルの全国シェア7割だそうで、制作体験もできるらしい。しかし、ちょっと行ってみたのだが制作体験は予約が必要とのことだった。そんなわけで、中心街らしき所を少し歩いて飛騨牛コロッケを食べたりしたが、とても暑いので昼食に向かうことにする。
 このあたりでは「奥美濃カレー」というご当地グルメがあるらしく、事前に調べてあった「カフェレスト アルピーヌ」という店に行く。スープカリーがあったのだが、焼きカレー麺という新たに奥美濃カレーに
認定されたというものを食べてみた。美味しかったが要するにカレー味の焼きそばだ。昨日の昼もカレーだったが、カレーが2日くらい続くのはごく普通のことだから気にならないので、これは計画通りだ。食後はすぐに高速に入って今日の宿泊地である名古屋に向かう。
 ↓ 左 郡上八幡城の石垣。なかなか良い            ↓ 郡上八幡城天守                      ↓ 山内一豊と妻の像
 名古屋に向かいはじめたはいいが、高速に入ってしまったからこのまま行くとずいぶん早く着いてしまう。ホテルにチェックインできる時間にはなると思うが、名古屋での予定は特にない。そこで、明日に予定していた犬山城を今日に繰り上げることにした。犬山観光をして名古屋に入ればちょうど夕食の時間だろう。

 ↑ 国宝「犬山城」 バックが青空だったらきれいなのだが
 先にも書いたが、現存する城の中で、再建ではなく保存されている、国宝指定の城は4つしかない。今年の旅行初日に彦根城を見て、残るはこの犬山城だけだった。犬山城もそれほど大きな城ではないが、昔の状態を保っていてとても趣がある。階段は今まで行った城の中で最も急で、ソックスを履いていたため少し滑り気味で怖いほどだった。最上階からの眺めは抜群で、周りに高い山がないため360度パノラマという感じだった。ただ、このあと少し雨が降るのだが、その雲がかかってきていてやや暗かったのが残念だった。入場券は「文化史料館」にも入ることができるが、その前に信長の実弟である有楽齋が建てたという「有楽苑」でお茶を飲むことにした。「如庵」という国宝の茶室があるのだ。犬山城と共通の観覧券もあったようだが、知らなかったので別々に買ったが、こちらはお茶とセットで1300円という高額だったが、迷うことなく入苑した。犬山城近くの有料駐車場に車を置いて歩いてきたのだが、この有楽苑は名鉄ホテ
ルの敷地内のような場所にあり、駐車場がとても広いので、車を移動しても良かった、とやや後悔したが、その後文化史料館にも行くので仕方ない、と思うことにした。数十分後に少し雨が降るのだが、有楽苑は雲が多く少し暗い感じが、より雰囲気を出してなかなか良かった。なお、当然のことだがお茶は国宝の「如庵」ではなく、「弘庵」という眺めも良い趣のある建物で美味しくいただいた。
 その後は文化史料館に行き、そこを出ようとしたときに雨が降り出した。ただじっとしていても仕方がないので、同じ券で入場できる「からくり展示館」に行ってみたが、長く時間をつぶせるような所ではなかった。それでもほぼ雨が上がった感じになってきたので、駐車場まで戻りいよいよ最終宿泊地の名古屋へ向けて出発だ。
              左 犬山城の石碑  右 有楽苑の弘庵 →
 ↓ おしゃれな部屋だが変な音がしてうるさかった
 高速を使い、ほどなく名古屋に到着したが、都市高速の都心環状線が時計回りだけの関係でけっこう遠回りな感じでホテルに到着した。地図を見る限りでは都心環状線に入る直前で高速を降りた方が近そうだが、迷っても困るのでナビに従ったから仕方がない。
 結局ホテルにチェックインしたのは17:00過ぎで、のどが渇いていたので、すぐに夕食に出かけることにした。「世界のやまちゃん」の総本家のような「山 本店」というところが比較的ホテルの近くにあるはずだったのだが、どうも方向感覚がおかしくて、何となく探す元気もなかったので、ホテルの目の前にある「世界の山ちゃん」に行くことにした。入ってみてわかったのだが、6年前の名古屋万博で名古屋に宿泊したときに行った店だった。まあ、そんなわけで何はなくともまずはビール、そして手羽先だ。その他数種類の
ものを食べて芋焼酎も飲んで、夕食、という感じでもないがおなかがいっぱいになったところで、すぐ横にあるコンビニで部屋で飲むお酒を少し買ってホテルに戻る。
 部屋に入ってブログでもアップしようかと、パソコンをLANに接続しようとしてビックリ。何と有料だった。以前小樽でヒルトン系のホテルに泊まったときもそうだったが、安いビジネスホテルでさえネット接続無料なのだから、今時有料はないだろう、ととてもがっかりした。何か分単位の料金で、上限が1500円ちょっとなのだが、すぐに上限になりそうだ。旅行中の費用としてはそれほど高いものではないが、不満なので持ってきたWillcom端末で接続す

  ↑ 定番の「奇跡の手羽先」と喉を潤した生ビール
ることにした。これはあと半年少しは月980円で接続し放題というプランなのだ。少し遅いがネット環境のない旅館などで重宝していて、昨日の下呂温泉でも使用した。
 さらに寝るときになって、何だか全くわからないが定期的に「ゴーッ」というような音が聞こえて、さらにこのクラスのホテルではあまり考えられないのだが上の階の音が響いて安眠を妨害された。20階以上の高層階だから道路からそれほどの音が聞こえるとは思えない。「何だろう」と不満を増幅させながらの夜となってしまった。おしゃれな部屋だっただけにこの「音」と「ネット有料」が残念だった。
 
 ↓ ホテルの部屋から名古屋駅方面を見る。快晴だ。
8月4日
 いよいよ旅行最終日。飛行機は14時過ぎなのだがほとんど計画ができていない。ただ、まだお土産をけっこう買わなくてはならないので、駅地下に行こうということはほぼ決めていた。何時から開いて、どんな店があるか調べようとしてネットにつないだが、Willcomの調子が悪い。というかこのパソコンとの相性が悪いのか、今日は特にすぐフリーズして苛つくばかりだ。仕方がないので、有料でもいいことにしてホテルのLANにつないだ。快適には使えたが、気持ち的には腹立たしい。というわけで、ホテルの部屋に良く置いてある「支配人へ」のようなものにいろいろ不満を書いてチェックアウトの時に持っていったが、それとは別に、お部屋はどうでしたか?と聞かれたので、さり
げなく「うるさかった」という話をしたら、大変恐縮されて若干の割引をしてくれた。そういうつもりで言ったのではないのだが、さすがに高級ホテルともなればそういうものなのだろう。それにしてもたまたま応対した人がフロントの女性の中ではやや上の位っぽい人だったが、その人の即決で割り引きする、ということに少し驚いた。結果的には朝使ったネット料金プラスアルファくらいが値引きされた。
 このホテルの駐車場はチェックインから24時間出し入れ自由なので、今日の夕方まで使い放題、ということになるがそういうわけにもいかない。駅地下での買い物に車をどうしようか迷ったが、歩いて行くにはちょっと距離があるのでチェックアウトして車を移動させた。タワーズ駐車場という所に停めたのだが(後で知ったがここは30分310円だ…高い!)、提携の高島屋でお土産を買ったので結果的に駐車料金は無料になった。ただ、ちょっと早く行きすぎて高島屋が開いていなかったので連絡通路が使えず、不便な動きになってしまった。
 無事お土産も買い、まだ時間はたっぷりある。しかし、過去の忌まわしい記憶(2003年に京都から伊丹空港へ向かう時の名神高速と中国道の大渋滞で飛行機に間に合わなかったことや、2007年に首都高速の大渋滞で飛行機の出発10分前に空港に着いたこと)があるため、大都市の空港から帰るときには早めに空港に行くようにしている。。今日も空港で昼食を摂る予定だ。それでもあまりにも時間があるので、空港から遠ざからない場所、ということで熱田神宮に行くことにした。熱田神宮は伊勢神宮に並ぶような神宮だから、いつものことながら特に信仰心があるわけではないのに有名な寺や神社があったら必ず行くのだ。
 それでも本宮でお参りをした以外は、ただ境内を散歩しただけだった。

 ↑ 熱田神宮の本宮

 ↑ 神楽殿。平成21年に新築されたそうだ。
 空港のレンタカー営業所は、旅行初日の出発するときに「ちょっとわかりにくいですが…」と言われていた通り、一度間違えて周回道路を走ることになったが、2回目で無事着いて、手荷物検査も出発の時のように混むこともなく、余裕で昼食の時間をとることができた。名古屋に来たのにきしめんを食べないで帰るわけにもいかない、ということで入った店はちょっと予定外に時間がかかった。おかげで、その後少し店を見ただけで、出発ゲートを通ってからほとんど待つことなく機内に入る、という時間になった。いつも暇な時間を過ごしているので、ちょうど良いとも言える。
 ← 冷やしきしめんにご飯(何か名前が付いていたが忘れた)が付いたセット
 飛行機はほぼ定刻通り出発して定刻に到着した。帰りの列車は指定席を取ってあるので焦ることはないが、あまり時間はないのでのんびり夕食ということにもならないし、そもそもまだ時間が早い。というわけで「空弁」でも買って、と思ったがあまりパッとしたものもなかったので美味しそうなおむすびセットとお茶を買って列車に乗り込んだ。出発する日もそうだったのだが、今日もものすごく混んでいる。通常は「uシート」という指定席車両には立ってのるお客さんは入ってこないのだが、そんなことを言っていられないほどの混みようだ。そんなわけで札幌を過ぎてからの夕食となった(時間的にもちょうど良かったが)。
 ↓ かにと鮭のおむすび弁当
 無事旭川に到着し今年の旅行も終了。例年より1日短い日程でのため、やはりちょっと物足りなさも感じたが、今年は1日開けて大事な仕事があるから、台風などで遅れたら大変なのだ。はじめの頃沖縄に行くプランもあったが、今まさしく沖縄に台風が来ている。以前沖縄に行ったとき台風で飛行機が飛ばないということがあったから、沖縄にしなくて良かった、という感じだ。来年は結婚30周年記念の旅行だから豪勢に長めにしようか。


 旅行に戻る