2010年
    
8月3日(火)〜8日(日)   5泊6日

  長崎県(雲仙温泉 新湯ホテル)
  長崎県(ガーデンテラス長崎 ホテル&リゾート)
  長崎県(ドーミーイン長崎)
  佐賀県(唐津シーサイドホテル)
  福岡県(ホテルレオパレス博多)


 

 レンタカー
    ラクティス(トヨタ)

  走行距離
    1日目 170km
    2日目  95km
    3日目   8km
    4日目 144km
    5日目 230km
    6日目  90km
                  
       合計 737km

 
 


↑千歳空港の花畑牧場でピザ
 

8月3日

 今年のテーマは「龍馬伝」。坂本龍馬と言えば高知、というのが定番だが、高知にはすでに2度行っているし、今回は岩ア弥太郎も絡んで長崎をメインに考えた。実は職場の旅行で3月にも行っているのだが、その時はやや急ぎ足だったので今回はじっくりという計画だ。
 そうは言っても長崎市内だけでは何日も観光できるわけではない。例年通り5泊6日の計画なので、3月の職場旅行では行けなかった唐津にも足を伸ばすことになっている。まあ、我が家の旅行だから途中で何度も計画変更はあるはずだ。
 千歳−福岡の直行便が11時半という比較的良い時間に出ている。福岡に2時に着けるというのは素晴らしい。3月はそのまま長崎市内に入り亀山社中や坂本龍馬像などを見てからチェックインしたが、今回は日程に余裕があるので、初日は雲仙温泉に宿泊だ。前日にホテルから確認の電話が来て、ナビに従うと地元の人間もあまり走らない非常に狭い崖のような道を通ることになるので、国道経由の方が良い、とアドバイスを受けていた。過去にそんな道は何度も走ったと思ったのだが、なるほどその国道でさえカーブのきつい道だったからアドバイスに従って正解だった。今回の宿泊はパックに含まれる博多のホテルを除いてすべて「じゃらんネット」での予約だ。今日は温泉だが部屋は洋室で、まあそれなりの、というレベルだ。貸切風呂が半額という特典がついていたので、5時頃にチェックインしてすぐに貸切風呂に入ったが、露天でもなく思ったほどではなかった。
 夕食は別室のお食事処でのコース料理だ。それほど期待してはいなかったのだが、どれもそれなりに美味しくて満足できるものだった。特に芋焼酎の「魔王」をリーズナブルな価格で飲めたのは良かった。献立表に、料理に合うお酒まで書かれていたのが珍しかった。夕食を終えて部屋に戻ると何やら花火のような音が。しかしこれは花火ではなく雷だったのだ。10分もしないうちに豪雨となった。私が住んでいる旭川ではこういう降り方をすることがほとんどない。あれが1時間続いたらいろいろ被害が出るのだろう。明日は大丈夫かな、と心配していたら1時間ほどで雨は上がり、天気予報も明日は晴れだ。
 明日は島原を少し見て長崎市内入り、そして「軍艦島」に上陸という計画だ。龍馬とは直接関係ないが今回の目玉の一つだ。
 
←お食事処に入るとはじめから用意されていた前菜(詳しい内容は忘れた)

写真下、上段左から
 お造り、八斗木葱のスープ、スズキのグリル
 雲仙グリーンポークのディアブル

下段左から
 穴子豆腐、じゃこ山椒のお茶漬け、三昧素麺
 季節のデザート

↑ 部屋の様子

↓ 焼酎の飲み比べセット
    左から「川越」「魔王」「げんち」


 
8月4日
 旅行中は早起きだ。今日も6時には起きてホテル周辺の「雲仙地獄」を散策だ。温泉地での「地獄」というと別府や登別が思い出されるが、ここもけっこう広範囲に渡って源泉が湧き出ているのを見ることができる。ホテルへの
パイプがむき出しでたくさん見えるのはやや興ざめとも言えるが、その部分は草津の「湯畑」を少し思い出しながらの散歩だった。
 ホテルに戻って朝の温泉に浸かり、ボリュームたっぷりの朝食を食べる。こういう旅行中は何と言っても朝食がいつもより多いが、これがまた美味しいのでついつい食べ過ぎてしまう。体重増に注意しなくては。

← 朝からすごいおかずの数々。どれも美味しいから食べ過ぎる。
                  雲仙地獄→

 ↓ チェックアウト時のホテル。前夜の雨が嘘のような青空

 さて、早めにチェックアウトして島原市内へ。朝の散歩時は何となくどんよりしていたが、出かけるときは目の覚めるような青空だ。「やっぱり旅行中はこうでなきゃ」と張り切って出発だ。当初は雲仙岳噴火の被害をまとめた施設に行くことも考えていたのだが、どうしても午前中に長崎市内に到着しなければならないので、「坂本龍馬上陸の地」と「島原城」に絞った。途中、あの大噴火で大きな被害をもたらした雲仙普賢岳の平成新山を見ることができたが、どこかで良い撮影スポットがあるだろうと思っているうちに見えなくなってしまったのがとても残念だった。
 龍馬上陸の地はネットなどを調べてもあまり取り上げられていなくて不思議に思っていたが、行って見て納得。とうていそこがそういう土地だとは思えないような汚らしい場所で、要はここに船が着いたということだけなのだろう。申し訳程度に石碑のような物が建っていたが、ひっそりしていて誰も訪れないと思われる場所だった。
 その後は島原城へ。復元された城ではあるが、外堀と石垣を越えて城の目の前に駐車場があるというのも珍しい。それなりの資料を見て、駐車場にあるお休み処で有名な「寒ざらし」を食べる。今回の旅行の直前にテレビ番組で偶然やっていたのだ。まあ、美味しいと思うかどうかは何とも言えない。構内の美術館では長崎平和公園の「平和の像」の完成前の試作品などを見ることができたのが興味深かった。普賢岳の「平成新山」は遠くから眺める程度でやや心残りではあったが、あまりゆっくりはしていられないので一路長崎へ。途中、サッカーで有名な国見町を通ったが、道路脇の街灯が数kmに渡ってサッカーボールのデザインだったのには驚いた。道も広くないため、車を停める機会がなくて写真を撮れなかったのが非常に残念だった。 写真上から
 坂本龍馬九州上陸の地、島原城、寒ざらし



↓ トルコライス。安くて美味しい
 長崎に到着したのは予定通り11時少し。長崎出島道路の長いトンネルを出るともうそこは市内中心部で、目的の「出島ワーフ」はすぐそこだ。しかし、駐車場が混み合っていて少し時間を取られ、12時少し前に今日の昼食予定である「西洋亭」へ。「トルコライス」を食べるのが目的なのだが、ガイドブックなどではものすごいボリュームのように見えてやや不安であった。しかし、実際には常識的な量で、豚カツがとても美味しかった。本日のランチ、というので豚カツをハ
ンバーグにしたものが安かったので一つはそれにしてみたが、どうやら豚カツの方が美味しいような感じだ。
 そしていよいよ大きな目的の一つである「軍艦島クルーズ」だ。サンダル履き・傘は禁止だとか、いろいろと条件があって少し緊張していたのだが、その点について言えば結果的には大したことはなかった。船の往復と上陸を合わせて約3時間だが、上陸時間は1時間弱だ。ガイドさんの説明を聞きながら決められた場所を歩くのだが、とにかく暑い。もっといろいろなところを見たいと思うが、そっちに行く道はないのだ。どうして道がないのか不思議だったのだが、当時は炭鉱の作業第一で、一般の人の生活道路は作業に支障がないように地下道になっていたというから驚きだ。それらも全て崩れているのだが、これが全て「風化」による

ものだというのだからまたしても驚いてしまう。暑いながらも上陸を堪能して長崎市内へ戻る。いつも忙しく観光して回る我が家の旅行にしてはのんびりした時間だった。まだ4時で陽も高いから何カ所か観光できるのだが、今日はこの旅行で最も奮発したホテルだから、早めにチェックインして明日のチェックアウトを遅めにする予定だ。駐車場を出たらまっすぐホテルに向かうが、新しいホテルなのでナビには登録されていない。幸い、3月に泊まったホテルの近くなので、そこをナビに指定して無事到着することができた。それにしても長崎は坂が多い。軍艦島クルーズの観光案内では「長崎には平らな場所がありません」とまで言っていた。
                               クルーズ終了後、下船の時にもらえる「上陸証明書」 ↑

左上 軍艦島第2観光ポイントから。正面奥は学校跡。鉄筋コンクリート造り7階建て
     この他に日本初の鉄筋コンクリート造りのアパートなどがぎっしりと詰まって建っている

左下 中央奥にかすかに見える灯台だけは新しくできたもの。

       ↓ 天気が下り坂になりやや霞んでいるが、この角度から見るのが一番軍艦に見えるらしい。
            モデルは軍艦「土佐」だそうだ。

今日のホテルは大きな建物があるのではなく、テーマに沿った3種類の建物があって、チェックインなどのメインは宿泊者専用クラブラウンジという全く違うところですることになる。2年前の阿蘇でもそういうところがあったが、そことは全く違う雰囲気だ。。チェックインする場所のバーや部屋の冷蔵庫の物は無料というサービス付きで、せっかくだから夕食前にビールを飲んで、夕食時はワインをメインにした。

デザイナーズルームというコンセプトなのだが、広いワンルームの雰囲気は好きな感じだ。部屋には46インチの大型液晶テレビやiPod対応のCDプレーヤーがあったりして、今までには経験したことのない雰囲気だ。いかにも「高級」という雰囲気をかもし出していて、「ベタベタしない」という方針なのかもしれないが、従業員のサービスが何となく「冷たい感じ」がして、もう少し細やかだと抜群なのだが…。


 ↑ 全てが広いワンルームに収まっている。ソファの形がいかにもデザイナーズルームだ。

↓ 全部屋についているテラスから見た長崎港。夜は夜景が綺麗だが、写真はなかなかうまく撮れない。


上段左から
  前菜・小鉢・お造り
  冷やし茶碗蒸し
  天ぷら盛り合わせ

下段左から
  壱岐牛煮込み
  ご飯・赤だし・香物
  自家製アイスクリーム     

この他にあと2品ほどあったが、
写真を撮り忘れた。
     
                                            クラブラウンジ横からの夜景 →

左下 本館グランドテラス    右下 宿泊者専用クラブラウンジ。上がレストラン


↑ 3つに分かれたうちの、宿泊したタワースィート
 
8月5日
 奮発したホテルだから長くいないと損ということで、今日はチェックアウトを遅くする予定だし、歩くことが多い計画だから朝の散歩は必要ない。だから朝は比較的ゆっくりだ。12時までにチェックアウトすれば良いのだが、いくら今日も長崎に宿泊することになっているとはいえ、さすがに観光旅行でそれでは遅すぎる。遅めの朝食を摂って10時頃には出発した。精算の時に「じゃらんポイント」の値引きがされていなくて、精算し直してもらうということがあって、その時の対応にやや気分を害した。どうせなら無料で使えるクラブラウンジをもう少し使っておけば良かったかもしれない。
 まあそれはともかく、今日も朝から天気が良くて暑くなりそうだ。予報では35度。結構長く歩く予定だから辛そうだ。まずは長崎歴史文化博物館へ。ナビは変な道を走らせるが、とりあえず間違いなく目の前まで行ける。

↑ 龍馬通りの階段をスタート
 


↑ かき氷(抹茶とイチゴ)でパワーアップ

↓ 龍馬茶屋。やたらと打ち水をしていた。
 ここは、長崎奉行が再現されて、そこで「龍馬伝」の展示が行われている。3月ににも1度見たのだが、ドラマの舞台がいよいよ長崎に移ってきて少し内容が変わっていたようだ。「龍馬パスポート」という、ここと「亀山社中」「まちなか龍馬館」「グラバー園」に入場できる券を購入し、常設展示も見て、車を駐車場に置いたまま歩いて出かけることにした。3月に来たときは車で登っていって、駐車場がなくて困ったが今回は下から歩きだ。しかし、坂ばかりの長崎で、めちゃめちゃ暑いので階段を上るのはこたえる。「龍馬通り」をまっすぐ上り亀山社中記念館までは比較的近かったが、混んでいたので先に他の所にまわる。記念館(社中跡)とは別に「亀山社中資料展示場」というところがあって、3月には時間不足で行かなかったので行ってみることに。すぐ近くのような書き方だが、暑いせいか結構遠く感じる。その後はすぐ横にある「若宮稲荷神社」に寄ったが、そこにはこれから行く「龍馬像」の縮小版が建てられていた。そして、そこから「坂本龍馬像」までが遠い。「風頭公園」を経由し、たっぷりと汗をかきながら一通り回って再び亀山社中記念館へ。3月にも感じたが、小さな施設で思ったほど見応えはない。帰るときにはすぐそばの「龍馬茶屋」という店で「かき氷」を食べてパワーアップした。今年初のかき氷だったが、やはり暑いときには氷が一番だ。駐車場まで戻って、けっこう時間を費やしていたが施設利用による割引で300円しかかからなかった。
 ↑ 龍馬通りスタート          ↓ 亀山社中記念館


 ↑ 若宮稲荷神社     ↓龍馬像から下ってきて龍馬通りへ


 ↑ 眼鏡橋。水面に映るのと合わせて丸い眼鏡のように見える
 その後はまだ早いのだが今日のホテルにまっすぐ行って、駐車場に車を入れてしまって行動することにした。荷物をフロントに預かってもらって、ホテルの目の前にある「新地中華街」でちゃんぽんを食べるのだ。遅い昼食になってしまったが、車を預けてしまったのでビール付きの食事だ。3月には混んでいて新館に行った「江山楼」の本店へ。同じ店というのはやや面白味に欠けるが3月に食べて美味しかったので妻にも食べさせようということだ。今回は2度目ということもあるのかもしれないが、印象としては3月に食べた方が美味しかったような気がした。それとも本店と新館で味が違うのだろうか。
  ↓ 左 特上チャンポン                     ↓ 右 上皿うどん(太麺)
 

 食後はそのまま歩いて「まちなか龍馬館」へ。その後「眼鏡橋」を見るために歩いていると雨が降り出した。仕方なく喫茶店で時間をつぶしていたら比較的すぐに止んで、予定通り眼鏡橋を観光して戻った。そしてその後は電車に乗ってグラバー園へ。ほとんどの人は「大浦天主堂下」で下車してしまったが、今回は電車の終点まで行って、「斜行エレベーター」という物に乗って第2ゲートから入る計画だ。珍しい物に乗って、到着したところはグラバー園の一番高いところ。ここからは下るだけだ。今回はライトアップしたグラバー園でのビヤガーデンで飲もうと思っていたのだが、何となく寂しい感じで、しかも雲行きも怪しくなってきたので早々に切り上げることにした。帰りは大浦天主堂下からだが、あのあたりのお土産屋さんはみんな6時には閉まってしま
うのだろうか。空はどんよりしているし、店はほとんど閉まっているし、とても寂しい感じだった。
 電車で戻った後は中華街で少しお土産を買って、ホテルのすぐ横にあった「岩崎本舗」でお中元を送ったのだが、その間けっこう雨が降り、全部終わったときには止んでいた。いつも屋内にいるときに雨が降る。これも日頃の行いが良いからか…。
 ホテルで少し休んで、ネットで調べた店に電話で予約をして夕食に出かけたが、
 ↓ 旧グラバー邸。ややひっそりしていた。          ↓ 斜行エレベーターでグラバー園の一番上へ
 
念入りに地図を見たりした甲斐もなくホテルのすぐ近くだった。個室しかありませんがよろしいですか?…、と言われて「いいに決まってる」と思ったのだがこの店の「個室」というのが超狭い空間であった。若いカップルにはいいかもしれないが、後半は慣れたもののちょっと参った。
 そんなわけであまり深酒もせずにホテルに戻り大浴場へ。ここはビジネス系のホテルでありながら温泉大浴場があるのだ。                            
↓ 龍馬像と司馬遼太郎の「龍馬がゆく」の石碑があるところから長崎市内をのぞむ

8月6日
 今日は有田・伊万里と焼き物を巡り唐津までの1日だ。チェックアウトが11時までなので、朝食後歩いて出島まで行く。長崎は夜景が有名だから稲佐山など、山の中腹に建つ夜景自慢のホテルが人気だ。かく言う自分も一昨日はそうだったし、3月に来たときもそうだった。しかし、昨日は繁華街に建つホテルで、観光を考えるとそれはそれで便利だ。出島の後はすぐそばにある文明堂総本店(♪カステラ1番、電話は2番、3時のおやつは文明堂、という有名な歌があるが、その通り電話は0002番だった)でお土産のカステラを買い、ゆっくりとチェックアウトして出発だ。この間の駐車料金が宿泊に含まれているのもまた良い。
 3月に来たときは平和公園から長崎を出発したので長崎バイパス経由だったが、今回は中心部からということで来たときと同じ「長崎出島道路」を通って長崎道へ入った。この道路は長崎ICからすぐに
 
トンネルで、市内から走るときは何も感じないが、長崎に来るときはトンネルを出たとたんに長崎の中心部でちょっと感動する。途中の大村湾SAで大村湾の美しい景色を見ながら食べた「びわソフト」は美味しかった。あの湾に長崎空港があるわけで、3月と今回のどちらかは長崎空港にしたかった(時間的に都合の良い便がない)。その後   

   ↑ 出島のミニチュア。この右手に出島が復元されている

 ← 「電話は2番」の文明堂総本店
武雄JCTから西九州自動車道に分岐し、波佐見有田ICで降りて有田焼卸団地へ向かった。1カ所にあれだけ焼き物を扱う店が並んでいるのは見たことがなく圧巻なのだが、我々のほかにほとんどお客さんがいなくてなにやら寂しい感じだ。同じような店と言ってしまえばそれまでだが、もう少し上手に宣伝したらよいと思うのだが…。そこでは
 
 ↓ とても美味しかった「びわソフト」

「極上のカレー皿」というのを専用スプーンと一緒に購入。カレー皿としてはちょっと高価かもしれないが、旅先の焼き物を買うという点で言えばそれなりの価格だ。一緒に買った専用スプーンがほとんどカーブのないおもしろい形だ。その後は昼食を予定している「ギャラリー有田」へ。ちょうど昼時でとても混んでいたが、レストランの方はすぐに座ることができて「ごどうふ定食」というこのあたりの名物を食べた。豆乳に葛とでんぷんを溶かして作る「ごどうふ」がなかなか美味しい。しかもいろいろなおかずもついて、ごはんもおかわり自由で満足できるものだった。ギャラリーということでコーヒー  
 ↓ とても美味しかった「ごどうふ定食」
 
カップなどがディスプレイされていた。コーヒーカップやマグカップは有田系の磁器よりも、備前焼のように「土」を感じる「陶器」の方が好きで、全く買う気がなかったが、その他小物がたくさんあって、数点購入してきた。

 ↑ SAから大村湾を臨む。パノラマの合成がイマイチの出来だ。午前中から暑くて、ソフトクリームも急いで食べなければ溶けてしまう。
 
 有田を出発して、つぎは同じ系統の「伊万里焼」だ。ルーツを見ることができる大川内山の鍋島焼を見に行った。あまり人はいなかったが、なかなか趣のある雰囲気だ。両方を続けて見て、個人的には有田焼の方が好みだという感想だった。ただ、あちこちで売られている「まがい物」と比べると色の鮮やかさや器全体の艶が全く違う感じがする。
 この焼き物の里は山奥にあるのだが、これは昔、朝廷に献上する陶磁器の製法が他に漏れないようにするためだったらしい。ここでは風鈴などを少しだけ買って今日の宿泊地である唐津へ向かう。
 唐津では駅前にある唐津焼会館ともう1カ所で見たのだが、価格の割にあまり好みに合わない感じだった。来る前に写真で見た感じでは「唐津焼」が一番「土」っぽくて好みのように思っていたのだが、釉薬がない、表面がざらざらしたタイプではなく予想と違っていた。このため早々に切り上げて、行くかどうか迷っていた虹の松原を一望できる鏡山展望台へ向かった。かなりのヘアピンカーブがあり、駐車場から数分歩かなければならなかったが、その価
 ↓ 鍋島藩窯公園に向かう上り坂。両側に店が並ぶ。
値は十分にある360度パノラマの素晴らしい景色であった。展望台には内田康夫の推理小説で読んだ「佐用姫」の像があったが、説明文をあまり詳しく読んでこなかった。とにかくここは景色が素晴らしい。唐津に行ったら必ず行くべき場所だ。
 その後唐津城へ向かったが、駐車場の案内では午後5時までということで、もう時間が過ぎているのであきらめてホテルに向かった。翌日知ったのだが、夏場は6時まで開いているようだ。しかし、夕食の時間などもあるのでチェックインでOKだった。
                          ↓ 鏡山展望台からのパノラマ。相変わらず合成がイマイチ
 
 ↓ 部屋から海が見渡せる。バルコニーからは真下のビーチがよく見える

 ホテルの目の前はまるでプライベートビーチのような感じで、全室オーシャンビューの景色は素晴らしかった。夕食は2カ所から選ぶのだが、片方は混んでいて遅くなるというので「日本料理」の方で食べることにした。ここの食事が予想に反して(料理自慢のプランではあったのだが)とても美味しく、今回の旅行では1番であった。部屋と同様、食事の席からも海がよく見えて気持ちが良かった。当初の予定にあった明日朝の呼子をやめることにしていたのだが、呼子に行く目的だったイカ  
の活き造りも出て大満足。食べるときにはまだ足が少し動いていた。この活イカは一人1パイで、他の料理を考えると食べきれないのだが、残りを天ぷらとイカ焼きにしてくれる心遣いもうれしかったし、天ぷらも美味だった。
 なお、ここでも食事中急に海が暗くなって集中的に強い雨が降った。毎日暑いからたくさんの水蒸気で雲ができて夕方に降るのだろう。これだけ毎日降っているのに観光中は常に晴れていて暑い。

上段 左から  活イカその他のお造り    一番美味しかったのに名前を忘れた魚の煮付け    踊り焼きをした後切ってくれたアワビ    佐賀牛の網焼き
下段 左から  地酒の飲み比べセット    前菜…ほおずきの中には梅が入っている    デザート…生姜プリン
  
  

8月7日
 旅行も終盤になり、毎年このあたりの計画がいい加減になってくる。今日は博多に宿泊で、呼子の朝市に行く計画だったが、朝市というからには遅い行動はできず、それでは博多に早く着きすぎる。他に行くところはないかと考えているうちに、関門海峡付近に行こうということになった。そうなると呼子に行く時間がちょっともったいない、ということで省略することになった。幸い昨日の夕食に「活イカ」も出たことだし、イカ以外には他には特に目的はないのだ。
 今日の最初の行動は朝食前の「虹の松原」散策だ。展望台から眺めただけではいったことにならないし、ホテルの敷地内に散策道入口があるのだから行かない手はない。端まで歩くと片道5kmもあるので時間的にちょっと厳しい。真ん中あたりまで行こうかと思って歩き始めたが、あまりきれいな散策道ではなくどこまで行っても同じよう
な風景だ。途中で飽きて海岸に出て戻ってきた。歩きづらかったが久しぶりの砂浜だった。
 その後は海の見える部屋風呂に入ってから朝食を食べて、まずは昨日行けなかった唐津城へ行くことにする。とにかく旅行先に城があれば必ず行く。城が好きなのだ。唐津城についてはあまり歴史は知らないし、復元されて内部は綺麗になっている城だから感慨は少ないが、城は外から見る姿が美しい。城にはよくあることだが高台の上に立っていることが多く、この城も高いところにある。駐車場からすぐに登っていけるが、少し歩くとエレベーターがあるというので行ってみた。今日はもう歩いたし、朝から暑いのも避けたい。思ったより遠かったが着いてみるとここも斜行エレベーターになっている。珍しいと思っていたのに2日続けて乗ることになった。
 上まで行くと、城そのものよりも最上階から見る景色が良かった。行く時間はとれなかったが、宝くじに当たるということで有名な宝当神社がある高島もすぐ目の前のように見えた。
 その後は門司港めざして一気に移動だ。西九州自動車道はまだ所々しかできていなくて、二丈浜玉道路とか今宿バイパス、福岡前浜道路というような名前がついているが、一部を除いて自動車専用道路で福岡都市高速につながっている。以前来たときに福岡タワー付近までしかなかった都市高速も延長されてつながったので、一気に旧自動車道まで行ける。今日はこの旅行で最長の移動距離だがほとんどが高速なのであまり苦にならない。心配があるとすれば、土曜日なので夕方博多に帰るときの渋滞くらいだろう。渋滞に遭っても今日は飛行機に乗るわけではないから大丈夫だ。

↑ ホテル敷地内の散策道入口       ↓ 唐津城

 ↑ 海峡ドラマシップ。あまり活気がなかった。
 ↓ ふく焼きカレー。最後まで熱々で美味しい。


門司港ICで高速を出たのはちょうど昼頃で、まずは門司港名物という「焼きカレー」を食べに行く。調べるとたくさん出てきすぎてどこがおいしいのか全く分からない。そんなわけで、何となく行くことにしていた「海峡ドラマシップ」に向かったのだが何だか思ったよりも人が少ない。空いていると観光はしやすいが活気がないのは好きではない。まあそれはそれとして、まずは最上階のレストランに行き、ふぐのフライがついた「ふく焼きカレー」を食べる。ふぐのフライもカレー自体もおいしかったが、要はカレードリアだ。レストラン横の屋上からの景色は素晴らしく、それだけに満足して建物を出そうになった。有料ゾーンはあまり面白くなさそうだ、ということでそうなったのだが、トイレに寄ろうとしたら「海峡レトロ通り」という無料ゾーンがあったので寄ってみた。昔の街並みなどを再現したコーナーがあってなかなか面白かった。危うく見ないで出るところだった。やはり旅行後半の計画が適当
 ↑ 九州鉄道記念館の入口
 ↓ 旧三井倶楽部。中には入らなかった

 

 ↑ 旧大阪商船。入場無料だが、特別何もない
 ↓ 旧門司税関。何とかの漫画展をやっていた。


 
↓ 海峡ドラマシップ屋上からのパノラマ
なところは危ないが、忙しい時期に6日分も細かい計画を立てるのはなかなか大変で、どうしても後半はそうなってしまう。
 その後門司港駅方面に行くと、人の数はそうでもないのに駐車場は混んでいる、というか駐車場が少ないのだ。仕方なくちょっと離れた「鉄道記念館」の駐車場に車を入れて歩くことに。鉄道記念館は中には入らなかったが入口で雰囲気を味わった。それから「門司港駅」に行ったが、ここは終着駅で香川県の高松駅のように改札を出ると線路が縦に並んでいる。また、この駅は建物から一度出てから改札がある感じで、駅正面ではなく横の方からも改札口に行ける。なかなか面白い造りだ。そして「旧三井倶楽部」「旧大阪商船」「旧門司税関」などのレトロ建築群を見ていくうちにどんどん人が増えてきた。どうやらこっちのエリアがメインの観光スポットのようだ。大勢の人がいた「海峡プラザ」というところでショップを見たりアイスを食べたりして車に戻ったのだが、あの辺り一帯はどこもカレーの香りが充満していてお腹が空いていなくても食欲を誘う感じだった。
 ←海峡レトロ通り
 以前、2度関門海峡を渡ったときは高速の関門橋経由で、関門トンネルを通ったことはない。高速を走り続けているということもあるが、トンネルに入るより景色の良い橋を渡る方が運転していて楽しいから当然だ。このため、今回の旅行計画を立てるまで知らなかったのだが、関門トンネルは車が通る道の下に人と自転車専用のトンネルがあるというのだ。ちょっと驚いたが距離が780mしかないと聞いて納得。そうであればやはり行ってみなければならない。海峡を挟んだ本州の山口県と九州の福岡県の県境を歩いて越えることができるのだ。北海道と本州や本州と四国も鉄道や高速道路でつながってはいるが、歩いて超えることができるのはここだけだろう。実際に海峡近くまで行くと、海というより大きな川という印象で、これなら歩くトンネルもあり得るという印象だ。「人道」というこの道へはエレベーターで降りていく。その後歩いて県境を越え、下関側の人道入口にエレベーターで上ると、そこはもう本州だ。真ん中付近の県境のあたりが一番低くて、両側に向かって緩やかに上る構造になっている。ネットの案内などに書いてあった通り、ジョギングをしている人や通勤・通学らしい人がたくさんいた。自転車は押して歩くことを条件に50円の料金がかかるが、人間は無料だ。
 

 ↑ 人道トンネル門司側入口
                 人道トンネル下関側入口 ↓

 ↑ 人道トンネルの路面に書かれた文字。県境がはっきりとわかる。

          ↓ 関門橋。下関側から九州方面を臨む
  しっかり門司港・関門海峡の観光を堪能して、ついでに下関まで行くこともできて、あまり計画的ではなかったにも関わらず満足できる1日となった。宿泊の博多に戻るときには、さすがに土曜日の夕方ということで少し車が詰まる部分もあったが、渋滞という程でもなく順調に着いた。
 毎年JAL(たまにANA)のフリープランを使っているが、往復の飛行機と最低1泊はプランの候補から選ばなければならないが、今日はそれで選んだホテルだ。博多ではいつも中州や天神方面に泊まっているのだが、今回は博多駅東口にしてみた。ホテルがナビに登録されていなくて地図から選んだのだが、幅が広い道路を右折してホテルに入るルートだったので勝手に変えて走った。今年は比較的ナビのいう通りに走ったのだが、あの道の右折はいただけない。考えてみればいつも車を返却する営業所のすぐ近くだったので、そこを指定すれば良かったのかもしれない。
 
   ↑ 長州砲。なかなか壮観だ。                   ↑ 源義経と平清盛の像                      ↑ 壇ノ浦古戦場址の石碑
 


 旅行最後の夜が博多というのは今回が5回目、というか九州に足を踏み入れたときは必ず最後の夜が博多だ(3月の職場の旅行の時も同じ)。そしてワンパターンで「テムジン」という餃子屋に行くのだが(定休日だったこともあるが)、今回は3月に行った「603」という店の筑紫口店に行ってみた。混み合っていて予約が必要な雰囲気だったが、2人だったのでカウンターに座らせてもらえた。変わり餃子などもあって結構楽しめる店なのだが、この店では500円平均の焼酎を3種類で650円という飲み比べセットというものがあり、かなり楽しめた。いつも芋焼酎しか飲まないのだが、メニューにある21種類の中で過去に飲んだことのあるものを除いて全部制覇しようとしたがちょっと無理で、結局9種類を飲んだ。それぞれ結構な量があり、氷も別に持ってきてくれるというシステムで大満足だった。妻も焼き餃子の中にあんこが入ったデザートを食べて、それなりに満足できたので、2次会なしでまっすぐ徒歩5分程度のホテルに戻った。というか、歳のせいか最近は旅行中に2件目に行くことがほとんどなくなった。
 その後妻は早めに寝たが、私はホテルの前に出店していた屋台に行ってラーメンを食べる。やはり博多に来たら最低1杯はラーメンを食べなければならない(3月に来たときは2杯食べた)。

 ← 上 黒豚餃子   中 デザート   下 ホテル前の屋台で食べたラーメン



↑ 飲み比べセット3回で9種類

8月8日
 いよいよ今年も最終日。夏の恒例の旅行が5泊6日になってから今年で10年目ということになり、毎年5日目くらいには少し疲れが出る感じもあるのだが、最終日になると毎回名残惜しい。
 

 最終日の今日は昨日にも増して計画ができていない。3月に職場の慰安旅行で来たときは太宰府天満宮と九州国立博物館に行き、その時と飛行機が同じなので同じコースでもいいかなと思っていたのだが、一昨年「篤姫」をテーマに来たときにも行ったし、太宰府はそれより前にも行ったことが
 ↑ 遺跡公園の入口。同じような門(?)がいくつもある
 ↓ 竪穴式住居が建ち並ぶ

ある。時間はたっぷりあるのだが、日曜日で高速の渋滞に巻き込まれて飛行機に間に合わない、という悪夢が頭をよぎり遠出するには腰が引ける(2003年に4泊5日の予定だったのが、高速の京都−大阪間の大渋滞で飛行機に乗れず、1泊追加するという経済的ダメージも大きな苦い思い出がある)。 結局最終決断をしたのは今日の朝で、計画段階から気になっていた佐賀県の「吉野ヶ里歴史公園」まで足を伸ばすことにした。高速のICからすぐの所にあるし、それほど遠くもないから、車の流れが順調なら1時間もかからないはず、ということになったのだ。さらに往路は午前中の早い時間だから絶対大丈夫という確信もあった。結果的に九州道は車が多かったものの長崎道に分岐してからは車も少なく全く問題なく到着した。
 ここは弥生時代の遺跡が発掘されて公園になっているのだが、再現されたものとはいえなかなかの見応えだ。最も印象的だったのは死者を大きな甕
に入れて埋葬したということで、その甕の実物も展示されていた。結構広くて、例によって朝から暑いこともあって汗ダラダラだったが、早い時間だったので人が少なくゆっくり見ることができた(我々が帰る頃には団体客がどっと押し寄せてきていた)。きれいな緑と雲一つない真っ青な空がとても美しく癒されるひとときだった。
 昼頃には全て見終わって、食事ができそうな所もないし渋滞が怖い。まだお土産も買わなければならないということで一路空港へ。結果的には全く渋滞もなく余裕たっぷりで空港に到着し、昼食を食べてお土産もゆっくり買うことができた。

      ↓ 南内郭にある物見櫓からの眺望。手前は「王の住まい」。佐賀平野が美しい。 
   
 
                    右上  高床式は主に倉庫などに使われていたようだ
                    右中  生活用品などの取引が行われる「市」。手前は管理者の住まい。
                    右下  遠くに北内郭の「主祭殿」が見える。クニ全体の重要な会議が開かれる。
 




   これまでの旅行で大河ドラマをテーマとしたのは、1997年の「毛利元就」で広島、1998年の「徳川慶喜」で水戸・会津、2002年の「利家とまつ」で北陸、2006年の「功名が辻」で四国、2007年の「風林火山」で信州、2008年の「篤姫」で九州、2009年の「天地人」で上越・山形、そして今年を入れて8回。来年は「江」ということでどこが舞台になるのかわからない。場所によっては今までと重複するし、東京ならつまらない。いっそのこと大河ドラマからはずれて、沖縄とか東北三大祭りなどという手もあるが…。


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